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黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
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今日も、青峰の背を見送る羽目になった。
部活に出ろと、しつこく声をかけて。
散々青峰の意見に抗ったけれど、結局、その意思を変えることはできないのだ。


いつも、そうだ。
いつだって、彼の気まぐれに依存しているのだ。

「テツヤ」

後ろから、声がかかった。
振り返らなくてもわかる。
この声は、赤司のもの。

「………はい」

黒子は、低い声で返事をする。
本当は返事などしたくはなかった。

どうせ気に食わないことを言われるのは確かなのだから。

最近こういうことがとんと増えた。
関わりたくないと、思ってしまう。
それでいいはずがないのに。

「がむしゃらにぶつかるだけでは駄目だな」

赤司は、ゆっくりと笑んだ。
眼だけが、笑っていない。

「壊れてしまうよ。お前も含めてね」

黒子は振り返らなかった。

けれど、どんな表情をしているかは容易に想像がついた。
惨酷な笑み。
力ないものを蹴落とす笑みだ。

とん。
肩に手を置かれる。

「そう気を落とすな」

黒子はすっと赤司を睨み上げた。
別に彼が憎いわけではなかったけれど。
そうしないと、負けてしまう気がして。

「お前は偏屈すぎる。もう少し、柔軟になれ」

そのまま、彼は歩き出す。
黒子も部室に向かわなければならないので、行く先は同じだ。
それ以上言葉を聞きたくない気がしたけれど、彼に背くわけにはいかない。

「大輝は仕方ないよ」
「……キミは、諦めろって言うんですか」
「そういうものだ」

声はあくまで淡々としている。

「強すぎる力を持った者は、えてしてそういうものだよ」

黒子は、黙らざるを得ない。
わからない世界だ。
決して。

「放っておけばいい。お前はお前のバスケをすればいい。それ以外に、何を望む?」

彼は、振り向いた。
黒子は黙る。
ただ、黙る。

諦めたくないんだ。
浮かんだ言葉を、口にできず、呑み込んだ。

諦めれば楽なのだ。
何もかもそうだと知っているけれど。

「お前と大輝は、もう道を違えてしまったんだよ」

いやだ。
浮かんだ言葉を口にできなかった。
同意しているわけではない。

認めたくない。

それなのにそうかもしれないと思ってしまう。
それがとても恐ろしかった。
足が止まったまま、動かない。
笑ったままの赤司に強く手を引かれて、無理やり歩を進めさせられた。

「お前は僕の言うとおりにしていればいい」

絶望的な宣告。

けれどそれに逆らう以外の道を黒子は知らなかった。

彼の言う通りにして居場所を得た。
今更それを失うことは考えられなくて。

ただ、彼の示すままに、行く。

それはさながら、操り人形の、如く。





 

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