もう一度お前が欲しいだなんて。
思ってはいけなかったのに。
なぁ、止めてくれ。
どうすることもできないこの流れを、誰か止めてくれよ。
今更もう改善なんて望めないのは分かってる。
だったらせめて今のままでいられはしないのか。
あの頃には戻れない。
でも、せめて、全て壊れることだけは許してくれたっていいじゃねえか。
どうして、全部壊れていくんだ。
どうして止められないんだ。
止まれよ。
なんでもう駄目なんだ。
なんでもう駄目だって、わかるんだ。
ずっと一緒に。
ずっと一緒に、歩いていければいい。
そう思っていたのは、お互いのはずだったのに。
「なんでそうなんスか?」
勝手に声が出ていた。
ただただ衝動のままに。
どうしてだ。
どうしてお互いにお互いのことが好きなのに。
こんなにすれ違って。
傷つけあうしかできないんだ。
「オレは、オレは確かに、黒子っちのことが好きだった。
でも、でも違ったんだ!
オレ、アンタと一緒にいる黒子っちが好きだったんだ。
アンタのことがホントに好きで、アンタといれることが、嬉しくて仕方ないって。
見てるだけでもわかったんだ。
オレは今でも2人に一緒にいて欲しいんス!
なんで二人とも勝手に、もう終わりだなんて決めつけてるんだ!!
まだ、まだ取り戻せるんじゃないのかよ!!!」
羨ましい。
あれほどに思われる青峰が。
それほどまでに思える相手に出会ってしまったことが。
「青峰大輝!!
根性出せよ!!
このままじゃ、絶対に後悔しか残らないって!!!」
オレだって、こんなに好きなのに。
こんなに報われないのに。
結局青峰っちは。
どうか願いがかなうなら。
キミが、ボクのものになりますように。
どこにも、行ってしまいませんように。
「テツ。オマエ、熱あんぞ」
「…大丈夫です」
「大丈夫なわけねーだろ!保健室行けよ!」
ネクタイ引っ張ってキス。
「…あんま挑発すんなよ」
「……キミこそ反応が少ないです」
「反応していいのかよ」
「……どうぞ?」
「しらねーぞ」
「望むところです」
「へぇ。いいのか」
「どうぞ?」
「んじゃ、足腰立たなくしてやるから、覚悟しな」
唇を合わせる。
口に無理やりねじ込まれた指を噛む。
「いてぇよ」
やわやわと、甘く、緩く。
「噛むなって」
そういう割に、彼は楽しそうだ。
それを証拠に、手を引かない。
舌で輪郭をなぞって、少しずつ位置を変えて。
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