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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
(13巻、旅館にて)
余裕さをひけらかした青峰に、逆に宣戦布告をかまして。
別れ、とってある部屋へ向かう道で。
「テツくーんvv」
「あ?」
「桃井さん」
向こうから走ってきたのは桃井だった。
「久しぶり!もう、皆には会った?」
「ええ。驚きました」
「そうだよね。連絡してもよかったんだけど。なんて言ったらいいかわからなくて」
「いえ、まあ、流石と言っておきます」
「折角のお休み邪魔しちゃってごめんね。でも、チャンスだったから」
「宣戦布告の、ですか」
「……そうだね。ゆっくりするの邪魔しちゃったことは謝るよ。ごめんね」
「いえ、それはいいんですが」
「温泉、気持ちよかった?」
「はい。少し、逆上せましたが」
「あはは。長くつかりすぎるとやっぱ駄目だよね。お湯熱いし」
「はい」
「…黒子、オレ、部屋戻ってるわ」
「あ、はい」
「ごめんね、火神君」
「いや、別に…」
「ボクもすぐ戻るので」
「ああ」
「…彼、いい人だね。意外と、青峰君とは違うのかも」
「そうですね。やっぱり、別人ですから」
「……でもね、青峰君、テツ君たちのプレイ見て笑ってたんだよ」
「…いつ、ですか」
「霧崎第一との時。無理やり連れて行ったんだ」
「ああ…そうなんですか。…キセキの世代がWCで揃うことも、その時に明らかになったんでしたね」
「うん。…やっぱり、楽しみなんだと思うよ。夏は、キャプテンもムッくんも出てなかったし、青峰君も、体がね」
「そうでしたね。…青峰君とは、どうですか」
「あ、うん!まあ、いつも通りかな。あの後テツ君のこと話して…たいしたことはいってなかったんだけど、やっぱ、気になってたみたい!
この間、実際に見れて、結構見入ってたし」
「そうですか…よかったです」
「うん」
「でも、結局、謝らなかったんですね」
「え、青峰君が?」
「はい」
「…謝んないよ。アイツ、そーゆーの苦手だもん」
「そうでしたね」
「特に最近とかもうふてぶてしくって。やんなっちゃう」
「…さっき、会いましたよ」
「……そうなんだ」
「ええ」
「…青峰君、勝手な行動ばっかりするから、手におえなくて。失礼なことしなかった?」
「ええ、なんとか」
「なんとか、ね」
「…でも、彼はいつか、キミに感謝する日が来ると思いますよ」
「…そんなの、来るかなぁ?」
「青峰君も、いつまでも子供じゃないですから」
「…そっか。……変わってくれるかなぁ」
「……ええ。ボクも、昔のままではないので」
「……カッコイイね」
「ありがとうございます」
「…私は、変われてるのかな…」
「……桃井さんは、走り続けてるから、大丈夫ですよ」
「え?」
「頑張り続けてるので。青峰君がこれ以上崩れてしまわないように」
「……でも、できてるかわからないよ」
「それでもキミが頑張り続けてきたことは残りますよ。そして、それは、いつかいい方向に向かうと、ボクは信じてます」
「…ありがとう。そんな、大したことできてないんだけどね」
「でも、つらい立場だったでしょう」
「………駄目だよ、テツ君。こんなところで泣かさないで。次は、敵として会うのに」
「そうでしたね」
「…けじめがついて、また色々変わったら、また会おうよ。今度は、皆で」
「…はい。そうしましょう」
「その時、また、一杯話そうね」
「楽しみにしてます」
「…変わるよね。きっと何か、変わってくれるよね」
「ええ。大丈夫です」
「…テツ君の言うことなら、信じられるね」
「先日は、嘘になってしまいましたけどね」
「でも、これから現実にしてくれるんじゃないの?」
「…いいんですか、そんなこと言って」
「桐皇のマネなのに?」
「ええ」
「…桐皇としては、負けないように戦うよ。でも、私は、私自身は。テツ君のバスケを、楽しみにしてるから」
「…ありがとうございます。嬉しいです」
「…よかった」
「本気で来てください」
「…ありがとう。テツ君」
「こちらこそ」
「負けるつもりはないから、そこは、覚悟しててね」
「わかってますよ。…こちらも、本気で行きますから」
「うん。…楽しみにしてる」
「…ボクも、です」
「…ありがとね。ホントに私、テツ君に、いつも助けられてるんだよ」
「…いいんですよ」
「…じゃあ、行くね」
「はい。気を付けて」
「うん。話せてよかった。…またね」
「はい」
桃井は手を振って、桐皇のメンバーのもとへと帰るため、また、走っていく。
勝たなければならない。
彼女のためにも青峰のためにも、火神のためにも、誠凛のためにも。
決意を新たにして、黒子もまた、仲間のもとへと足を進めた。
行くのは別々の道だ。