[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
「テツ君、今帰り?」
「桃井さん、まだ残ってたんですか」
「うん。ちょっと、確認したいことあって残ってたの。一緒に帰ってもいい?」
「はい。送りますよ」
「えへへ、ありがと!」
2人だけで帰れるなんて、ラッキーだ。
いつもはお邪魔虫ばかりだから。
「また、赤司君の無茶な注文ですか」
「え?うーん、そんなに大変でもないよ?」
「でも、こんなに遅くまでかかってるじゃないですか」
「…まあね、実は結構大変。1日に同じの何度も見てると、混乱してきちゃったりするかな」
「…たまには、断ってもいいんですよ?」
「ううん、でも、私にできることってこれぐらいしかないもの。それに、皆が上手くプレイできたら楽しいし。
私の言ってること参考にしてくれるのがわかるとさ、すっごく嬉しいから」
「…凄いですね」
「テツ君だって。皆にはできないことしてるじゃない」
「でも、桃井さんは、完全に舞台裏ですよね」
「…まあ、しょうがないよね。女だもん」
「…」
テツ君は、少し黙った。
テツ君ならわかると思う。
他の皆ほどには、恵まれた体格を持っていなくて。
できることに、大きく差があって。
追いつこうなんて、思う気にもならないこと。
「私も男に生まれたらよかったなって、思うことあるよ。でも、もしそうなってても、私がそこまで体力あるかは自信ないし」
「…そうですね」
多くの人たちが、力の差を、現実を目の当たりにして、バスケを捨ててった。
それを、間近で、見てきた。
一緒にバスケをできるかもしれないことは、すごく嬉しいことだけど。
でも、怖い。
今よりも、絶望的な気持ちにすらなるかもしれないから。
女だから考えないで済んでることもきっとある。
「テツ君だって、できないことしようとは思わないでしょ?私も、同じことしてるだけだよ」
「…そうですね」
「まあ、あんまりされて当然って態度だと頭に来るけどね」
「そうですね。青峰君とか」
「そうそう!ほんと、困っちゃう。皆、子供みたいなんだもん」
マネージャーの仕事は増えるばかりだ。
「まあ、女子の方が精神年齢は高いそうですからね」
「だって、私たちがしっかりしてないと、もう凄いことになっちゃうよ」
「そうですね。…中々、楽はさせてあげられなさそうです」
「うん。まあ、覚悟はできてるから」
気持ちだけで十分だよ。
わかってくれてるだけで、楽になれる気がするから。
しかも、それがテツ君なら、尚更。
「でも、桃井さんは、本当に大人だと思いますよ」
「え、そう?」
「はい。いつも、人のことを考えて行動できる、凄い人だと思います」
「!ほめ過ぎだよ、もう!」
「いいえ。本当に」
嬉しいけど、恥ずかしい。
私、そんなにいい人じゃないよ。
自分の言いたいことはちゃんと言ってるもん。
やりたいこと、してるだけ。
やりたくないことは、してないから。
「もっと、我儘とか、言ってもいいんだと思いますよ。そんなに自分を犠牲にすることもないと思います」
「…テツ君が言うことじゃ、ないんじゃない?」
「ボクは、平気ですから」
「なにそれー」
テツ君のわがままだって聞いてみたいよ。
いつも平気そうな顔をして、気を使ってくれる。
その優しさが、大好きなんだけど。
わがままかあ。
時間が、足りないことかなあ。
バスケのことだけで、全部終わっちゃうから。
面白いTVだっていっぱい見たいし、可愛い服とかアクセサリーとか研究したい。
有名なお店にだって行ってみたいし、家族旅行とかも全然行けてなくて、ちょっと申し訳なくなる。
髪型を弄ったり、綺麗に爪を伸ばしてマニュキアしたり。
後は、デートしたり。
一緒に帰るだけでももちろん充分なんだけど。
もっと、多くの時間を二人だけで過ごしたいって、思うのは普通だと思う。
でも、忙しいんだ!
ばりばりに練習があった次の日とかこっちも疲れちゃうし、朝練に出なくちゃいけないから、休みだって夜更かしなんてできない。
テツ君もぎりぎりまで疲れてるだろうから、そんなわがままなこと言いたくないし。
だって私、バスケしてる彼が好きなんだもの。
「まあ、本当は、可愛い女の子もやりたいかな。お伽噺みたいな、お姫様に、なってみたい」
夢見るように。
大事にされて、愛されて。
自分も周りも幸せにするの。
でも無理だってわかってる。
「でも、王子様がいないしねー。主人公になれるタイプって青峰君とかだもん。私なんて、ただの召使いがいいとこじゃないかな」
現実だってそんなものだ。
なんでこんなに振り回されなくちゃいけないんだろって思うけど。
あいつの面倒を他にみられる人がいないんだもの。
だから、仕方ない。
諦めてる。
笑って口に出せるよ。
別に、苦しくなんてない。
「……なら、今だけでもなってみますか、お姫様」
「…え?」
「ボクじゃ、物足りないかもしれませんが」
「う…ううん!!!そんなことない!!そんなことないよ!」
まさか、そんなことを言われるだなんて。
テツ君の眼が、やさしく笑ってる。
そして、愉しげに。
こんな、お茶目な一面があったんだ。
今まで見たことのなかった、初めての顔。
こっちの顔も綻んで。
どうしようもなく、わくわくする。
「では。お手をどうぞ」
「…はい!」
どきどきする。
高鳴る鼓動。
胸がふわふわして。
このままどこかへ飛んでいけそうだ。
乱暴ではない力強さで、導かれていく。
テツ君の指は、細いけど、しっかりと硬くて。
男の子なんだって、改めて思う。
「さて、どこへ参りましょうか」
妙に改まった口調で、問われた。
あまりにも普通に言い切ってしまうものだから。
そんなの、考えるまでもなく答えは決まってしまっていた。
まるで、どこか、別の世界の話のよう。
たった2人だけで、他の、誰もいない世界へ行ってしまった、幻想。
でも、何も怖くないと思った。
この人と一緒なら。
きっと、何も、怖くない。
笑って、答える。
なんて、幸せなんだろう!
「アナタとなら、どこへでも!」
お姫様扱いとか、童話のテーマはすごく好きなんです。
でも、黒子はそういうお姫様のタイプではないので、書けないなあと悩んでいたところそうだ桃井がいるじゃないか!と気づいた次第です。
こんなカップル中々いないと思いますけどね!
多分どっちかが恥ずかしがると思うんで(笑)
でも女の子なら一度は大切にされてみたいですよねー。
拍手お返事です♪
コウさんこんにちは!
黒桃は本当にお花畑になります(笑)
桃井は幸せにしてあげたくなるんですよね。
黒子はなんでしょう、追いつめてみたくなるんですけど(汗)
でも、二人でいるときは桃井が幸せそうな姿を見て黒子も癒されてると思います。
あ、伝言伝えておきましたよ^^
彼女曰く結婚式には呼びますね!だそうです(笑)
凄くメルヘンな招待状が届きそうですね☆
これからもがんばっていきたいですー。
話の量が膨大なことになってきてどうしようかと思わないこともないですが(笑)
またおいで下さいませ!^^
相変わらずこの話は大人気ですね!
今も1番人気を誇ってますよ。
皆様ありがとうございます!!
もう黒桃サイトとも名乗るべきかもしれませんね(笑)
桃井は屈託なく喜びを表に出せる子なので、黒子はそれを見て幸せになれるんじゃないかと思います。
まさに召使の喜び。
黒子も大変なときはさすがにできないと思いますが、そういうときは桃井が支えられると思うので。
需要と供給がちゃんと成り立ってるんでしょうね。
黒バスの中でこの二人ほど純粋で可愛いカップルは他にいないと思います(言い過ぎ?)
ちょっとだけ加筆修正しました。
<< 大切なのは有益であるか 赤黒 | HOME | 嫉妬 火黒 >> |