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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
後少しだ。
後2階登れば、もう探していない場所はない。
それでも見つからなかったらと思うと、恐ろしくなるけれど。
「…黒子っち、オレ、この階探すんで、黒子っちは1コ上をお願いしてイイッスか?」
「あ、はい」
「じゃ、また後で」
黄瀬は、黒子が少し疲れているのに配慮して、そんなことを言い出した。
黒子はそれに気付かなかったが、了承し、上の階へ向かう。
その階で、くつろいでいる様子の、赤司と出会った。
「よう、テツヤ」
「…赤司君」
「綺麗だな」
「……冗談でも嫌です」
「本気なのに」
「余計嫌です」
漫才のように言い返すと、赤司は楽しそうに笑った。
「ミスディレクションはどうだ?結構発動出来たか」
「……キミも、グルだったんですか」
物言いに、明らかな違和感を感じて、黒子は問うた。
赤司は、あっさり頷く。
「青峰はもちろん遊びのつもりだけどな。ちょっと面白そうだったから発破をかけてやったんだよ」
「余計なことをしないでください…」
「でも楽しく特訓出来たろう?」
「全然楽しくありません!」
黒子は嫌そうに言い切る。
赤司は可笑しそうに笑っている。
その余裕っぷりが、黒子の怒りを余計に誘った。
「別にみられても似合うから問題じゃないぞ」
「大問題です!!」
「はははは。悪かったよ、そんなに怒るな」
「……」
それ以上起こってもどうにもなることではなく。
黒子は仕方なく黙り込む。
「ちょっと写真撮ってもいいか?」
「絶対嫌です」
「つれないな。褒めてやっただろ?」
「褒めてもらっても嬉しくないですから」
「…まあ、冗談だからな」
「そんな冗談やめてください」
黒子は嫌そうに吐き捨てる。
「写真が取れれば涼太や真太郎のいい餌になると思ったんだが」
「…エサ?」
「そういう素材はいくら持ってても足りないからな」
「…人を、勝手に餌にしないでくれませんか」
「はいはい。それはそうと、大輝はこの屋上にいるぞ」
唐突に、赤司は大事なことを口にした。
思わず、黒子は上を見上げる。
「それからこれ。せっかく仮装したんだからな。やるよ」
投げてよこされたものを、慌てて受け取った。
簡素なガム。
面白味はないものの、スタンダードで悪くない。
「ほら、行って、早く着替えて来い。そろそろ、時間だ」
「…自分でしかけておいて、随分な物言いですね…」
「これも特訓の一種だからな?」
にやりと笑う赤司から目を逸らして、黒子はため息をついた。
ガムを握りしめて、教室を出る。
そのまま走って、屋上へと向かった。
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