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黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
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暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
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結局、今日の部活に青峰は出てこなかった。
黒子も、それは覚悟していた。
あれだけのことを言い合って、普通に、何もなかった顔などできない。
今日はもう青峰を呼べそうにもなかった。


それは赤司も理解していたらしい。
呼ぶように、指示を下さなかったから。
元々彼は青峰が来ないことにそれほど意見を言ったりする方ではなかったのだけど。

一体彼はどこまで見過ごしているのか。
時々恐ろしくなるけれど。
ただ今の黒子の状態は、周りにも、明らかなようだった。

「黒子っち、疲れてる?」
「…いえ。さっき来たばかりですし」
「…でも、なんか」
「…なんですか?」
「…つらそう」

黄瀬は、どうしていいかわからなさそうに、気を落とした顔で黒子を見た。
黒子は、仕方なく、少し笑って見せる。

「大丈夫ですよ。ちょっと、考え事をしてただけなので」
「練習中に余計なことを考えられるとは、随分、余裕だな」
「ちょっと緑間っち!」
「集中しろ。それで無理なら休め。ふらふらされると邪魔なのだよ」
「……すみません」

少しだけ目を伏せて。
頭を切り替える。
今はここにいない人のことを考えてもどうしようもないのだ。

自分がぐらついてどうする。
ボクは彼のような天才ではない。

そう本当はいなくなっても何も問題などないのだ。

それでもここにいたいなら。
戦って無理をして勝ち取るしかない。


それが現実だ。


だから桃井だってその現実に立ち向かってここにいる。

青峰を引き戻そうと努力する。


自分だけ逃げ出してしまうことはできなかった。
例えそれが、どんなに、彼と自分の距離を思い知らせる行為であっても。




桃井にとっては、例の彼女が帰ってしまってもう気を張らなくてよくなるこの放課後の部活時間が唯一の心休まる時間だった。
ここでは事情を知っているマネージャー仲間もいつものように接してくれたし、むしろ、優しくて。
それに甘えている自分を情けないと思いながらも、それでも、その時間が救いだった。

そして忙しいから、何もかも忘れることができるのだ。
めまぐるしく、道具を用意して、タオルを運んで、スポーツドリンクを補給する。
ボールを拾って時間を計って誰それの調子とかをちゃんと記録して様子がおかしければ部長に報告して。
それだけでいい。
それだけの為に集中できる。

ただ青峰がいないことが気にはなったが。

身勝手な青峰に腹は立つものの、もう、かなり諦めている自分がいた。
彼を見捨てることができないのだ。
たとえどんなに酷いことをされても。


彼のするバスケが好きだ。
人を駆け抜けて颯爽とドリブルしていくあの姿が好きだ。
堪らなく爽快で、どきどきする。
その一瞬がたまらなく好きだ。

そして彼の楽しそうに笑う顔が好きだ。


今はもう、見られなくなって久しいけれど。



部活が終わって、帰りたくなくて、別にそこまで散らかっていない倉庫の整理に手をかけた。
体育館では、まだ、居残り練習をしている連中のボールの音が響いていた。

やっぱり練習できる人は強い。
門限とか、塾とか、後は疲れるからとかで、時間をバスケのために裂けない人は、1軍には残れない人が多い。
それでも、やっぱり残ってしまう天才もいるのだけれど。

世の中は、残酷だなぁって思う。

でもやっぱり、一度やり始めると止まらなかったり、ストバスとかでやっちゃったり、何らかの形で、代償は払っているんだと思う。

何だかんだで、バスケから離れることはできないのだ。

それは青峰君も、やっぱり同じ。


どんなにつまらなくなっても、辞めないんだろうなって、それは、凄く嬉しいけれど。
同時にすごく不安になるの。


人はどこまで崩れることができるんだろうか。

想像もできないよ。



がら。

ドアが、開いた。

「桃井さん。まだ、残ってたんですか」
「テツ君」

ボールをしまいに来たのか。

「うん、なんかちょっと気になって。でも、もうすぐ帰るよ?」
「そうしてください。夜道は、危ないですから」
「あはは、ありがとう」

黒子からボールを受け取って、しまう。
整理も粗方終わった。

どうせ、すぐまた皆が雑多に使って散らかってしまうんだけど。
でもそうやって使い散らかされた空間も嫌いじゃない。
皆が頑張ってることがわかるから。

「綺麗になりましたね」
「そう?じゃ、よかった!」

こういう地味な作業はめったに褒めてもらえないから、嬉しい。
彼は本当によくこういうところに気付いてくれる。

「…すみません。今日、青峰君を連れてこれなくて」

そう言われて、桃井は、彼を改めて見た。
彼は、窓の方向を見ていた。
青峰君は、まだ、屋上にいるだろうか。
いや、多分、今日はもう帰ってしまっただろうな。

「いいって。テツ君が気にすることないよ」
「明日は、ちゃんと連れてきますね」

会いづらいけれど、明日ならちゃんとまた話ができるだろうと、黒子は思った。
彼は後に引きずるタイプではないから。
こっちが我慢して話しかければ、ちゃんと会話ができるはずだ。

「…もう、アイツってば、どれだけテツ君に迷惑かければ気が済むんだろうね」
「…キミも、でしょう」
「…わかんない。…今回はちょっと、私が、首突っ込みすぎたのかも」

そう言って、笑う。
少し寂しそうに。

「もうアイツも子供じゃないんだから、ちょっとは、距離を置くべきなのかもね」
「キミは悪くありませんよ」

黒子の澄んだ声が桃井の言葉を遮る。

「青峰君が勝手なんです」
「…そう?」
「はい。周りから見れば、すぐわかりますよ」

黒子の言葉に、桃井は少し安心したように息をついた。
それを黒子は、痛々しいととる。

青峰を殴りつけてやりたいとすら、思った。


彼の気持ちはわからない。
確かに、わからないけれど。
彼が周囲を思いやろうともしない姿はいっそ異常だ。

きっとボクらがどこかへ行こうとしても引き留めようとすらしてくれはしないだろう。


そのことが、酷く、黒子の心を疲れさせた。

「私が迎えに行くのって、いいのかなぁ、悪いのかな。よく、わからないんだよね」

こんなことにならなくても。

甘やかしているだけなのかしら。
もっと冷たくすれば思い知ってくれるのかな。

でもそんなことしたら、2度と戻ってきてくれなくなる気がするね。

「…キミが迎えに来てくれることに、甘えている面はあると思いますが。でも、それは別に悪いことじゃない気がします」
「…そうかな」
「はい。…だからほとぼりが冷めたら、また、迎えに行ってあげてくださいね」
「…うん」

彼が迎えに来てもらうのを待っているというのなら。
それだけでも救いはあるんじゃないだろうか。

周りなんてもう関係ないと言う態度の彼が。
誰かを必要としている。
それだけでも、世界につなぎとめられているのが、わかる。

でも彼女がいるのならボクは結局同じ役回り。


ボクにできることはなんだろう。
わからない。

何も、期待などされていないのだから。

「しばらくは、ボクが呼んできますから、心配しなくていいですよ」
「ありがとう。…でも、テツ君が呼んだ時の方がアイツ素直に来るよね」
「そうですか?」
「そうだよ。やっぱり女の子じゃ入り込めないところがあるんだろうな」

桃井は苦笑する。
黒子は、どうしていいかわからず、肩を竦めた。
それを言うなら、女の子にしかできないことだってあると思いながら。

でも黒子は女の子にだけはなりたくなかったから。

それでいいのだと思った。

桃井のやり方と自分のやり方で、やればいいのだと思う。
それが難しくても。

叶うあてなんか、ないように見えても。

「そろそろ、帰りましょうか」
「うん、そうだね」

桃井は頷いて、黒子に続いて倉庫を出た。
そこでひたすらゴールに向かっている緑間を見つける。

「ミドリーン!そろそろ帰らない?」

桃井は大声で語りかけて、笑った。
いつの間にか、もう残っているのは彼しかいない。

緑間は作業を中断されて、少し不服そうにこちらを見た。
けれど大人しく、ボールを片付けにかかった。
同意したのだ。
口には出さなくても。

「青峰君も、これぐらいわかりやすかったらいいんですけど」

黒子はぼやく。
桃井は少し笑って、それから黙った。

かつてはそうだったのだと、思って。

今更どうすればいいのだろうか。
あの頃に戻っても、できることなど何もない気がした。

むしろ練習をさせなければよかったのだろうか。
そんなの間違ってると思って、思考は行き詰る。

なんて難しいんだ。



ただ一つのこと以外は何も変わってなんかいないのに。
それだけで全てがくるってしまうのだなんて。


想像もしていなかったよ。














++++

イメージソング→花かんむり(英題flower crown)新居昭乃
冒頭からやばいです。以下色々抜粋。

パンをかじる私の耳をかじる悪い王様お食事はあちら
子供の眼をしてあなたは私が歌うのを聞きに来る
強くて誰もが怖がる王様塔の上に住んでる
全てを手にしたあなたが空には届かないと笑うの
お望みのとおりに歌を歌いましょうお城で眠る日も耳の奥に聞こえるように
全てを手にしたあなたの淋しい心に届くように


ずっとこの話は書きたいと思ってたんですけど、中々書けずにいました。
桃井が青峰に振り回されて手ひどい目にあうのと、黒子と青峰の喧嘩が書きたかったんです。
一つの話にする予定はなかったのですがうまくまとまりました。
一先ずちゃんと書けたので満足です。
ホントは、青黒の喧嘩なんて、この1回どころじゃなくて、何回も、それこそ自分たちでも嫌になるぐらいしてるんだと思うんですけどね。
それでもどうしようもなかったんだろうなぁ。
黒子も諦めきれないし青峰は言うこと聞かないしで。
両方ともに折れる気がないならうまくいくはずないんですよね。

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