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黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
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すみません、暫くPCに触れることができなくなるので、返信等一切できなくなります。
ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
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「よっ!真ちゃん、光ちゃん!」
ストバスから帰る2人に声がかかった。
振り返ると、そこに、手を振る影。
楽しそうな、笑顔。


「…高尾」
「高尾さん!」
「へへ、遊びに来たよー」
「…何の連絡もなしに来るな」

駆け寄ってくる高尾に、緑間は痛烈な一言を告げる。
しかし高尾も慣れたもので、平然と言い返してやった。

「ちゃんとメールしたしー。オマエが携帯持ってないのが悪いんじゃん」
「了承を得ていないのに来るなと言っている」
「だって黒子ちゃんがいいって言ったからさ?」
「……」

緑間は忌々しそうな顔をする。
自分の素知らぬところで約束が取り付けられているのはどうも不愉快だ。
そんな対応の緑間をカバーするように、光樹は口を開いた。

「でも、高尾さんくると、家の中賑やかで楽しいから、いいんじゃない?」
「おっ光ちゃんいいこと言うね。お兄ちゃんなんか買ってやるよ?」

高尾はぽんぽんと、光樹の肩を叩く。

「いらん。余計なことをするな」
「もー真ちゃんは固いなー。そんなことばっかしてるといつか『真さんなんか大嫌い!』って言われちゃうかもよ」
「言わないよー」

くつくつと笑いながら、光樹は返した。
多分一生言うことはないだろう、そんな、思春期の少女のようなセリフは。

緑間が偏屈で、そして中々素直になれないことを知っている光樹は、腹を立てることはめったにない。
辛抱強く交渉して、対応を待てば、きっといいようにしてくれると知っているから。
それをよく知っていると褒めるべきか、それとも、舐めていると怒るべきなのかは、わからないが。

「ねーとりあえずあそこのコンビによってこ?オマエん家全然酒置いてないんだもん」

高尾は自由気ままに指差して、好き勝手なことを言う。

「普段飲まんからな」
「旨いのに」
「身体に害なだけだ、あんなもの」
「甘すぎるものもよくないんじゃね?」
「オレは運動している。他の奴と一緒にするな」
「へーへー」

相変わらずのセリフ。
彼の主張や、趣向を変えるのはきっと不可能と言っていい。
どんな屁理屈だってこねられてしまうだろう、きっと。


店の中に入って、酒類の棚の前で、高尾はビール缶を手に取った。

「オレ達はビールでいいよな。黒子ちゃんはチューハイ?」
「アイツに飲ますな」
「テツヤさん強くないからねー…」

殆ど飲まないとはいえ、光樹でも、多少は飲んだところを目撃したことがある。
意味不明な発言を繰り返したり、吐いたりするところまではいかないが、大抵、すぐに顔が赤くなって。
それ以上飲むなと緑間が止めたり、そんなことが大抵だ。

普段は喋らない黒子が饒舌なところは少し見てみたいとも思うが。
二日酔いで苦しんだりして欲しくないからそんなところでいいんだとも、光樹は思っている。

「でもたまには飲みたいでしょ。じゃーこれで」
「……」

高尾は勝手に選んで、籠に入れた。
甘そうな、女性の好みそうなお酒。

「いー加減子供じゃないんだからアイツの勝手も認めてやれば?」

そして緑間にとって余計なひと言を告げる。

「…余計な世話を焼くなと言っているだけだ」
「光ちゃんもなんか飲む?これなんかどう?」
「んなものを勧めるな」
「あたっ!!」
「あはは!!」

調子に乗って光樹にもチューハイを勧めてみれば、思いっきり緑間に後頭部をはたかれる。
痛そうに頭に手をやる高尾に、光樹は思わず笑ってしまった。

「オレ、ウーロン茶でいいよ。寝る前だし」
「おー健康的なこと。おい真ちゃん、健康的っていうのはこいつみたいなのを言うんだぜ」
「当分補給とて大事だ」
「甘い物も好きだけどね?」

流石に夜は落ち着いたものがいいなぁ、と光樹は呟く。
とても優等生な意見。

「オマエの方が真ちゃんより大人っぽいよねー」
「黙れ。オマエの方がずっと子供だろう」
「真さんのいうことも一理あるからね」
「光ちゃん、オマエ、そんなに真ちゃんに遠慮することねーからな?」

高尾は眉を寄せて、そんなことを小声で光樹にささやいた。
光樹は笑ってしまう。
高尾は全部冗談のつもりでやってることを光樹も知っている。

最初はあまりにもずけずけした物言いに驚きもしたが。
今ではそれがしっかりした信頼の上に成り立っていることをわかっている。



「ただいまー」
「お帰りなさい」
「よ、黒子ちゃん。お邪魔しまーす」
「お久しぶりです。どうぞ」

慣れた様子で、黒子は高尾を中へ導く。
リビングの低いテーブルを皆で囲んで、座った。
適当にテレビをつけて、買ってきたビールやつまみたちを机の上に並べた。

「はい黒子ちゃんチューハイ」
「…どうも」
「無理して飲まなくてもいいからな」
「いえ、まあ、折角なのでいただきます」
「はい、ウーロン茶」
「ありがと、高尾さん」

黒子も光樹もそれぞれの飲み物を受け取って、飲み会が始まる。

「で、最近どうよ?」
「まあ、普通に過ごしてますよ」
「オマエが面白がるようなことは何もないな」
「ふーん?光ちゃんは?どう?中学校」
「あ、うん、楽しいよ!友達もいっぱいできたし」
「そっか、よかったな。好きな子とかできた?」
「え」

「高尾、馬鹿なことを聞くな」
「いーじゃん、そーゆー年頃じゃない?」
「まあ、そうですけどね」
「ちゃんと性教育とかしてんの?」
「セクハラじゃないですか」
「いい加減にしろ」
「ハイハイ。でも、そーゆーの大切だと思うよー?手遅れになってからじゃ遅いんだし」
「…多分、大丈夫。そういう本、買ってもらったし」
「え、エロ本?」
「……」

「あてっ!ヒデーよ真ちゃん!!」
「馬鹿かオマエは!!」
「原理とか、最低限の知識になりそうなものですよ。別に、そういうもの見るのは止めはしませんけどね」
「ってゆーか、この話やめない?」

あまり、後ろめたいことはなかったが、何とも居心地が悪くて、光樹は言いだした。
興味がないわけではないがこんな大人たちに囲まれてそんな話したくない。
緑間は、とりあえず高尾をもう一度殴っておいた。

「いってー!!」
「ふん。それで少しは反省しろ」
「ヒデー奴…。で?好きな子、いんの?」
「結局戻ってくるんですか…」
「いないよー、まだ、やっと顔と名前が一致するぐらいだよ」
「ふーん、可愛い子とかは?」
「…うん、まあ、いるけど」
「へー!よかったじゃん」

「何がいいんですか?」
「やっぱ可愛い子が近くにいるとテンション上がるだろ?」
「馬鹿の思想だな」
「はいはい、真ちゃんはそーゆーだろうなって思ってたよ」
「そういう自分はどうなんだ」
「え、オレ?」

「そういえば、付き合ってる彼女とはどうなってるんですか」
「あー……。まあ、上手くやってるよ」
「大分、長く付き合ってますよね」
「まーオマエらには負けるけどな」
「茶化すな」
「そーね」
「結婚しないの?」
「そーだなー…。ま、結婚するのも悪くはねーけど」
「いい人と、出会ったんですね」
「なんかそーゆー言い方されっと逆に恥ずかしーな」
「たまには真面目になれ」

高尾は、ふっと笑って、肩を竦める。

「そーね、そろそろ、結婚も考えとくわ」
「どんな人なの?」
「んー?ちょっと照れ屋の、女王様タイプ?」
「女王様?」
「なんかこっちが世話焼きたくなるタイプって感じかな」
「…キミにとっての緑間君じゃないですか」
「…黒子」

緑間は嫌そうに黒子を睨む。
高尾は、楽しそうに笑った。

「ははっそうかも!いやー真ちゃんと会ったせいでオレの人生も変わっちゃったかな」
「まあ、キミは元々面倒見がいいですから」
「お、黒子ちゃん見る目あんね」
「じゃないと、緑間君と仲良くなってないような気がしますよ」
「オマエに世話を焼かれた覚えはないが?」
「何だかんだで、言うことを聞かされたりはしてますよ」
「黒子ちゃんも結構真ちゃんに甘いよな」
「まあ、仕方ないです」

「おい、オレが我儘のように言うな」
「いや我儘だろ」
「黙れ」
「…ねぇ、写メとかないの?」

話が泥沼に入っていく気がして、光樹は話を変えようとそんなことを言い出す。
ああ、あるよと言って高尾が携帯を取り出した。
映っているのは、可愛い女性の、微笑み。

「綺麗な人だね」
「サンキュ。言っとくよ」
「そんなに我儘そうに見えないけどね」
「んー押し引きが上手いタイプってーの?オレはちょっと取っつきにくく見えて、でも、実はかわいーのとか好みなんだよね」
「オマエの好みを別に聞いてはいないが」

「うるせーなー。光ちゃんは好みのタイプとかあんの?」
「……うーん。…オレは、結構真面目そうな子がいいな」
「へー?」
「話が合いそうだし」
「…そうだな、オマエはオレ達の影響で本もよく読むからな」
「最近忙しくてあんまり読めてないんだけどね」
「成程ー?文学少女的な子がいーのか。でも今そーゆー子少なくない?」

なんか黒子みたいだなとか思いながら、高尾は黙っておく。
この過程では黒子が母親ポジションであるのだし、母親が理想像になるのも珍しくはないそうだし。

「うーん、派手な子がやっぱり多いけどね。中にはそういう子もいるよ?」
「するなら、自分に損のない恋愛をしろ」
「いや、そんなのって判断つかないじゃん?」
「軽々しく惚れただの何だの、するものではないのだよ。慎重によく考えて、相手が自分の人生に必要かどうか判断するんだな」
「…うん」
「あーやだやだ説教臭くって。でも、まーそういう打算と関係なく落ちる恋もあるからな。なー黒子ちゃん?」

高尾は、そう言って黒子の腕を引いた。
流石に光樹の前では緑間と黒子の関係を明らかにするのはよくないと思っているけれど。
この二人が落ちてしまったのはまさしくそういう恋なのだから。

「あら?」

黒子は、腕を煮かれるまま、こてんと、高尾に凭れ掛かった。
気付けば頬はほんのり赤く染まっていて、重い瞼と戦うことなくそのままに眼を閉じている。

「もー酔ったの?早くない?」

高尾は少し笑って、黒子を揺する。
黒子の喉からはやめてください、とか細い声が帰るだけだった。
すっかり眠いらしい。
起きる様子はまるでない。

緑間が反対側から黒子の腕を引くと、素直にそれに従った身体は、緑間の腕の中に納まる。

「…よく、寝てるね」
「酔うと眠くなる気持ちはわかるけどなー」
「…寝かせて来よう」

緑間はそう言って、黒子を抱き上げる。
黒子の体は易々と持ち上げられて、寝室へと連行されていく。

「黒子ちゃん酒弱いなー」
「高尾さんたちは全然酔ってないもんね」
「まあちょっとは酔ってるけどな?オマエも飲む?」
「ううん、遠慮しとく。真さん恐いし」
「まーね。でもオマエには甘そうだけど」
「うん…でもまあ、いいんだ。お酒飲める年になったら、祝ってもらいたいし」

「…オマエっていい子過ぎ。疲れない?」
「そんな疲れることしてないから。興味はあるけど、別に飲まなくたって、困らないし」
「そーか」
「よっぽど何かしたいことがあったら、ちゃんとしてるから。大丈夫だよ」
「…まー適当にやったらいいって。アイツも意外と融通きくからな」
「そっか」
「おう」

2人は、笑う。
緑間が偏屈だけど、ちゃんと優しくて。
一生懸命こちらのために何とかしてくれようというのは、わかっているから。
暫くして、緑間が戻ってくる。

「テツヤさん、寝ちゃった?」
「ああ。まあこれだけなら明日に影響も出ないだろう」
「まあ、明日休みだからね」
「オマエは部活があっただろう」
「えへ。まあ、これぐらいの夜更かしなら大丈夫だから」

「まあ、朝食はオレが作るさ」
「あ、久しぶりだね」
「あおれオレも喰いたいなー。なー泊まってもいい?」
「…最初からそのつもりだったろう」
「うん」

着替えも持ってきちゃった、と高尾は笑う。
緑間は眉を寄せて、ため息をついた。

「そこのソファーで寝ろ」
「えー布団用意してくれねーの?」
「場所がない」
「別に2人の寝室でもいいけど?」
「ふざけるな」

高尾は、肩を竦めた。
まあ、それでも仕方ないか。
別にそこまで疲れているわけでもないし、それでもいいだろう。

「…オレの部屋でよかったら、使ってもいいよ?」
「マジ?」
「うん。ちょっと早く起こしちゃうかもだけど」
「いーよいーよ、じゃ、寝さして?」
「うん。それじゃ、布団しいてくるよ」
「そこまで気を使ってやることもないぞ」
「うーん、でも、仕事で疲れてるんだからさ」

「マジ光ちゃんいい子だなー。真ちゃんとケンカしたら家来ていーからね」
「あははは」
「喧嘩などするものか」
「そーかなー、オマエづけづけ言いすぎるからなー」
「黙れ。うるさい奴はほっぽりだすぞ」
「横暴だなー」

高尾は仕方なさそうに言って見せる。
当たり前に繰り返されるような戯言だ。
厭う理由なんてどこにもない。

買ってきたビールはそれなりの速さで消費されていて、もう少しでなくなるだろう。
そうしたらお開きだ。
静かに睡眠の支度をして、そのまま床につくことになる。


そうして穏やかで優しい夜がやってくる。




 

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