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黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
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暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
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(16000踏んでくださったりりさんに捧げます。黒子総受け。あんまり糖度は高くないですが^^;)


夏休みを終えて、学校は、体育祭ムードが満載だ。
これからの時期は、イベントが怒涛のように押し寄せる。
授業が潰れて、体育祭のための練習が、いくつも飛び込んでくる。



そんな、ある一コマ。
午後の、茹だるような暑さの中、その練習は始まった。
2年生全生徒参加の組体操。
それらはやはり危険性も伴う分、慎重に進められていたはずだった。

黒子はいつも、体育祭などの行事には適当にしか参加しない。
自分が出ても、地味なだけだし、自分のチームの士気も上がらないことを、彼は知っている。
長距離走などに参加した場合、黒子がどれだけ走ったかを周囲は確認できないのではないだろうか。

かといっても全員参加の競技には最低限参加している。
彼は体重が軽いので、この組体操では、上に乗ることが多かった。
その時は、バスケ部員の、2軍の同級生と、偶然組むことになっていた。

それが、崩れた。

既に組み上がる寸前というところで崩れたので、黒子はそのままの高さから、地面に打ち付けられる。

周囲の生徒の悲鳴と、どよめきが聞こえた。

「黒子!!」
「黒子っち!!」
「テツ!!」

それに続いて、慣れ親しんだ彼らの、声。

全員落ち着きなさいとの指示を聞かずに、黄瀬が駆け寄って、横にしゃがみ込んだ。
崩れた身体を、あおむけに寝かされる。

「黒子っち!!大丈夫ッスか!?」
「…は、い」

打ち付けた手足と、こめかみが、痛い。
そして砂が、張り付いて、鬱陶しい。
頭が、ぐらぐらする。

黒子の体に、影が、伸びた。
緑間だ。

「意識はあるか。…黄瀬、黒子の荷物を取ってこい」
「あ、はいッス!」

緑間の声に、黄瀬はしたがって、走り出す。
とにかく、何かすることが欲しくて。

緑間は、黒子を抱え上げて、傍に来ていた先生に、手洗い場まで連れて行きますと告げた。
教師も動揺しているのか、狼狽えた様子で同意する。

その後ろでは騒ぎが始まっていた。

「てめぇわざと落としたろ!!」
「んなわけないだろ!?」
「やめろよ!」

「あんな落とし方しやがって!やるなら正々堂々やれ!!」
「大輝、落ち着け」
「っだから、わざとじゃないって言ってるだろ!!」
「おいオマエら落ち着け!青峰手を離せ!!」

落とした生徒に掴みかかっているのは青峰だった。
周囲の生徒が必死に止めにかかっているものの、青峰の怒りが収まる様子はない。
今にも殴り掛かりそうで、何とかして青峰を落ち着かせようとしているのが見て取れた。
先生も必死でそれを収めようとしているものの、もう青峰ほど育ってしまえば、そんな制止など歯止めにもならない。


手洗い場で、黒子は緑間に支えられ、傷口を洗い流す。
傷口の周りに付着した砂も、一緒に洗い流して。
緑間のタオルで、抑えるように拭われた。

砂がなくなれば、露わになった傷口から流れ出す血が明らかに見えたが、それほどの量ではなく。
そのことに、緑間は少し安心した。

「黒子君、大丈夫?どこか、酷く痛むところとかない?」

保険医が、斜め後ろから、声をかける。
黒子は、確かめるように、緩慢に、腕と、脚を動かして。

「…大丈夫そうです」

と呟く。

「そう。歩けそう?」
「……はい」
「馬鹿が。無理するな。…オレが運びます。保健室でいいですよね」
「あ、ええ、ありがとう。…力のある先生たちが、ちょっとあっちの方行っちゃってるから…」

もといた方向で、やたら騒がしく騒ぎが起こっているのは、そこまでも余裕で届いていた。


荷物を持って走ってきた黄瀬からそれを受け取って、黒子は保健室で手当を受け、更衣を行うこととなる。

「…うん、後は、力仕事はないから大丈夫よ。ありがとう、バスケ部の子たちは優秀ね」
「いえ」
「…大丈夫ッスか?」
「傷自体は深くなさそうだから平気よ。頭を打ったから、それでぼんやりしているんだと思うの。また、練習が終わったら迎えに来て」
「…はいッス」

そこまで言われてしまえば、そこにとどまることはできず、すごすごと、校庭に戻る。
そちらでは粗方騒動が落ち着いたのか、また、練習が始められようとしていた。

ただ、青峰と、例の少年はその騒動から外され、教師と向かい合っている。
少年は泣いているようだった。
ただ、殴られた跡はないので、最悪の事態は避けられたらしい。

「…なんかあっちも大変なことになってるッスね」
「…まあ、手を出さなかったならまだましだろう」
「……わざと落したんスかね?」
「…さあな。だが、この暑さだ。体調のせいということも考えられなくはない」
「…そっちの方が、後味はいいッスけどね…」



練習を終えて、HRが終わると、保健室はあっという間にごった返した。
元々、体調を崩して休んでいる生徒もいたこともあり、それは仕方のないことともいえるが。
ただ彼らは授業が終わったため帰り支度に入っているのに対し、その一角は、ちっともその様子はなかった。

「黒子っち!大丈夫ッスか!?」
「…大丈夫ですよ。保健室では、静かにしてください」
「…スイマセン」

頭に包帯を巻いて、ブラウスの袖から覗く腕にも大きくガーゼが当てられているその姿は、あまり、大丈夫そうには見えなかったが。
少なくとも、容体は落ち着いているようだった。

「怪我はどうなんだ」
「擦り傷と打ち身です。骨折はしていないようなので、何とか」
「…そうか」
「上手に転んだな」

心配そうな黄瀬と緑間に対して、赤司はあくまでも余裕そうだ。

「これならすぐ治るだろ」
「赤ちんは試合のことしか考えてないねー」
「当たり前だ。バスケができなくなって傷つくのはテツヤ自身だぞ?」
「…その通りですね」

黒子は、頷いた。
わかっていてくれるのは、ありがたい。

「だが、今日は休めよ」

緑間が、重々しく牽制する。

「…わかってますよ」

黒子が、肩を竦めた。

そこへ、荒々しくドアを開けて、青峰が飛び込んでくる。

「テツ!」
「あ、青峰っち」
「大丈夫か。怪我は?」
「大したことないです。すぐ、治りますよ」
「…そうか」
青峰は、明らかに安心した表情を浮かべる。

それが嬉しくて、黒子も、ふっと息をついた。

「青峰。オマエ、担任に呼び出されてなかったか?」

加害者の彼に掴みかかった件だ。
心配してのことだったとはいえ、流石にそこまではいきすぎだ。
教師としては、指導を加えざるを得ないだろう。

「んなもん別にいーだろ。どうせ同じこというだけだぜ?」
「まーカッコよかったッスけどね?でも殴らないかとマジでヒヤヒヤしたッスよ」
「あー別に殴ってもよかったけどな」
「殴るな!」
「部活に支障が出るようなことは慎んでくれよ、大輝」
「わかってるよ」
「それに、彼も可哀相ですよ

黒子が彼を擁護する発言をすると、全員の眼が、黒子に向いた。

「…オマエ、アイツを庇うのかよ」
「…庇うも何も。わざとだったって確証もないでしょう」
「わざとじゃないって何回も言ってたしね」
「青峰っちが迫力過ぎてしまいには泣いてたッスよね」
「嘘なんざ誰でもつけるだろ」

「まあ、体調が悪かったにしろ、魔が差したにしろ、彼の中でもいろいろ葛藤があったんだろうさ」
「…オマエ、アイツ許すのか」
「許すも罰するも、証拠がないからな」
「…またこんなことが起こればどうする気だ」
「起きないさ」

赤司は、悠々と告げる。

「流石にそこまですれば周りもアイツが故意にやったという疑問を持ち始める。そこまでして、そんな博打は打たないさ。よほどの馬鹿なら、ともかく」

レギュラーである黒子が怪我をしてその枠が空けば、繰上り的に、2軍の彼が1軍に上がる可能性も出てくる。
彼が黒子を落としたのは、その誘惑に、眼がくらんだからかもしれないし、そうではないかもしれない。
けれどよろけただけにしろ、彼の頭に、その考えが全くなかったと言ったら、嘘になるのではないか。

それは、全員、わかっていることだった。

「馬鹿じゃないといーけどね」
「まあ暫くはアイツもマークされてるだろうしな。怪我してる間は、皆ちゃんとテツヤを気にかけててやれよ」
「はいッス!!」
「…別に、そこまでされる理由はないですけど…」
「まあ、怪我しているうちぐらい甘えておけ」

「怪我をしてなくても、何かとオマエは目をつけられやすいのだから、用心しておけ」
「…まあ、先輩方がいなくなりましたから、少しはましですよ」
「やっと、やりやすくなったよな」
「…青峰っち、遠慮とかしてたんスか…!?」
「るっせーよテメーの方が調子こいてたろーが」
「どっちもどっちじゃない?」
「アンタに言われたくないッスよ!!…だって青峰っち敬語使わないじゃないスか」
「んなめんどくせーもんどーでもいーだろ」
「将来困るぞ」
「なんで自分より背ぇ低い奴にへこへこしなきゃなんないの?」
「…それは、極論過ぎます」

黒子は一応咎めておいたが、紫原に話を聞く気は全くなさそうだった。

「しかし、これだけ集まるならクラス練に配慮して1時間ずらすことなかったかもしれないな」

体育祭のため、バスケ部の活動は1時間ずれて開始となっている。
部活動は一時休止するところも多いが、バスケ部でそんなことは許されない。

「…そういえば、皆、クラスの練習の方はどうしたんですか」
「…サボリッス」
「オレの出る競技はやっていない」
「サボリだけど」
「オレも」

「というかお前は先に担任の所に行くべきだろう?…因みに僕はバスケ部関連のことで免除だな」
「…そんなにサボってきてくれなくていいんですけど」
「皆お前が心配なんだよ、テツヤ」

黒子は困ったように身を竦ませた。
そのまま、告げる。

「もう、行ってくれて大丈夫ですから。クラスの人が可愛そうですよ、キミたちは即戦力なのに」
「まーそうだけどな」
「っていうかキミは早く担任の先生の所に行ってくれませんか。そろそろ校内放送されるんじゃないですか?」
「やだよめんどいし」
「……」

「黒子っちは、暫くここにいるんスか?」
「…そうですね。暫くは休んでていいと言われてますから」
「どうせオマエの両親は迎えに来ないのだろう?時間一杯休んでオレ達と帰ればいい」
「どうも…」
「なんだったら、担いで帰ってあげよっか?」
「そんな恥ずかしいことしないでいいです」

黒子は嫌そうにきっぱり断る。
赤司は楽しそうに笑って、黒子の頭にそっと手を置いた。

「じゃあ、一時解散にしようか。テツヤも少し休みたいだろう」
「…そんな、心配しなくてもいいんですけど」
「…そうだな…。ゆっくり休め」
「…すみません」

「これがミステリーものとかだとこの間に殺されたりしそうだよね」
「なんてこと言うんスか!!」
「じゃ、また後でな」
「…はい」

去っていく姿を見送って、ベッドに横になる。
少し情けないと思いつつも。
嬉しくないと言ったら嘘になる。

今日は、よく眠れそうだった。





 

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コメント
 
組体操!
黒子総受けでしたー。
糖度低めなんですがいかがでしょう?
私の総受けのイメージはもっと取り合いとかしてる感じなんですけど、そっちのほうがよかったですかね?
まあとりあえず、りりさんに捧げますので。
書き直せとの仰せでしたら従いますので、またどうぞ!

組体操って怖いですよねー。
まあ嫌いじゃなかったですけど。
何故かドラゴンクエストの音楽に合わせてやってました(笑)
何十人何十一脚とかの方が恐かったですけど。
あれ凄い血を見ますよね…(汗)

黒子はリレーとかには参加してなさそうです。
参加してたらえっ渡す人いないんですけどってなりそうで怖い(笑)
でもバスケ部って持久力あるから持久走とかも行けるし、結構無敵ですよね^^
活躍する青峰とかみたいです!

ではでは、また!
【2011/08/31 16:56】 NAME [静] WEBLINK [] EDIT []
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