忍者ブログ
黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
最新コメント
[07/17 ちとせ]
[05/21 たなか]
[04/28 刹那]
[12/03 たなか]
[11/13 NONAME]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
性別:
女性
自己紹介:
すみません、暫くPCに触れることができなくなるので、返信等一切できなくなります。
ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
ブログ内検索
最古記事
(03/01)
(03/02)
(03/03)
(03/04)
(03/06)
カウンター
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
バーコード
[99] [107] [95] [94] [96] [105] [92] [91] [90] [93] [81]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

練習試合中に人を避けきれず、倒れ、頭を打ち。

脳震盪で保健室に運ばれ、横になって暫く経った頃、ドアが開いて、勢いよく黄瀬が飛び込んできた。
続いて、飽きれた様子で青峰が。


「黒子っち!大丈夫ッスか!?」
「…平気です、そんなに大騒ぎしなくてもいいですよ」
「だって…!!」
「あーそーいや黄瀬が入ってからはあんまなかったな、こーゆーこと」
「え?」
「…そう言われれば」
「ど、どーゆーことッスか?」
「1軍入ったばっかの頃はもっと怪我多かったんだよ。だから皆慣れてる」
「な、慣れていいことなんスか…それ?」
「正直、複雑なところではありますけど」

黒子は、首をかしげながら答える。

「おし、まあ大丈夫そうだな。今片付けしてっから、30分くらいしたら部室来いよ」
「はい、わかりました」
「ホントになんか慣れてるッスね…」
「じゃ、行くぞ」

青峰はそう言って、さっさと出て行ってしまう。
そこまであっさりしていいものか、黄瀬は躊躇って、黒子を見た。
黒子がそれを察して、口を開く。

「黄瀬君、行っていいですよ」
「…ホントに、大丈夫なんスか?」
「大丈夫ですって。脳が揺れた衝撃で、一時的に意識がはっきりしないだけです」
「…全然大丈夫そうに聞こえないッス、それ」
「痛い所とかはないんで、平気ですよ」

黄瀬は、それでもまだ不安そうで、ベッドに身を起こす黒子の額に、手を伸ばした。
運動してきた直後なだけあって、黄瀬の方が、体温は高いかもしれない。

「でも、頭打ったとこ、腫れるんでしょ」
「まあ、そうはなるでしょうね」
「そしたら、暫く痛いじゃないスか」
「…過保護過ぎです。それぐらい、たいしたことないです」

そこまで心配しなくてもいいとはっきり言っているのに、黄瀬は、なかなか出て行かなかった。
普通にベッド脇に腰かけて、柔らかなシーツに額を乗せてしまう。

「…あんま、怪我とかしてほしくないッス」
「…別に、キミが気に病むことじゃないですよ」
「だって…」
「女の子じゃないんですから、傷が残ってもそんなに堪えないですし」
「そんなことないッスよ!」
「傷は男の勲章だっていうじゃないですか」
「いつの時代の話ッスか…」

もごもごと煮え切らない黄瀬の頭に何となく手をやって、軽く撫でる。

「ボクは、キミたちの方が心配ですよ。あんまり無茶なプレイして身体を壊さないかどうか」
「…黒子っち…」
「バスケに怪我はつきものなんですから。ボクのことを気にするよりは、自分のこと気にしてください」

ちゃんとストレッチとか、しないとだめですよと。
もう教育係も外れたというのに、熱心なことだ。

優しい言葉と手つきに、黄瀬は、そのまま眠ってしまいたい衝動に酷く駆られる。

「…聞いてます?」
「えっ?あ…聞いてるッスよ!…ありがと、黒子っち」

黄瀬は慌てて礼を言って、取り繕って。

「でも、黒子っちも、自分のこと気にしなきゃダメだからね」
「…はい」


優しい時間だった。

静かで、穏やかで。



このまま永遠に続けばいいと思うような。



ただ、それは。



次の瞬間割って入った声によって破られる。


「黄瀬てめぇ!!なにやってんだ!!」
「あっ青峰っち!?」
「途中入部のくせして掃除サボってんじゃねーよ馬鹿野郎!!」

襟首を引っ掴まれて、無理やり引きずられる。

「いたたたた!!!ちょっ痛いッス!!!!」
「うるせぇ!今のお前に拒否権はねーよ!」

賑やかに騒ぎながら保健室を後にしていく2人を見送って、黒子は、ふっと息をついた。


幸せそうな笑みと共に。









なんて、愛しい時間であることか。






 

PR
コメント
コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
トラックバック
この記事にトラックバックする:
© [ BLUE MIRAGE - bm-pastel ] 忍者ブログ [PR]