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黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
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赤司は、黒子の顎を掴んで、引き上げた。
 



「あいつに対してお前は餌になるかな」
「ふざけないでください」

腕を打って、放させる。
赤司は、大した抵抗もせず笑った。
その余裕そうな態度が、黒子を余計に苛立たせる。

青峰が変わってしまったこと自体を何とかしようとするのではなくて。

そんなことはどうでもいいからと、ただ上手く使えるよう策を講じているのが、黒子には理解できず、許せない。

人が苦しんでいること何もかも。
赤司にとってはどうでもいいことなのだと、知っているけれど、許す気にはなれない。

「お前、あいつと寝ないか?」
「正気で言ってるんですか?」
「別にお前もあいつなら嫌じゃないだろ?」
「馬鹿にしないでくださいよ。何でキミの策略の為にそこまでしなくちゃいけないんですか」

毅然と言い返す黒子を押して壁に叩きつける。
右手を取れば、もう逆らえはしない。

「別にお前が嫌がろうとやらせる方法はいくらでもある」
「…最低ですね。誰か来たらどうするんですか」
「勿論、鍵はかけてあるさ」
「……」

身体を寄せれば、黒子の体に緊張が走るのがわかる。

耳に口を寄せて冗談だと囁いた。

それでも黒子は、決して信じていないとわかるきつい眼差しでこっちを見つけている。

「絶対に、やりませんからね」
「そうか?案外、悪くないかもしれないぞ」

肉欲に囚われ堕落する。

けれど身体は満たされるだろう。
陰湿で背徳的で、もう2度と真っ当には歩けなくなるかもしれないが、そうやって生きる道も、確かに存在する。

そうなれば何も考えなくて済むだろう。

むしろ考えることから逃げられる。

楽だ。

楽になれる。


「もう何も考えなくてよくなるだろう」


考えるのはつらいだろうと、暗に告げる。


「…そんな形で楽になるのは嫌です」
「…強情だな」
「何とでも。…それぐらいなら、死んだ方がましですよ」

冷徹に、告げる声。

首に手をかけた。
脈打ち、暖かさを保つ、生きた身体。

「なら、殺してやろうか」

くっと力を入れると、手首を掴まれた。
あっさり力を緩めてやる。

双璧の光は揺るがない。

「キミに殺されたいとは思わないです」

手を払いのけ、もう話は終わったとばかりに出口に向けて歩いていく。

とりあえず嗜虐心は満たされたので、黒子をここにとどまらせる理由はなくなった。

「その時が来たら。自分で死にますよ」
「…残念」

笑った。

黒子はもう何も言うことなく、出て行った。



黒子は本当に死ぬだろう。

その時が来たら。



惨めな生き様を晒すぐらいならそっちを選んでみせる。



誇り高く、刹那的で、下らないことに囚われる、愚かな生き物。







だからこそ。



蹴落とし踏みつぶしてぎりぎりで息をさせて卑しめて。



その屈辱を味あわせる価値がある。








まったく最高の獲物だ。








どこに行こうとも。



逃がす気はなかった。












 

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