「お待たせ。いつも、ごめんね」
「…いえ、いいんですけど」

「…ごめん、やっぱ、２人の時は、こういうのよそうか」
「いえ、客商売ですから、やってくれて構いません」
「…でも、黒子っち、なんか不服そうだよ」
「……」
「やきもち？」
「……」
「あう、スイマセン、そんな目で見ないで」

「…ボクら、一緒に写真撮ったりとかってないですよね」
「…言われてみれば」
「それを、ちょっと考えてただけです」
「…じゃあ撮ろ！」
「え」

「これで」
「…はぁ。準備がいいですね」
「えへへ」
「わ、ちょっと引っ張らないで」
「はい、笑って？」
「…慣れてますね」
「あー…まあ、色々頼まれたりとかね。あるから」
「…だから、気にしないって言ってるじゃないですか」

「ん…。でも、オレ、黒子っちの写真を一番大事にしてるから！！」
「…なんかよくわからないフォローの仕方ですね…」
「はい、とにかく、笑って」
「…笑いましたよ」
「じゃ、はい、チーズ」

「これからは、これ、一番大切にするからね」
「…ありがとうございます、と、言っておくべきなんでしょうか？」

「黒子っちも、大切にしてね」
「しますよ。当たり前じゃないですか」
「…黒子っちー！！」
「わっ、ちょっと、人前ですよ！！」
「嬉しい」
「…もっと早く、撮っておけばよかったですね」

「じゃ、これ、現像してくるッス！」
「…早すぎですよ…」
「行こう、黒子っち！」
「…仕方ないですね」


黒子は、息をついて、笑った。