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黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
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頭が、ぐらぐらする。
熱が上がってきたらしい。
1人で帰るのは、やっぱりやめたほうがよかったか。


電車の中でぼんやりそんなことを考える。
熱に浮かされてぼんやりした頭で。


そんな黒子を、見ている人がいて。
少し前からずっと見ていたのだけれど。
降りるはずの駅から更に行き過ぎても黒子がちっとも動かないので、とうとう痺れを切らして、動いた。

「降りるぞ」

手を掴んで強引に引き上げる。

そのまま引っ張って電車を出て。
折り返しの電車の場所まで、しばらく歩いた。

「…青、峰君?」

気付くのが遅いと思いながら青峰は後ろをちらりと見た。
明らかに上気した顔。
熱い手首。

こいつを一人で帰らせるとか、何馬鹿なことしてるんだと、腹立たしくなる。
ホントにアイツらは使えない。

うかうかほっとくこともできない。
いつもより、ゆっくり歩きながら誘導する。
誰かに気を使って歩くなんていつぶりだろう?


立ち止まると、そのまま、黒子がぶつかってくる。
ふらつく身体を、慌てて支えた。

「…オイ、オマエ、大丈夫か?」
「………ハイ」
「…大丈夫じゃねーだろ。病院行け」
「…平気、です」

そう言いながらも、1人では自立していられないようにぐらつく身体を、青峰は受け止めてやる。
これは参った。
ほっといてなんか、帰れるわけがない。

仕方なく、もう諦めて、黒子を支えて、送っていくことを選ぶ。
そう判断してしまえば後は簡単だった。
中学時代とすることは一緒だ。

こんな技術いらねぇと思いながらも。
それでもまだ忘れてはいなかった。
体に染みついている。


黒子は大人しく、死んだように青峰に寄りかかっている。

繰り返される浅い息が、彼の生存を主張していたけど。
眠ったのか、瞼は伏せられ、青峰に素直に身を任せている。

オレがいなかったらコイツどうなってたんだろうとか思いながら、青峰はその頭を撫でてやった。
黒子は酷く大人しく。
ひょっとしたらこのまま死んでしまうのではないか。
そんな不安を、起こさせた。


駅に着くと、青峰は黒子を揺り起こし、手を引いて歩き出す。
黒子は何とかついてきたが、途中で限界がきたようで、がくりと、崩れた。

「…オイ」
「……すみません…」
「……」

青峰は仕方なしに黒子を抱き上げた。
もともとそう重くはない。
持ち上げるのは容易で。
こんなに軽くて大丈夫なのかと、むしろ心配になるぐらい。

もう心配なんてする必要はなかったし。
したくも、なかったのだけど。



これは、夢だろうか。

虚ろな意識の中で、黒子はぼんやりと、そんなことを考えていた。

懐かしい腕の中。
懐かしい香りに包まれて。

こんなことあるわけがない。
あるはずがない。

だから夢だと、思い込んで。
ひやりとした身体を抱きすくめた。


こうやってずっと一緒にいられたらいいのに。


あの頃からずっと思っていた願いが、息を吹き返す。
もうすでに封印したはずだったのに。




「オイテツ、家着いたぞ、鍵!!」
「…鞄の、中。ポケットに」

言われるまま鍵を見つけて、開ける。
そのまま上り込んで、黒子の部屋に直行した。

何も変わらない。

ベッドに座らせて、上着を脱がせる。
ジッパーになってると楽だなと思いながら。
ボタンだと、もっと時間がかかるから。

それは椅子に投げて、そのまま黒子の体をベッドに入れてやった。
黒子の鞄から呑みかけのスポーツ飲料を取り出して枕元に置いてやる。

それで帰ってもよかったが。
ここでほっとくのは薄情な気がして。
それはかつての情からか。

「なんか冷えピタとかねーの」
「……そこの、棚」
「…ああ、あった」

何だかんだで世話を焼いてしまう。
額の髪をのけて、汗を拭って、張り付ける。

黒子が一瞬身を竦めて、緩慢なしぐさで目を開いた。
潤んだ瞳で、青峰を見上げる。

やばい。

青峰は慌てて距離を取る。

もう戻れないぐらい遠くに来たと思ったのに、なんで今更こんなことになってるんだ。


荷物を担いで立ち上がり。
さっさと出て行こうとした時。
服を掴んで止められた。

掴める奴なんてこの部屋に一人しかいない。
振り向いてはいけないと思った。

「…行かないで…」
「……はなせよ」

言葉を絞り出す。
何とかして。

こんなくだらないしがらみに今更縛り付けられてどうするんだ。

「お願い、ですから」

黒子は無理やり起こした身体がくらくらして、はっきりしない意識の中、必死で、言葉を紡いだ。

「どこにも、いかないで」

青峰は我慢できなくて衝動的に黒子の手を振り払って。
そのまま黒子を抱きしめた。

強く。
痛いくらいに。
黒子は大人しくされるがままだ。
腕を回す余裕も与えられていないから、じっと、ただ青峰がしてくれるように。

押し倒して、口付けて。

熱い体温に、動きを止める。
ねだるように向けられた視線を手で覆い隠した。

大きく息をつく。

「寝ろ。この病人」
「………はい」
「…寝るまで、傍に居てやるから」
「……はい」

ゆっくりと手を離して。
伏せられた眼にホッとする。

何でほっとしてるんだとか思いながら。
そのままベッドに腰掛けた。

ふと引っ張られて脇を見ると、服の裾を黒子の指が掴んでいた。

何でこんな時だけ可愛いんだ。

これがオマエの本心とでもいうのか?



オマエがオレを捨てたくせに。

行かないでって言いたいのは、こっちの方だ!



感情を覆い隠して手を握る。

ほっとしたようにゆるんだ手が、どうしようもなく愛しかった。





コイツが目が覚めるころオレはもうきっとここにいないのに。

今更よりなんてきっともう戻せない。




それなのにつないだ手は酷く懐かしくて優しくて。


青峰にはそれを振り払える自信がなかった。














++++

これ、着想を、昔見たあるサイトさんの話からいただきました。
あんまり似てないような気もしたんですが結構似てた…
とても色っぽい青黒とやたらテンション高いギャグを描かれるお人です。
どうかお許しを…><

戻そうと思えば戻せるのに青峰はきっとそれができないんですよ。

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