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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
今日も、きつい練習が終わった。
通常練習だけでもきついのに、レギュラーたちにはそれにも増して特別メニューが課されている。
やっとノルマをこなして、一息つけた。
「あー終わったな」
「はい。お疲れ様です」
「コンビニ寄るか?」
「そうですね、最近暑くなってきましたし」
「上着とか着てらんねーよな」
「ダメですよ、指定なんですから」
「服ぐらい好きに変えさせろっての」
「とか言ってキミはいつも適当じゃないですか…」
「あー青峰っち!!」
「うわうるせぇ奴がきた」
「ヒドッ!」
「どうせ練習に付き合えってゆーんだろ?」
「当然ッス」
「しゃーねーな。テツ、ちょっと待ってろよ」
口では仕方ないと言いながら、その横顔は楽しげだ。
「…先、帰ってもいいですか?」
「あ?なんでだよ。用事とかねーんだろ」
「ないですけど…」
歯切れ悪く、黒子は言葉を濁した。
居心地が悪いのだ。
そして、イライラする。
そんな自分が、イヤだ。
「だったら待ってろよ。すぐ済むし」
「あんまり、なめてもらっちゃ困るッスよ」
「へいへい」
「もー!!…黒子っちもよかったら見ててよ!なんかアドバイスとかあれば言ってくれたら助かるんで!」
「…そんなたいしたこと、言えませんよ」
「それでオレも一緒に帰らせてよー」
「オマエ煩いからなー」
「えーそんなことないッスよ!」
「ホラ、いーからさっさとすんぞ」
「はーい」
すぐ終わるとか言いながら、夢中になって30分は確実にやってしまうんだろう。
いつものことだった。
1時間に達することだってあった。
黄瀬が入ってから、すっかり日常となりつつある光景。
練習熱心なことを褒めてあげるべきなのだろうけど、最近黒子には、それが、鬱陶しく思われて仕方なかった。
そう思うのはおかしいことだと、気付いてはいたけれど。
結局見守るのもそこそこに、体育館を後にする。
何も言わずに。
どうせ自分に意見など初めから求められてはいないのだから。
それに、気付かれなどしないのだから。
いてもいなくても、変わらない。
「あれ、黒ちん」
「…紫原君」
少し先で、見慣れた、大きな人物と会う。
「どしたの。今日、早いね」
「…キミは、もう少し練習したらどうですか?」
「だってもう十分やったし。今残ってるのもどーせいつものメンツでしょ」
緑間と、青峰と黄瀬。
飽きることも知らずバスケに打ち込んで。
「そうですね」
「でも黒ちんだけ出てくるとか珍しいね。飽きちゃった?」
「そんなわけないでしょう」
「だろーね。ほんと、わかんないや」
「そうですか」
ため息をつくようにして、吐き捨てる。
「…あれー」
「…なんですか?」
「元気ないね」
いつもなら返ってくるはずの小言が、今日はない。
それに紫原は目ざとく気付く。
「…大丈夫です」
「ふーん?」
紫原は、その大きな手で、黒子の頭を撫でた。
やめてください、と払われたが、さして傷つく様子も見せない。
「一緒に帰る?」
「……そうですね…」
「ほっといて帰るつもりだったんでしょ?」
「…よく、わかりません」
「珍しーね」
「そうでしょうか」
「うん」
「……」
自分でもわからない。
どうしたらいいのかわからない。
「で、どーすんの」
オレ、もう帰るけど、と投げやりに言う。
どっちでもいいというスタンスが、彼らしい。
彼は自分のリズムを崩さないのだ。
それが困るときも、多いけれど。
黒子は彼を見上げて、力なく笑った。
「1人で、帰りますよ」
1人で帰ろう。
頭を冷やして。
明日は冷静でいられるように。
「そ。じゃ、またね」
「はい」
向けられた背を見送った。
さて、帰ろうか。
断ったのは自分なのに取り残されたように思ってしまう自分を叱咤した。
荷物を取りに、部室へ向かう。
着替えて、詰めて外へ出て。
逃げるように校門へと。
「テツ!」
その途中で、声が、かけられた。
思わず振り返る。
汗に濡れたTシャツから伸びる、浅黒い肌。
「あおみね、くん」
「何で先帰るんだよ!待ってろって言ったろ!」
寄せられた眉。
見つかってしまった。
「…すみません」
「ホントだよ」
見つかりたくなかったのか、見つけてほしかったのか。
自分でもよくわからないけれど。
彼の後には、黄瀬が続いて。
「気が付いたらいないから、まじビックリしたッス」
「コイツと2人だけとかマジ勘弁しろよ」
「ヒドッ!」
「…緑間君もいたんじゃないんですか?」
「アイツ集中してっから喋らねーんだもん」
「……」
会話が、途切れる。
「暇だったか?」
「…まぁ」
ごまかすのも不自然で、そう、答えておく。
「おいオマエのせいだろ」
「黒子っち、ごめんね」
「いえ、いいんですけど」
全然悪くはないのだ。
上達したいのは当然のことなのだから。
それぐらいのことは黒子だって自覚していたのだけど。
「明日は、他の奴誘って4人でやろーぜ」
「…黄瀬君はそれでもいいんですか」
「勿論!黒子っちとやるのも好きッスよ!」
「おう。テツがいると、やっぱ違うからな」
「…そうですか?」
「ああ。だから勝手にどっか行くなよ」
「…はい」
それがお世辞でも、嬉しかった。
顔が、少し緩む。
「もう皆誘って3on3しないッスか?」
「赤司がやるかぁ?」
「気が向けば付き合ってくれるでしょうけど」
「問題はあのヒトッスよね」
「紫原か。練習来るかどうかわかんねーもんなぁ」
「そこは上手く誘わないとダメですね」
「まー何とかなるんじゃね?」
「適当ですね」
「いなかったらそん時はそん時だろ。オレは楽しくバスケができれば満足だし」
「単純ッスねー」
「うっせぇよ。じゃなかったらオメーに付き合うわけねーだろ」
「…そうかも」
「…黄瀬君、どんどん上手くなりますからね。相手してても、楽しいでしょう」
「まぁまぁな。まだまだ甘いし」
「っくー!!いつか、負かしてやるッス!!」
「やれるもんならな」
黒子は、笑う。
そして笑ったことに気付いた。
居心地が悪いだけではない。
きっと。
「…さ、そろそろ2人とも着替えてきてください。暗くなってきましたから」
「大分、日も伸びてきたッスけどね」
「ちょっと前はすぐ暗くなってたのにな」
「もうすぐ夏ですから」
「…そうだな」
暑い夏が来る。
黒子がレギュラー入りして初めての夏が。
そしてそれは、黄瀬も同じ。
楽しめるだろうか。
楽しみたいと、思う。
くだらない嫉妬に打ち負かされることなどなく。
「ねー明日3on3するとしたらチームどうするんスか?」
「ジャンケンだろ」
「考えて組んでも楽しいでしょうけどね」
「ならテツオレんトコ来いよ」
「えー!?オレと組ませてくださいよ!!」
「やだよ。オマエに文句言う権利はねーよ」
「ハンデでいいじゃないッスかー!」
「付き合ってやってんだからそんぐらい我慢しろ」
「オレ、もっと黒子っちと連携できるようにならなきゃいけないと思うんスよね」
「心配すんな。上手くなれば息が合うから」
「…それってオレが下手って言ってるようなもんじゃないッスか~!!」
「その通りだろ」
「たまには褒めてくれてもバチは当たらないッス!!」
「テツはやらねーよ」
その言葉に、はっとして青峰を見やる。
に、と悪戯っぽく笑うその顔が、眩しかった。
「なんでも青峰っちの思い通りになるっていうのも間違ってると思うんスけど!!っつーか黒子っちの意思は?」
「…ボクは、どっちでも構いませんけど」
「うわ、淡白」
「おいこら、オレがいいとか言えねーのか」
「…さあ、どうでしょうか」
眼をゆっくりとそらす。
そんな分不相応なこと、言えないよ。
「…まぁ、一番息が合うのはオレだしな」
「すぐ追いついてやるッスから」
「無理だね」
「そう言ってられるのも今のうちッスよ!」
彼らの言葉は、バスケ部の頂点をめぐる話だと思うことにして。
「いいから、早く着替えに行きましょう。ホントに、日が暮れますよ」
「あーだり。このまま帰りてーよ」
「お疲れ様です。でも流石に部活着で帰ったら呼び出しでしょうね」
「はー…」
「ほらさっさと行きましょーよ」
「誰のせいだっつの!」
やっと足が動き始める。
黒子は少し迷ったものの、2人に続いた。
この2人がお互いを必要とするようには、必要とされることはないけれど。
それ以外の居場所は、ちゃんと用意されていたから。
それぞれの在り方で、必要とされればいいのだ。
改めて考える。
ボクが必要だと言ってくれた。
あっけらかんと。
恥ずかしくなる暇もないぐらい。
ボクはボクの形で、傍に居よう。
傍にいたくて、必要とされている。
十分だ。
それ以上は、望むまい。
黒子が一人でぐるぐるしてるだけともいう。
書きたかったのは、三角関係よりもなんか複雑な感じの3人。
黒子も好きだけど黄瀬とバスケをするのが楽しい青峰と、
とりあえず青峰に憧れててでも黒子も気になってる黄瀬と、
青峰が好きだけど素直に懐いてくる黄瀬が可愛く見えたりもしたりする黒子。
やっぱり恋愛は、カップル成立するまでが一番楽しいかもですね。
当事者は大変だけど(笑)
妄想のし甲斐があります。
辺さん、こっちがよかったらお持ちください。
まあどっちも差し上げますので(笑)
昨日アクセス障害発生してたみたいですね。
久しぶりでした。
結構よくあるのであんまりに気にしないでくださいねー(笑)
では、また!
喜んで頂けてよかったです^^
先に書いた方が片思いの方なんですけど、あれ、こういう話を求められているのか?となり、書き直したのがごちゃごちゃになります(笑)
感想をいただいて改めて読み直しましたが、2つまとめると本当に三つ巴な感じになりますね!
こういうのを1つの話にまとめられる才能があったらよかったのですけど。
まあ、無理してまとめると大変なことになりそうなのでこれでもよかったんですかね^^;
この3人のごちゃごちゃした感じは何か素敵ですよね。
青峰は独占欲が強くて、黄瀬はひたむきで、黒子は内向的な感じがさらにそれに拍車をかけるのだろうなぁ(笑)
書いててもなかなか楽しかったです^^
紫はなんでしょう、とりあえず人数調整と傍観者として入れてみました。
がっつかないテキトーな雰囲気が傍観者として使いやすいです(笑)
ではでは、リクありがとうございました!
いずれ書きたいとは思ってた話なので、かけてよかったです^^
更新これからも頑張りますねー^^
ありがとうございました♪
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