[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
「よう緑間。テツの新技すげーぞ!」
「…いきなりなんなのだよ」
「言った通りだって!開発に付き合ってたんだけどさ、ありゃすげーわ!ま、多分まだ他の奴には使えないけどな!」
楽しそうに、優越感たっぷりに語られたその技は、まだまだ開発段階にあるらしく、邪魔にならないようバスケ部用の体育館を使うことなく行われているようだった。
通常の練習が終わり、自主練の時間になると黒子が消え、適宜、紫原や青峰が呼び出されていく。
それは恐らく赤司によって統率されているのだろうし、自分の時間が邪魔されないことは有難かった。
だが、釈然としないところもある。
何故他の奴らばかりが呼ばれて、オレは呼ばれないのかと。
人にはそれぞれ役割があり、その分を超えたことをするのは愚かとしか言いようがない。
だから必要がないのなら敢えて参加する必要はないはずだった。
それなのになぜこんなに蟠っているのだろうか。
そうこうしているうちに、実戦練習にそれが導入されるようになった。
加速させるパス、通称イグナイトパス。
掌底で殴りつけることにより、味方ですらとるのを躊躇するような速度のパスとなる。
取る方の反射神経如何では、取れないどころか怪我にも繋がりかねない。
硬く重量のあるバスケボールでは尚更。
そしてそれは送り出す黒子の手にも相応の負荷がかかることを示している。
黒子の右手首にはテーピングが厳重に施され、練習でもそれほど多くは打てないようだった。
だからこそ限られたメンバーにしかパスは送られない。
もともと黒子はパスに特化した選手で、ボールの軌道を計算するのが格段に上手い。
その黒子だからこそ相手を選んでの加速パスが可能になる。
それでも、軌道が未だ定まらず、取る方が苦労するようなパスしか送れていないのだから。
「…大丈夫か」
テーピングを外し、コールドスプレーを使った後に湿布を重ねる黒子に、思わず、そう声をかけた。
黒子は少し驚いた様子で振り返る。
当たり前だ、普段、こんな会話をすることなどないのだから。
「…大事を取っているだけですから。まだ、痛めてはいないです」
「痛めてからでは遅いからな」
「はい」
切ないほど細い手首は、酷使され、赤く変色している。
凝視していれば、さっと隠されてしまった。
心配されたくないとでもいうのだろうか。
日頃から無理ばかりしていて、何を言うのか。
「随分と、練習しているようだな」
「…そうですね、実戦にすぐに入れるのは危険だということで、そうなりました」
「大変か」
「…力のコントロールが少し。ちゃんと集中すれば平気ですけど」
「それで、倒れるようなことになるなよ」
「気を付けてます」
信用できるものか。
ため息をつけば、落ちた沈黙の中でそれは、存外に重く響いた。
「…あの」
「…なんだ」
「…何か、怒ってませんか」
いつもなら、声をかけたりしない、ということだろうか。
本当は原因はわかっている。
けれど、それを口にするのは癪だ。
別に近くなりたいと望んでいるわけではないし、青峰のように、相棒になりたいわけでもないのに。
「怒ってなどいない」
「…そう、ですか」
再び訪れた沈黙は、纏わりつくようで、酷く不快だった。
黒子はそれを誤魔化すように、緩慢に手当の作業に戻った。
湿布とテープ。
左手でぎこちなく巻かれていく。
なんて不器用なのか。
これから運動するのであればそんなので持つわけがないと叱り飛ばしてやりたくなる。
だが、もう家に帰る予定しか残していないなら、文句を言う筋合いはなかった。
「…あ」
「…どうした」
「…多分、赤司君からも言われると思いますけど、もう少ししたら、個人練習に付き合ってもらうことになるかもしれません」
「…今更?」
口に出して、しまったと思った。
これでは、意識していたことがばればれではないか。
だが黒子は、持ち前の鈍感さでそれをあっさり流して見せた。
「大分、加減ができるようになったので」
「…最後の調整というわけか」
選手としてなら有難い。
自分の時間を削られることなく、完成したものだけを受け取れるのだから。
しかし釈然としない。
1人だけ蚊帳の外に置かれている。
まるで必要などないかのように。
最近の練習でもそのパスのためにオレにパスは回されていなかった。
回されないなら取りに行けばいい。
それはまったく難しくない。
けれど。
腹が立つ。
不本意だが、仕方がない。
「…本当は、まだ、やりたくなかったんですけど」
「何?」
そこまで、オレが嫌いか。
睨みつけたが、生憎と、向こうはこちらを見ていない。
思わず歩み寄って腕を掴みこっちを向かせた。
驚いた眼がオレを見る。
「そんなにオレと練習するのが気に食わんか」
「…え?」
何を言われているのか、わからない様子で、返される。
それに余計苛立った。
「別にパスをしたくないならそれでも構わんさ」
吐き捨てて、手を離す。
この場にいたくない。
荷物を乱暴に取って、出口へ向かう。
「っちょ、ちょっと待ってください!!」
止まるつもりなくドアに手をかければ、制服の裾を掴まれた。
鬱陶しくて振り払うと、掴んだ手が右手だったらしく、黒子は顔を歪めて手首を押さえた。
こんな時だけよく見えてしまうのはなぜなのだろう。
居心地の悪さは変わらないが、おいていくことも、うかつにできなくなる。
それでも、謝罪の言葉は出てこない。
「…言い方が、悪かったです」
「別にそんなこと気にしていない」
「あのパスは、失敗すると怪我をさせるかもしれないので」
黒子は俯いている。
それでも言葉を探して、早口で、弁明を続けた。
「緑間君は眼鏡ですし、それに、シュートに影響を出してしまうかもしれなかったので」
「……それで、オレを呼ばなかったのか」
「はい。キミが、練習時間を大切にしてることも、知っていたので。…避けているみたいになって、すみませんでした」
ややこしい気の使い方に、やっと気づいた。
そんなことを考えていたのか。
確かに眼鏡にあたれば容易く割れるだろう。
取り損ねた場合でも、突き指を避けることはできても爪に悪影響を出すかもしれなかった。
それでも馬鹿かと思う。
バスケをする以上、それぐらいのことは覚悟しているのに。
そしてみっともない。
自分自信が。
間抜けな勘違いをして、困らせた。
羞恥心と罪悪感で、何も言えなくなる。
「…じゃあ。…お疲れさまでした」
黒子は、少し気まずそうにしていたが、そのまま離れていく。
言うだけ言って満足しているのが憎らしい。
「…手は、大丈夫か」
最初に問うた言葉と、同じような問いを返した。
黒子は振り返り、穏やかな顔で手を振った。
「平気です。ぶつけたわけではないですし」
「…少し気が立っていた。不躾な言い方をしたな」
「いえ。…完成したら、嫌でも取ってもらうことになるので。…楽しみにしていてください」
そう言って不敵に笑う顔に、少し、安心した。
無理はするなと重ねて、部室を後にする。
もう少し冷静にならなければと、後悔ばかり、浮かんだ。
全て、わかりにくい黒子のせいだと、決めつけられたらよかったのだが。
とにかくすれ違っているのが面白いんだろうなぁと思う次第です。
緑は自覚したら、その思いに対しても人事を尽くしてくれるので大変なことになりそうですけどね。
逃げられないよー。
青黒は絶対的に重なり合ってる部分があって。
黄黒は黄瀬がガンガン距離を詰めてくる。
紫黒はテンションがローなとこがお互い落ち着くんだと思う。
赤黒は…うーん、赤司に甘やかされてていいと思えば黒子は楽できるんじゃないかな!
因みに火黒はお互いに少しずつ距離を縮めていくイメージ。
高黒は黒子が掌の上で踊らされてる感。
木黒は木吉の包容力に黒子がやられてる。
そんな感じ。
コメント頂けて嬉しいですvv
黒総受けいいですよね!とりあえず黒子が愛されていれば満足だったりします(笑)
緑黒も大好きですよ!
実は一番書きやすいので、自重しているのでした。
不器用な人たちって可愛いですよね。
キセキで映画気に入ってもらえましたか!
ちょっといらない会話多すぎたかとも思ってたのでよかったです♪
絶対皆黄瀬に遠慮しないですよね(笑)
黄瀬君可哀相…(笑)
更新頻度ちょっと高すぎですよね^^;
でも喜んで頂けて嬉しいです!
ネタが思いつくと一気に書き切ってしまうことが多いので、ストックが凄いことになってます(笑)
毎日とか!ありがとうございます、幸せですv
とりあえずしばらくは毎日更新続くと思うので、楽しんでいただけたらと思います!
夏バテはちょっとやばげですね…。
アイスとか食べ過ぎないように頑張ります!
コメント、本当にありがとうございました!
またお気に召した話ありましたら、気軽に声かけてやってくださいねv
<< 理由があるから 月+黒 | HOME | 何の価値もありません 赤黒 >> |