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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
(13巻キセキ集合後)
じゃあと背を向けた身体が、足を止めた。
まだ何かあんのかよ、と、青峰がめんどくさそうな顔を浮かべた。
それを察しているかのように、赤司は、お前達はもう帰っていいよと告げる。
そしてそのまま颯爽と歩いて、黒子の目の前に立った。
「テツヤ」
「…はい」
身構える火神と、ただ脅える降旗の目の前で、赤司は、黒子の顎を掬った。
そしてそのまま口付ける。
「!?」
「なっ…!?」
「ちょっキャプテン!?」
思わず黄瀬が大声を上げる。
中学時代の呼び名をそのまま口にして。
赤司は周りなど何も見えない様子だが。
黒子は一瞬の驚きの後、赤司の身体を押し返す。
赤司は素直に、それに従った。
「…何するんですか」
唇を拭いながら、黒子は彼を睨み上げる。
「宣戦布告」
赤司は、美しく笑った。
「テツヤが僕の所まで来てくれれば、だけどね」
「…行きますよ、必ず」
「…はは、大輝がそこにいるのに、強気なもんだ」
青峰は、複雑そうな顔で、その様子を遠巻きに見ていた。
それでも自分とは関係ないとばかりに背を向けて、立ち去る。
黒子はそれを横目でちらりと見たが、何も、言わなかった。
「大事な試合前に、心を乱すようなことしないでくれませんか」
「オマエは、そんなことで心を乱されたりはしないだろう?」
「………」
「…おや。…少し、素直になったのかな」
赤司の手が、黒子に伸ばされる。
触れる前に、黒子は、一歩、距離を取った。
空いた空間。
届かない距離。
「…もう戻らないといけないので。…すみません」
「……そうか」
「…はい」
黒子は、赤司に背を向けた。
複雑そうな顔で、こちらを見る、2人に、頷いて見せる。
誰からともなく、戻る道を、歩き出した。
「テツヤ」
「…なんですか」
かけられた声に、振り向かずに、答えた。
「楽しみにしているよ」
掛けられた声に、黒子は一瞬だけ立ち止まって。
けれど、結局振り向かないまま、急ぎ足でその場を後にした。
赤司はそれを微笑んだまま眺めて、反対の方向へと歩き出す。
もうどちらも振り返ったりしなかった。
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