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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
キリ番9000を踏んでくださったいぶきさんに捧げます。
(またまたリクと若干違うような気もするので苦情受け付けます!)
よくある練習試合の帰り。
電車の開いた席に座ることのできた桃井は、襲いくる睡魔に負けて、眠りこけてしまった。
隣にいる黒子に、身体を寄せて。
「疲れてる選手放っといて寝んなよなー」
青峰は、眠りこける桃井に呆れてため息をつく。
「大変なのは選手だけじゃないですって」
「そーそー、桃っち、いっつも早く来て準備とかしてくれてるしな」
「試合中も気が抜けないみたいだしな」
「適当に見てればいーのに。どーせ勝つでしょ?」
相変わらず紫原は他人と話を合わせようという気がないらしい。
「真面目なんだよ。それに、お前たちの欠点も見つけないといけないからな」
「うえ。ダッルー」
「もう少し真面目にできんのか、オマエは」
「だってオレ強いしー?」
「そういう問題ではないのだよ」
「そーゆー問題でしょ?負けなければいーだけじゃん」
「……相変わらず、オマエとは話が合わんな」
「元々でしょ?今更どうにもなんないよね」
「少しは努力しましょうよ…」
険悪な空気を醸し出す緑間と、気にする様子もない紫原は対照的だ。
「っかし間抜け面だなー。涎垂れんじゃねぇ?」
「やめて!そんなこと女の子に言っちゃダメッス!!」
「というか人の寝顔をまじまじと見るのがどうかしているのだよ」
「人前で寝んのがわりーだろ」
「まあそれだけ安心してるってことッスよ」
「不用心だよな」
「っつーかさつきにわざわざ欲情しねーだろ」
「青峰君いい加減にしてください。可愛いじゃないですか」
「おっ!?」
これは聞き捨てならないことを聞いたとばかりに、黄瀬が目を瞬かせる。
「へー黒ちん、さっちんみたいなのがタイプなの?」
「そういう話はしてません」
「まあ、安全なら問題ないのではないか」
「そうだな。部内で痴情の縺れがあっても困る」
「一時期マネージャー候補が押しかけてうざかったよね」
「ああ、涼太が入ったすぐ後だな」
黄瀬の入部直後、バスケ部にはマネージャー希望の女生徒が殺到した。
その主な目的は、もちろん黄瀬の彼女の座を狙ってのことだった。
「…あー、それって、オレのせいッスよね」
「当然だが、それが当たり前という顔をされるのも腹が立つな」
「キャプテン真顔怖いッス!」
「赤司君冗談が過ぎますよ」
「赤ちんって人を脅すの上手いよね」
「人間としてどうかと思うがな」
緑間はいかにもいやそうに吐き捨てる。
「っつーかテツ重くね?平気か?」
「流石に女の子1人支えるぐらいできますよ」
「でもさっちんは結構重そうだよね」
「ちょっ!そーゆーこと言ったらダメッスよ!!」
「まー胸あるしな」
「やめろ、公共機関でそう言う話をするな」
話が下賤な方向に向かうのを止める声がかかり。
「かてーな、どーせ誰も聞いてねーよ」
「いえ、意外と聞こえてるものなので本当に控えてください」
「へーへー。でもマジでウザかったら起こせよな。甘やかすとつけあがんぞ」
「青峰っちは桃っちに対してヒドすぎッスよ!」
「るせーな関係ねーだろ。オマエだってそんな優しくしねー癖に」
「最低限はしてるッスよ!」
青峰を責めるには、黄瀬もいささか不誠実だった。
「ふん。オマエら二人とも他人に対する配慮が欠けているからな」
「そーゆーアンタもうじゃないッスか!!」
「オマエも全然まともじゃねーからな?」
「なんだと?」
「ちょっと静かにしてください。迷惑ですし、桃井さんが起きます」
「まあ確かにうるさいな」
「元気だねー」
流石に電車内で騒ぐのは迷惑だ。
学生で団体であるから、ある程度は仕方ないとしても。
「でもほんとに緑間っちはまともじゃないし、青峰っちは桃っちに酷いと思うんス」
「喧嘩を売っているのか?」
「…まあ、キミの生き方と黄瀬君の生き方は違うってことですよ」
「そうだな、確かに大輝は思いやりが足りないな」
「はぁ?長い付き合いなんだぜ、さつきだってもうわかってるだろ」
青峰は完璧に呆れて言う。
その様子からは、彼女に配慮する様子など全く伺えない。
「キミが酷い奴だってことをですか?」
「…オイテツ」
「桃井さんは本当にキミに尽くしてるのに、可哀相ですよ」
「…うぜーなー、誰も頼んでねぇっつの!」
「まあいちいちうるさいよねー」
「キミは話に入ってこないでくれませんか、ちょっとややこしくなるので」
「うわ、ヒド」
黒子はあっさり紫原を切り捨てたが、かといって青峰が真面目に対処する姿も思いつかなくて、沈黙した。
「まあよく桃井も我慢しているものだな」
「それは思うッスよ!普通愛想つかすって絶対!」
「オイオメーら。どんだけオレを馬鹿にしてんだ?」
「痛!ちょっと狭いんだから小突かないで!」
「それだけバスケが好きなんですよ」
騒ぎ出す二人をよそに、黒子は、優しい眼差しで桃井を見下ろして、言う。
「後は青峰君に対する姉のような気持ちかと」
「何だそれ!?いらねーよ!」
「騒ぐな。…まあ、そんな気はするな」
「姉弟って感じッスか?」
「ぁあ?いっつもコイツに世話焼かれてるわけじゃねーっつの!」
「でも青峰っちって一人じゃ生きていけない気がするッス」
「…黄瀬、馬鹿にしてんのか」
「わーちょっとマジで電車内で暴れないでくださいッス!!」
「後で覚えてろよ」
「なんでオレだけこんな風当たり強いんスか…?」
既に当たり前になっているこの力関係に、もう誰もフォローしようとはしない。
「まあテツヤが優しくするからそこでストレス発散してるんじゃないのか」
「あー黒子っち優しいもんねー」
「人として当たり前のことをしてるだけですけど」
「だからコイツが調子のってんだろ…」
「ちょっと…やめてください」
青峰は桃井の頭を軽くつついた。
といっても力加減を知らない彼のこと。
桃井の頭はかくりとずれて、否応ながらに夢から覚めることとなる。
「…あれ?」
「あ、桃っち起きた?」
「…青峰君がちょっかい出すからですよ」
「もうすぐ駅だろ。別にいーじゃねーか」
「開き直るな」
「…っわ!テツ君ごめん!重かったでしょ…?」
「いえ、大丈夫です」
「重いに決まってんだろ馬鹿」
「青峰君には聞いてません!」
「あっそーかよ!」
「子供の喧嘩か…」
とりあえず青峰に文句を言っておいて、桃井は、あたりを見回す。
「今、どこ?」
「もう5分ほどで着く」
「わー、結構寝ちゃったね…」
「疲れてたんでしょう」
「うーん、そうでもないはずなんだけど。多分テツ君たちの方がずっと疲れてるよ」
むしろ私が寝ちゃだめだよねと、苦笑する。
そんな桃井に紫原はだらしなく言った。
「だったら立ってよ。座りたい…」
「アンタ男としてのプライドとかないんスね!」
「立たなくていいですよ桃井さん。どうせそこまで疲れてないんですから」
「じゃー黒ちんが立ってよー」
「それを言うならボクに席を譲った黄瀬君とかに言ってくれませんか」
「だって黒子っち疲れ溜めやすいんだから…」
「一番体力ねーもんな」
「……」
「体力あればいいってもんじゃないけどね」
「あ?」
黙り込んだ黒子を支援するように桃井が一言落とせば、すかさず青峰が食いついてくる。
それに彼女は一歩も引かずに対応するのだから、慣れたものだ。
「まあ、頑張ります」
「あ、でもほんと無理はしないでね、テツ君がいないとやっぱ不安だし!」
「可愛い子ぶってんじゃねーよ…」
「うるさいなぁもう!!」
結局賑やかな会話を続ける3人を少し遠巻きに見つめて、黄瀬は眼を細める。
「なんか微笑ましいッスよねー」
「漫才でもしてるようにしか見えんのだが」
「え?何が?」
が、しかし自分のこと以外に興味がない2人は、全く同意を示してくれない。
「…デリカシーないなぁもう」
「まあ中学生って感じだな」
「そうそう、青春って感じなんスよ!」
「でも青春ってよくわかんないけど」
「枯れてるッスね…」
「コイツにそういう話は無駄なのだよ」
そういう年頃なはずなのに、紫原はいまいちそこらへんの成長が体に追いついていないらしい。
だから、いつもこういった話は彼が置き去りになりがちだ。
そして、ぽつりと、赤司が言葉をもらす。
「誰か一人でも欠ければこの関係は成り立たないんだろうけどな」
「…どういうことッスか?」
「いや。このまま行くと危ういなと思っただけだよ」
「…告白とかしたらってこと?」
「はは。まあ、それでも壊れるだろうけど」
「誰が誰に告白すんの?」
「ちょっそんなこと本人たち近くにいるのに言えないッスよ!」
笑う赤司をよそに、黄瀬は急に飛び込んできた質問に慌てる。
「あ?何の話だ?」
そうこうしていれば青峰がこちらに気づいてしまって。
「ホラ気付いちゃった!」
「そっちが挙動不審だからでしょ」
「そもそもこんな近くで話すことではないだろう」
「だってー」
「だから何の話だよ?」
会話には加わらず、どこまでもつだろうなぁと赤司は笑った。
しかし、誰もそれには気付かない。
目の前の会話にだけ、夢中になって。
「さて、荷物まとめろよ。忘れ物しないようにな」
「しないッスよ、子供じゃないんだから」
「けど荷物多くてうぜーよな」
「仕方ないです、水分とか結構いりますからね」
「帰りは軽いだけましだろう」
「そうそう、後ちょっとだし、頑張ろうね!」
「休んだヤツが偉そうに…」
「うるさいわね!」
「まあこの程度でもう歩けないとか言う奴には制裁を加えてやらないとな」
「コワッ!」
賑やかに笑いあいながら、電車を降りる。
駅の隅に固まって、赤司により解散が告げられて。
皆思い思いの方向へ散っていく。
「テツ、行こーぜ」
「はい」
「あ、ちょっと待って!」
青峰につられて歩き出そうとしたその腕を、桃井が慌てて掴んだ。
少し驚いて振り返る黒子に、引きとめたはいいものの、とっさになんと言っていいかわからず焦って、視線をそらしてしまう。
「…どうしました?」
「あ、あのねっ、寝させてくれてありがとう。…えっと、それだけなんだけど」
勢いだけで引きとめてしまったことを恥じるように、彼女の頬は赤く染まる。
「疲れが少しは取れましたか」
「えっあっうん!」
「なら、よかったです。桃井さんも、無理はしないでくださいね」
「おい!テツ置いてくぞー」
「青峰っち!少しはムードってものを考えてよ!」
青峰からかかった呼び声に、黒子はそれじゃあと断って、歩き出した。
桃井はこれからマネの同僚と帰ることになるだろう。
「テツ君!ありがとう!!」
桃井はそう叫んで、手を振って笑った。
黒子はまた振り返って、微笑んで手を振り返す。
黄瀬と赤司はそれを見て楽しそうに笑った。
青峰はおせーよと文句を言って黒子を引っ張る。
その勢いで黒子がよろめいたのを見た緑間が不愛想に駅で暴れるなと青峰に告げて。
紫原がお腹すいたと一人ごちて、またですかと、非難された。
短い短い、青春の一コマ。
もう少しだけ続く、輝かしい栄光の時間。
最初は、帰りのシーンはなかったんですけども、黒桃の印象が弱くなったので急遽付け足したんです。
というわけで、一応できましたので、いぶきさんどうぞ!
しかし、キセキから見た黒桃になってるんでしょうかねこれ(汗)
キセキメンバーだから黄瀬とかに絞ればよかったのかもしれませんが^^;
青は黒桃を邪魔して、黄は見守って、緑は気付いてなくて、紫はどうでもよくて、赤は高みの見物なのでなんか全員書こうと思ったら大変なことになりました。
青峰がいると黒子が青峰に遠慮するから黒桃になりづらいということが発覚(笑)
とりあえず別の書けやというご要望ありましたら受け付けますので(笑)
気軽に仰って下さいね♪
気に入って頂けてよかったです^^
色々詰め込みすぎたような気もしますが、何とか収集付きました(笑)
肝心の桃井があまり起きていないという問題点もありますが(笑)
やはり人数多すぎましたかね(汗)
でも楽しんで書きましたよー^^
黒子と桃井はまさに可愛いカップルに見えると思うので、私もぜひ前の席に座ってガン見したいです!
喋らなくてもいい雰囲気を出せることって大事だと思うんですよね!
青峰が下手にちょっかい出して怒られたりする構図が楽しくて好きです。
黄瀬は黒子を恋愛対象として見ているか見ていないかでだいぶ対応が変わってきますね。
どっちでも楽しいですけど^^
他の作品も楽しんで頂けてるとのことで、よかったです!
色んな話書いていきたいですー^^
これからも頑張りますね♪
キリバンどうもありがとうございました!
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