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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
真ちゃんは、頭がいい。
少なくとも、成績という意味においては。
癪だけど、だから一緒に勉強すると、楽だ。
なんだかんだで、わかんないとこを教えてくれるから。
代わりにやったりとかしてはくれないけど。
ケチだから。
んで、今日もそうやって勉強してたら。
教科書、間違えて持って帰っちまってて。
ああ、しまったなっていう。
多分アイツのことだから生真面目に予習とかするだろうし。
仕方なく、家に向かう。
外は雨が降ってて。
最悪だなって、思いながら。
「よぉ」
「…高尾か」
「何だよ、嫌そーな顔して。折角、人がこれ持ってきてやったのに」
教科書を出してやれば、ああ、と曖昧に返事される。
何だよ、こんななら、持ってこなきゃよかった。
雨に濡れないようにちゃんとビニール袋で保護までしてやったのに。
「ああ、じゃねーよ。礼ぐらい言えっての」
「ふん。そんなことを言うために来たのか」
「はいはい。期待したオレが馬鹿でしたよ。……ん?」
廊下の奥、誰か、動いた。
しかも、アレは。
「っち」
「…ねぇ、アレって」
「人のプライバシーに踏み込むな」
「何?オレのけ者で2人で密会?」
「そういう言い方をするな。雨の中傘も持たないでいるから家にいれただけだ」
「ふーん。じゃ、オレも入れてよ」
「…オマエは傘を持っているだろうが」
構わずあがる。
制止の声が上がるが、気にしない。
「…高尾君」
見間違えるはずもない色素の薄い頭。
上気して桜色に染まった肌が、ぶかぶかのTシャツの襟ぐりから覗いている。
引っ張れば肩が出てしまうと容易に予想ができそうなぐらい、ゆるい。
そしてその下は。
乱暴にバスタオルで結ばれているだけで。
切れ間から、肉の少ない足が、ちらりと見えている。
「…なんでそんなエロいカッコしてんの」
「…はい?」
「そう思うオマエの眼が邪なだけだ」
「ぐえっ」
後ろから襟を引っ張られて喉が詰まる。
ヒドイ奴。
「真ちゃんはそう思わないの?」
「……」
そう問えば、忌々しげに眉が寄せられた。
あ、図星か。
まあ、このカッコはやばいと思う。
真面目に。
「緑間君のズボンは、流石に大きすぎて」
「だからってタオル?」
「はい」
「…まー、タオル無しよりはましなのかな…」
「何の話ですか」
まじまじと見ていると、横から拳が飛んできた。
今度はちゃんと見えていたので避ける。
ほんと、容赦ない。
「ちょっと自覚したほうがいいかもよ。目の毒。それ」
「…そういう目で見られても、困ります」
「用が済んだなら帰れ。2人も面倒を見る余裕はないのだよ」
2つの困った顔に見つめられて、ため息をついた。
仕方ない、今回は確かに、オレはお邪魔虫のようだ。
「はいはい。ま、いーもん見たし、帰るわ」
「そうですか。意味が分からないですけど」
「真ちゃんにこれ以上我慢させんのもかわいそーだしね?」
「何の話だ」
「おーこわ」
笑って、肩を竦める。
「まー2人で楽しんでなよ。じゃーね」
軽く手を振って退散することにする。
あんまり真ちゃん怒らせすぎても、後が怖いし。
「…よかったんでしょうか。まだ、雨降ってますよね」
「構わんさ。気を利かせたんだろう、珍しいことに」
「…ちゃんと、わかってはいるんですね」
「わざわざ言ってやる義理もない」
「…高尾君はこんなに協力的なのに。可哀相ですよ」
「では、アイツに靡くか?」
「…眼が、マジですよ」
「…どうなんだ」
「……。高尾君も、嫌いじゃないですけどね」
「…黒子」
「彼の傍はちょっと落ち着かないので。…そんなに妬かないでいいですよ」
「…妬いてなどいない」
「そうですか」
「……」
「…キミの傍に居ると、安心します」
「……そうか」
「…だから、心配しないでください」
「…心配など、していない」
その頑なな様子が面白くて、黒子は笑みをこぼした。
それに緑間は、覆いかぶさるようにして口付ける。
ふわりと、石鹸の香りがした。
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