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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
校舎内を駆け巡って暫く経つ。
周囲に気を払ってミスディレクションするのも、走り回るのにも、少し疲れてくる頃。
慣れないスカートが煽られたのを気にした拍子に、躓いた。
「わっ!!」
「黒子っち!?」
スカートを大きく広げて、黒子は倒れこんだ。
その拍子に、下に履いていたハーフパンツが露わになる。
黄瀬は、慌ててスカートを戻させて黒子に手を貸した。
「大丈夫ッスか」
「はい…すみません」
「あれ、その声、黒ちん?」
呑気な声が後ろからかかる。
2人が振り向けば、帝光中で最も身長のあるであろう彼がそこに立っていた。
「紫原君…」
「なんでそんなカッコしてんの?」
「青峰っちの悪戯らしいッスよ」
「そういうわけです」
「ふーん。なんなら下も女物にすればよかったのに」
「…は?」
とんでもない発言に、黒子は思わず邪険に聞き返した。
「色気ないよ」
「…必要ありません」
「…まあ、確かにハーフパンツ履いてるのかとは思ったッスけど」
「……」
「あっいや!!下何履いてるのかちょっと気になっただけだから!!」
別に履いて欲しくなかったとかそぅ言うわけじゃ全然ないんで!!と、黄瀬はやたらと熱く主張した。
仮にもモデルがそんな赤裸々なことを語っていいのだろうかと、黒子は逆に心配になる。
「まー男モンのパンツなら着替えとかで見れるけどね」
「まあ、そうですね」
「…いや、そういうのとはまた、情緒が違うっていうか…」
「何を言ってるんですかキミは」
「…スミマセン」
でも青峰っちにならこのロマンわかってもらえると思うんス…と黄瀬は、未練がましく呟いた。
黒子はもうこの際気にせずに紫原に向き直った。
「あの、青峰君見ませんでしたか?」
「見てないよ。何?仕返しでもしに行くの?」
「いえ。それもいいですけど、着替えを取り戻しに行かないといけないんです」
「そっか。でも、別にそれでも違和感ないけど?」
「こっちはありますから」
もう彼の発言に突っ込む気すら起こらない。
「じゃ、頑張って探してね」
「はぁ…」
「あ、そうだ、いいものみせてもらったし、これあげるよ」
「…まいう棒ですか」
「うん。それ、オレにはちょっと合わなかったし」
「…ボクでゴミ処理しないでくださいよ」
「まー気に入るかもしんないじゃん?」
「それはそうですけどね…」
黒子はそう言いながら、ビニール袋にそれを突っ込んだ。
じゃねと言いながら紫原が遠ざかっていく。
「紫原君。今日は、ちゃんと部活出てくださいね」
「ま、そのつもり。たまには体動かしとかないと、鈍るし」
「いいことですね」
「もっと褒めて」
「嬉しいですよ、来てくれて」
「ちょっと!!黒子っちサービスしすぎ!!」
「じゃ、また後で」
「はい」
黄瀬の文句を聞きもせずに、手を振りあって別れる。
黄瀬は少し文句を言いたげだ。
恐らく黒子が紫原に甘いからだろう。
「…仕方ないじゃないですか。彼、冷たくすると余計部活来なくなりますよ」
「別に来なくてもいいじゃないッスかー!!」
「そういう考え、よくないです」
「…ハイ…」
黄瀬は不服げに頷いた。
「しかし、いいものってなんでしょうね」
「え」
「いや、彼が、いいもの見せてもらったって言ってたので」
「…黒子っちの女装姿か、スカートの中かだと思うッスけど」
「………。キミって、見かけは爽やかなのに時々変態ですよね」
「えーっ!?」
「さ、行きましょう」
「オレにももうちょっと優しくしてくださいよー!!」
黄瀬に冷たく背を向けて、黒子は走り出す。
今度は転ばないよう、足元に気を付けて。
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