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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
アイツを見つけるのには訓練が必要だ。
煩い奴らには気を取られないこと。
誰もいないような隅を見ること。
本を持った手を見つけること。
器用に人の間をすり抜ける猫のような動きに眼を止めること。
でもまあ結局は。
何も考えずぼうっとしていると見つけられることが多い。
多分慣れたから。
アイツの薄い気配に。
それがそこにあることを体が覚えたから。
もういらないんだけどな。
こんなふとしたところで見つけてしまう。
お互いに会うつもりなんかなかったはずなのに。
アイツもこっちを見て硬直した。
眼があった。
「テツ!!」
衝動的に叫ぶ。
オレの声を皮切りに奴はぱっと人混みの中に走って消えた。
あまりにも見事。
走ってももう見つからない。
声なんかかけなけりゃよかった。
それならまだ逃げなかったかもしれない。
オレは猫か何かでも捕まえようとしているのか。
変な気分になる。
オレはもう諦めた。
テツが会いたくねぇっつーんなら仕方ない。
一緒にいたってすれ違うばかりだった。
だからもう会う意味なんてない。
バスケだって終わった。
なのに、どうして捕まえたくなるんだろう。
理由なんて聞く気はなかった。
そうしたいならそうすればいい。
アイツにオレの気持ちはわかんねぇ。
ならもうどうだっていいじゃねぇか。
だまってオレの傍にいりゃあよかったのに。
なんでアイツはああも頑固なんだろうか。
別にどうでもいいんだけどアイツは勝手にいろいろ考えて傷ついてたりするんだろうなと思った。
そんなことしなくてもいいだろって言ってやりたい。
何も考えずに一緒にいたかった。
ああ、あの頃は、よかった。