[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
部活中に倒れ保健室に連行されたその体は、今は部室のベンチに横たわっている。
戻っているということは、少しは良くなったということなのだろうけど。
顔色は相変わらず悪い。
起きていられないのなら戻ってくるなと言いたい。
しかも、こんなときまで生真面目に、ボタンを一番上まで止めていて。
汗ばんだ、苦しげな寝顔に。
楽にしてやりたくて、手を伸ばす。
けれど他人のボタンというのは外しにくい。
起こしてしまうのは悪い気がしたし、首を絞めないように注意して、なんとか外す。
けれど難しいのは一番上で、その後は簡単に外せてしまう。
そのまま勢いで4つ目まで外して、いやここまで開けることはないなと思い直す。
4つ目を閉じて、骨の浮き出た薄い身体に眼を止める。
こんな身体じゃスクリーンで吹っ飛ばされるのも無理はねえよなと思う。
そうやって見下ろしてたらドアが開いた。
「…うわー、襲ってるー」
「は?」
わけがわからん。
「ごめーん、もう少し遅く来ればよかった?」
「あ?」
「だって襲ってたんだよね?」
「……。っ襲ってねぇよ!!」
何を言ってるんだコイツは。
「えーだって脱がして他に何すんの」
「襟緩めただけだ!!」
「ふーん?でもなんかさー、汗ばんでるし、えろいよね」
こっちに歩いてきて、開かれた胸元に手を伸ばす。
べしっ。
何となくそれは許しちゃいけない気がして打ち払ってしまった。
「…自分はいいのに?」
「…いや、触ってはいねーし」
「でも触りそうじゃなかった?さっき」
「…触んねーよ」
「へー」
そうこうしてたらまたドアが開いた。
入ってきたのは黄瀬。
こっちを見るなり驚いた顔して固まった。
「…なんで二人とも見詰め合ってんスか?」
「見つめ合ってねーよ!」
「ってか黒子っち!?なんでこんなあられもないカッコしてんスか!!」
「あーこれ峰ちんが襲ったから」
「襲った!?!?」
「違うっつってんだろアホ!!」
「次から鍵閉めなよ?」
「やらねーよ!!」
なんで馬鹿しかいねーんだここは。
「…で、黒子っちは大丈夫なんスか…?」
「言っとくがなんもしてねーぞ」
「なんか顔色悪いッスけど」
「部活中に倒れたろーが知ってるだろ!!」
「いや知ってるッスけど!!なんか怪しいじゃないッスか!!」
「何も怪しくねーよ!オマエじゃねーんだから!!」
あーなんでこんな無駄な話してんだ。
ため息をついて脇を見れば、テツの眼が開いている。
驚いた。
「………起きてんのか」
「…おはようございます」
「あっ黒子っち!!大丈夫ッスか?倒れるまで無理しちゃダメッスよ~」
「だいじょーぶ?峰ちんに変なことされてない?」
「…なんで変なことされるんですか?」
「知らねーよ何かそーゆー話になってんだ」
「はぁ…」
テツは首を傾げる。
オレだって知らねーよ。
「つーか大丈夫?って!ねぇ!」
「あ、すいません。…もう、平気ですよ」
「平気そうに見えねーよ」
「ホント、無理しないでね」
「…すみません。善処します」
「おー」
テツが起き上がって、開いた胸元に気付いて少し動きを止める。
ボタンを閉めるために伸ばされた手が異様に艶めかしく感じたのは、きっと、気のせいだと思うことにした。
<< ◇スイッチ 黄黒 | HOME | オマエがいないと 青→黒 >> |