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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
今日も、青峰の背を見送る羽目になった。
部活に出ろと、しつこく声をかけて。
散々青峰の意見に抗ったけれど、結局、その意思を変えることはできないのだ。
いつも、そうだ。
いつだって、彼の気まぐれに依存しているのだ。
「テツヤ」
後ろから、声がかかった。
振り返らなくてもわかる。
この声は、赤司のもの。
「………はい」
黒子は、低い声で返事をする。
本当は返事などしたくはなかった。
どうせ気に食わないことを言われるのは確かなのだから。
最近こういうことがとんと増えた。
関わりたくないと、思ってしまう。
それでいいはずがないのに。
「がむしゃらにぶつかるだけでは駄目だな」
赤司は、ゆっくりと笑んだ。
眼だけが、笑っていない。
「壊れてしまうよ。お前も含めてね」
黒子は振り返らなかった。
けれど、どんな表情をしているかは容易に想像がついた。
惨酷な笑み。
力ないものを蹴落とす笑みだ。
とん。
肩に手を置かれる。
「そう気を落とすな」
黒子はすっと赤司を睨み上げた。
別に彼が憎いわけではなかったけれど。
そうしないと、負けてしまう気がして。
「お前は偏屈すぎる。もう少し、柔軟になれ」
そのまま、彼は歩き出す。
黒子も部室に向かわなければならないので、行く先は同じだ。
それ以上言葉を聞きたくない気がしたけれど、彼に背くわけにはいかない。
「大輝は仕方ないよ」
「……キミは、諦めろって言うんですか」
「そういうものだ」
声はあくまで淡々としている。
「強すぎる力を持った者は、えてしてそういうものだよ」
黒子は、黙らざるを得ない。
わからない世界だ。
決して。
「放っておけばいい。お前はお前のバスケをすればいい。それ以外に、何を望む?」
彼は、振り向いた。
黒子は黙る。
ただ、黙る。
諦めたくないんだ。
浮かんだ言葉を、口にできず、呑み込んだ。
諦めれば楽なのだ。
何もかもそうだと知っているけれど。
「お前と大輝は、もう道を違えてしまったんだよ」
いやだ。
浮かんだ言葉を口にできなかった。
同意しているわけではない。
認めたくない。
それなのにそうかもしれないと思ってしまう。
それがとても恐ろしかった。
足が止まったまま、動かない。
笑ったままの赤司に強く手を引かれて、無理やり歩を進めさせられた。
「お前は僕の言うとおりにしていればいい」
絶望的な宣告。
けれどそれに逆らう以外の道を黒子は知らなかった。
彼の言う通りにして居場所を得た。
今更それを失うことは考えられなくて。
ただ、彼の示すままに、行く。
それはさながら、操り人形の、如く。
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