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黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
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暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
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「はぁ。疲れた」

黄瀬は肩を落としながら部室に入ってくる。
それもそのはずだ。
黄瀬の持っている紙袋には一杯の可愛らしい包み。
そしてそれはそれだけではないのだから。


部活が終わって、待ち伏せしていた女の子たちに駆け寄られて渡されたのがそれだ。
部活が始まる前、朝から、既にもう1袋は貰っている。

「おい、せっかく貰っといてんな顔してんじゃねーよ」

失礼な奴、と言わんばかりに、青峰は黄瀬を睨んだ。

「だってコレ…全部食べたらオレ糖尿病になりそうなんスけど」
「太っちまえ。でモデルなんかやめろ。そしたら問題解決だ」
「いやーそれはちょっと…」
「それにチョコレートはニキビになりますからね。モデルのキミは禁止命令でも出てそうですけど」
「うーん、食べ過ぎないようにとは言われてるんで。勿体ないけど、無駄にするしかないねー…」
「ヒデー奴」

「だってしょーがないじゃないッスか!これくれた皆だってオレが醜くなることは望んでないと思うんスよ!」
「自意識過剰め」
「えー!?」
「いらないならちょーだいよ」

のそのそと、奥から歩いてきたのは紫原だ。
恐れられる巨大な体格、そしてこの適当な性格。
彼がもらえたチョコレートは、それほど多くはなかったらしい。

「あ、欲しいんならどーぞ」

黄瀬は素直に差し出す。

「じゃーもらう」

紫原は遠慮なく中を物色して、よさげなものを選んでいく。

「オマエ、プライドねーな…」
「別にオレモテるとかどーでもいーもん。必要以上にモテたってうざいだけでしょ?」
「う、痛いとこつくッスね」
「まあ確かに、この量は大変でしょうね」
「黒子っちもいらないッスか?」
「…憐みですか?」
「え」

黒子は嫌そうな顔で黄瀬を見上げる。
黄瀬は慌てて、黒子っち甘い物好きだから!とか言い訳したが、黒子はいまいち納得できない様子だ。

そうこうしているうちに緑間が入ってくる。

「おい、入り口で溜まるな」

その腕にもいくつかの包みが乗っている。
どうやら呼び出されて渡されていたらしい。

「緑間君も、結構な収穫ですね」
「…まあな」
「おいもっと喜べよ?」
「絡むな。オマエこそ相当貰ったのだろう?」
「まーな。でもこんなに遅くなったとこ見ると、告白とかされたんじゃねーの?ん?」
「されたが、断った」
「ヒドイ奴。ちょっとは考えてやれよ」

「今はバスケのことしか考える余裕がないのだよ」
「緑間君のそういうストイックなところは、カッコいいですよね」
「ちょっ!?黒子っち!?」
「オイ…オマエんなこと言うと次の試合大変なことんなるぞ!!」

無理やりラッキーアイテムを持たされたり、色々と恐れることは多い。

「オレもモテたくないって言ったよ。褒めて?」
「はいはい、キミも凄いですね」
「オレだって付き合う気はないんスよ!?」
「オレだってねーよ」
「そんな必死にならなくても…」

「ふむ。早めに部活を切り上げたのは正解みたいだな」
「…赤司君」

新しく入ってきたのは赤司だ。
彼もまた、いくつも包みを抱えている。

今日は部活中に呼び出してチョコを渡そうとする女子が激増するだろうから、とりあえずそれは徹底して阻止させて、部活を早く終わらせることにしていた。
やはり身長も高く、しょっちゅう表彰やなんやされているバスケ部は人気も高い。

「お、オマエも結構もらってるな」
「当然だ」
「キミは外面いいですからね」

ドSっぷりを炸裂させている部活中とは違って、教室では比較的優しげに振る舞うのだ。
特に女子には、紳士的に接して見せる。
そうすることで彼女らが効率的に動くこともわかっているからだ。

「オマエの中身知ったらぜってー減るよな、それ」
「いや、そういうキツい人が好きって子も結構いるッスよ?」
「どこの情報だよ…」
「まあ、人の好き好きですよ」

「それから、涼太は後でマネージャーたちに謝っておくように」
「えっ何でッスか!?」
「オマエのファンたちを追い返すのに彼女らは相当苦労したみたいだぞ」
「あ……」
「…気の毒ですね」
「今日休んだ方がよかったんじゃない?」
「いやだって!!そんなことしたら逆にデートかよとか怒られそうじゃないッスか!!」
「ったりめーだろ」
「オレ逃げ場ないッス!!」

「それはそうと、テツヤは何個貰ったんだ?」
「2個ですけど」
「おっ!?」
「1つはさつきだとして、後は?」
「マネの人が全員に義理で配ってたでしょう。それですよ」
「寂しい奴…」
「どうせ捨てちゃうんだからこれ貰えば?」

紫原までもが同情して黄瀬の袋を差し出してくる。
黒子はいっそムカついていらないですと言い切った。

「別にいいです。自分に向けられた愛情には素直に答えてください」
「意地張んなよ、モテねーのはツライだろ?」
「うるさいです」

絡んできた青峰の鳩尾に肘鉄を食らわせる。
ぐはっと青峰は腹を抱えて蹲った。

「男の嫉妬は醜いよ、テツヤ」
「誰が嫉妬してますか」
「ってゆーか、桃っちの、大丈夫なんスか…?」

桃井の料理下手は有名なところだ。
マネージャーの中で回される、試合の差し入れの当番も、桃井には回らないようになっている。
それは桃井が特殊な役割を負っているところもあるが、試合中に体調不良者を出さないための配慮でもあった。

「あーまあちゃんと固まってたし、いーんじゃね?」
「あ、青峰っち、見たんスか」
「チョコが固まらないのーって泣きながら家に来てたからな」
「相変わらず仲良いッスね」
「なんか分離してたし得体の知れねーもん入れてたけどなんとかなるだろ」

「…黒子、無理はするなよ」
「いえ、まあ、折角頂いたんですから、食べますよ」

因みにもちろんキセキ全員が桃井からのチョコを受け取っている。
ただ、大部分はもらったチョコレートがこんがらがって誰のものかわからなくなっているのだが。

「ってゆーか、固まらなかったチョコどうしたんスか…?」
「知らね。なんとかして固めたみたいだけど」
「…ゼラチンか寒天か、かな」
「そのチョココワい!!」

黄瀬は思わず悲鳴をあげる。
自分で勝手に固まるものじゃなかったか?チョコって。

「無理だと思ったら諦めるのだよ」

緑間ですら青い顔をして黒子に言う。

「…いえ、食べますよ」
「黒ちん、男前~。オレは無理」
「…酷いですね」

「オイ明日学校休むなよ?」
「…多分」
「黒子っちそこまで無理しなくていいんスよ!?」

黄瀬は喚くが、黒子は聞く耳を持つ様子はなかった。

「そんなテツヤに敬意を表して、これをやろう」

赤司は黒子に何か光るものを投げてよこす。
黒子が慌ててそれを取れば、それは、500円玉。

「それで口直しに好きなものを買って食べればいい」
「はぁ」
「僕からの愛情だ」
「…何の冗談ですか?」

黒子は眉を寄せたが、赤司はさっさと着替えに移ってしまって、話を聞くつもりはなさそうだった。

「黒子っち!オレも買ってあげるッス!!」
「え、いやいらな、」
「じゃーこの後買いに行くぞ」
「え」
「じゃーオレからは100円」
「…これでも持って行け」

手のひらの上に100円と胃薬がのせられる。

「いや、いらないんですけど」
「まあ貰っとけよ。ほらさっさと着替えろ。買ってやるから」
「だからいらないって言ってるんですけど」
「そんなこと言わずに!黒子っちだって甘い物好きでしょ?」
「はぁ…」

結局押し切られて、向かったコンビニで黒子はチョコを買い与えられることになる。

そして翌日やっぱり黒子は体調を崩して、保健室に駆け込むこととなった。





 

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