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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
(11965とってくださった小夜さんに捧げます。告白もの)
さんさんと日の降り注ぐ屋上に出る。
暖かい。
今日は風が少し冷たかったけど、これなら十分心地よいだろう。
辺りを見回して、黒子は、求める人の姿を見つけた。
浅黒い肌に、藍色の髪。
大柄な、鍛えられた身体。
黒子は彼に歩み寄ると、声をかけた。
「青峰君」
返事はない。
黒子はため息をついて、その脇にしゃがんだ。
「このまま、昼までサボるつもりですか」
今は、3時間目の授業が終わった休み時間で。
彼がさぼっていることを知って、様子を見に来た。
できるならたたき起こして授業に向かわせたい。
まだ2年生も始まったばかりというのに、これだ。
全く先が思いやられる。
手を伸ばして、青峰の頬をつねる。
「起きてください」
しかし青峰は動じない。
もっと過激なことをして無理やり起こしてもよかったが、流石にそれは躊躇われた。
横になる身体を見下ろす。
そして手を伸ばした。
先ほど摘まんだ頬を、撫でる。
それ程やわではないから、頬には大した変異も見られないけれど。
そのまま指は短く駆られた髪にまで伸びて。
「…すきです」
ぽつりと、黒子はそんな言葉を漏らした。
暫くそのまま青峰を無言で見つめて。
手を離し、握りこむ。
何を言っているのかと、自分でも、困ったような顔をした。
そして立ち上がる。
その後は躊躇わず屋上から去っていった。
ドアが閉める音と、振動が、響いて。
青峰は目を開けた。
というより、最初から、寝てなどいなかったのだ。
めんどくさい小言も、授業も聞く気がなかったから。
身体を起こして、黒子が触れていた部分に手を伸ばす。
細い指の感触が、蘇る。
「…なんなんだよ……」
華奢で、とても同じ男のものとは思えない指。
細い声。
いつもの調子とは違う、少しだけ、寂しさを匂わせた声。
どんな顔をしていたのだろうか。
見たかった。
そしてそれが、青峰の想像したものと同じなら。
抱きしめてやりたいと思って、躊躇する。
さっきの一言はそういう意図で発されたのか。
それでオレはそれを受け入れていいと思うのか。
嫌じゃないのはなぜなのか。
これからどう接すべきなのか。
「どうしろってんだ……」
頭に手をやった。
こんな時どうすればいいかなど知らなかった。
女子と付き合ったことはあっても、こんな感情など、覚えたことがなかった。
黒子は影が薄いから会おうと思わなければ部活まで会わなくて済んだ。
けれど、部活となればそういうわけにはいかない。
実戦練習では、否が応でも、黒子からパスを貰う立場だ。
黒子の様子は全くいつもと変わらなかった。
当たり前だ、聞かれたことを知らないのだから。
それならそれで集中できた。
バスケのことしか考えず、ただ、疾走する。
相変わらずの完璧なパスは、当然のように青峰の行く先に飛んできた。
その時はもう知らなかったふりをしようかと思った。
それでも十分上手くやれるなら。
無理に変わろうとする必要はないなんて。
けれど自主練を終えて部室に戻れば。
そこには、黒子しかおらず。
「…テツ」
「…お疲れ様です」
そうして顔を合わせた瞬間に、昼のことを思い出した。
触れられた頬、囁かれた言葉。
ああ、ダメだ。
とても知らないふりなんかできねえ。
「テツ」
「…はい」
つかつかと、歩み寄る。
見上げてくる目。
いつものふてぶてしい面なのに、可愛いと思うのはなぜなのか。
「…オマエ、昼オレ起こしに来たろ」
「………なんで知ってるんですか」
黒子の顔が強張る。
「いや。…起きてたから」
「……!?」
眼が、見開かれる。
ああ、大きな目だ。
そう思う暇もなく、目がそらされる。
顔が赤く染まっていく。
なんて、わかりやすいやつ。
「何か聞きましたか」
「…オレのこと、好きだって言ったよな」
少し面白くなって、青峰は、意地悪く顔を近づけて言う。
黒子はそれにも動揺して、距離を取ろうとしてロッカーにぶつかった。
「痛っ!!」
「お」
腕を掴んで、蹲るのを止めた。
そのまま大丈夫か、と、後頭部に手をやった。
黒子は逃げられずに、顔を赤くするばかりだ。
耳まで赤い。
何となくそのまま頭を撫でてやると、黒子の体がびくりと震えた。
ああ、ダメだ。
オレ、テツのこと好きだわ。
自覚した。
そうなってしまえば今更抵抗などなかった。
「テツ、オレ、」
「言ってません!!」
悲鳴のように声が上がる。
「あ?」
「言ってないです、何も、言ってません!!」
「オイ、聞けよ」
「言ってないですから!!」
暴れて、青峰の腕から逃れようとする。
何だよと、青峰はむきになって黒子を腕の中に抑え込んだ。
暫くもみ合って。
けれど結局敵うわけなどなくて、黒子は青峰の腕の中に落ち着く。
肩で息をする黒子を腕に収めて、青峰は、なんと言おうかと思案した。
しかしそれが纏まる前に黒子が声をあげる。
「忘れてください」
「は?」
蚊の鳴くような声。
弱々しく、細くて。
気付けば身体も震えていた。
「何も言わなくていいから、忘れてください。何もしなくていいから、忘れて…」
無理やり上を向かせる。
涙の滲んだ目が、青峰を見た。
とりあえず青峰は。
黙らせるという目的と我慢できなかった欲望から、そのまま黒子に口付けた。
「っー!?!?」
訳も分からず立ち尽くす黒子の唇をそのまま堪能して、身体を離した。
黒子は声も出せず青峰を見上げる。
その眼に溜まった涙を、青峰はタオルで拭ってやった。
「…なんだ。忘れねーよ。…オレも、だから」
「……嘘」
「嘘じゃねーよ」
「そんなことあるわけないです」
「いやこれ現実だから」
「……」
黒子はおずおずと青峰を見上げる。
青峰は、安心させようと思って、笑ってやった。
そのまま頭を撫でる。
「好きになっちまったんだからしゃーねーよ。付き合おうぜ」
「…そんな、安請け合いしていいんですか」
「いいんだよ」
黒子は、傲慢な青峰に少し笑って。
目元を改めて擦った。
「信じたか?」
「…少しは」
「全部信じろよ馬鹿」
「うわっ」
ぐりぐりと頭を押さえつける。
やめてくださいと青峰を睨み上げたその顔には、いつもの様子がやっと戻りかけていて。
「ほら、とっとと帰ろうぜ」
「…はい」
青峰はそう声をかけて着替えに入る。
黒子も、それに続いた。
その後、何となく青峰は横を窺って。
黒子が嬉しそうに顔をほころばせているのを見てとった。
可愛い奴。
ああ、大切にしようと。
青峰はただ、愛しく、黒子のことを想った。
キャー恥ずかしい><…なんて。
凄く初々しい話になりました。
こんなに黒子が可愛いの初めてじゃないか…?
どっちから告白するのか考えて、青峰は多分ノリで行動するから告白とかしなさそうと思ったので黒子にしていただきました。
多分、高校で再びやり直すとしたら、青峰から告白すると思います。
でもこういう話を書くと、ちゃんと別れも書いてあげなくちゃいけないなぁと思います。
ただ、全中で何があったのかを知らないとちゃんと書けそうにないので難しいですね。
その頃には破局しててもいいのかもしれないですけど…。
なんにせよ、お互いにとってすごくつらい別れかなと。
書きたくないなぁ、つらすぎて。
中学時代の幸せな話は、必ずつらい結末を控えているので、それが幸せであればあるほど、つらいですね。
というわけで、これは、11965を取って下さった小夜さんに捧げます。
何か思ってたのと違ったらごめんなさい><
書き直しますので。
お楽しみ頂けたら、幸いです。
わぁよかったです^^
色々パターン考えたんですけど、こんな感じになりましたー。
黒子からは絶対に付き合ってくださいなんて言えないと思います。
今のままで十分とか思ってそうで。
特に青峰は眩しすぎるから。
ホントにおままごとみたいな恋愛をしてたらいいと思います。
笑っちゃうような幸せな話。
つらいこととか何にもないような。
それで、少しずつ壊れていくんじゃないでしょうか。
どこが壊れたのか自分たちでもわからなくて、どうしていいかわからなくて。
会話も噛み合わなくて居心地が悪くて、絶壁な感じ。
それで黒子がついていけなくなっていなくなってしまうイメージ。
どちらも嫌いにはなってないんだと思います。ホントに。
青峰は特に訳が分かってないような気がする。
黒子は、自分から離れる分凄く葛藤したんじゃないかな。
それでも青峰を責めてはいないんだと思う。
好きすぎるのが悲しいです。
よりを戻す話は本誌の展開に合わせたいと思うのでしばらく先になると思います(笑)
別れる話は、そういう気分になった時に、どどっと書いちゃいましょうかね。
頑張ります。
ではでは、リクありがとうございました!
またおいでください。