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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
何でこんなもの買ってしまったんだ。
黄瀬君が表紙の雑誌を、買ってしまった。
買ってしまってから後悔した。
何で買ってしまったんだろう。
同級生の載った雑誌をわざわざ持っているだなんて、おかしいだろう。
興味がある内容なわけでもないのに。
綺麗だった。
整った顔が。
目が。
姿勢が。
服が。
何で、こんなに格好いいのだろう。
悔しくなるぐらい。
そりゃあ男にもこんなに思わせるぐらいだから女性に人気が出るのも仕方ないなと思う。
「黒子っち?どしたの?」
「あ…黄瀬君」
「部室行こ」
「…はい」
口には出していないけれど、噂をすれば何とやらだ。
困ったものだ。
買いたくも別になかったし、こんなことで悩みたくもなかったのに。
少し慌しく準備をしていたら、物を落として。
それを拾っていたら、鞄の中を見られてしまった。
「…あれ」
別に覗きこまれたわけじゃないし、プライベートの侵害というほどのことでもないけれど。
なぜこのタイミングで。
最悪すぎる。
「…これ、オレ?」
「………そうですね」
「黒子っち、この雑誌、読んでたっけ」
「……いいえ」
「……。これ、オレ的にはもうちょっと派手な服の方がよかったと思うんだよね。ちょっと地味すぎっていうか」
「…そうなんですか」
「インパクト弱い感じしない?」
「……いいえ」
「…上手く撮れてるかな。…ねぇ」
「……よく撮れてると思いますよ」
「だから買ってくれたの?」
「……内容に惹かれたってことも考えられると思いますけど?」
「黒子っち、こんなの気にしないでしょ」
「目覚めたってことも考えられなくもないじゃないですか」
「でも、違うんだよね?」
「……卑怯です」
「だって。素直にカッコいいって言ってよ。オレ、すごく喜んじゃうよ?」
「……カッコイイ、ですよ」
「マジで?」
「思わず衝動買いしてしまうぐらいには」
「…黒子っち」
「ダメですよ。これから部活です」
「……ちょっとぐらいいいじゃないッスかー…」
「ダメです。行きますよ」
「うー…」
「……キミは、本当に、綺麗ですね」
「え」
「シンプルだからこそ、際立つんだと思いますよ。…いい写真だと、思います」
「黒子っち…!!」
「じゃ、先に行きます」
「ちょっ!?ムードとかそういうの全部無視ッスか!!」
「だって遅れるでしょう」
「ちょっとこっち向いてよー!ねーどんな顔して言ってくれたの!」
「絶対向きません!!」
「えー!?黒子っちー!!」
走って校舎を駆け抜ける。
行儀が悪いとかそんなことは言ってられない。
ただ、顔が熱くて。
わけのわからない衝動を置き去りにしてしまいたかった。


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