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黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
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後ろから首に腕が回された。
後頭部に、柔らかなシャツと、平たい胸の熱が伝わる。
なんだこれは。


抱え込まれている。
小さな体でそれをするものだから、酷く狭くて、近くて、くらくらした。

「…おい」
「……はい」

微かな声音が、妙に耳に残る。
いい匂いがして。
身体が震えた。

とにもかくにも近すぎる!

「…狭い」

出てきたのはそんな文句で。
もっと別のことを言いたかったような気もするのだが。
混乱して、適切な言葉が出てこなかった。

英語ならもっと気軽に簡単に茶化せる気がしたのに。


腕が緩んだと思ったら、肩に衝撃がきた。
腕は残したまま、凭れ掛かることに決めたらしい。
首に触れる髪の感触が、むず痒くて。

「…オマエ、人の話聞く気ねぇな」
「…すみません」

こいつの自分勝手な行動は今に始まったことではなかったし、かかってる力なんてほんとに微々たるものだから、振り払うことも簡単にできるのだけど。
やめておいた。
少し気になるし動けないが、まあ、あえてどけさせるほどでもない。

ペットがいる感覚とはこんなものだろうか。
ふと考えて、何を考えてるんだと思った。
現実逃避して、どうする。

「…手がだるいです」
「なら下せばいいじゃねーか…」
「ボクがずり落ちます」
「…ならこっち来いよ」
「…そう言われていくのはなんだか負けな気がします」
「何でだよ…」

わけわかんねー。

半ば呆れながら腕を掴んで引っ張りよせる。
膝に頭を乗せてやると、こっちをまっすぐに見つめてきた。
べしっと手荒く目隠しをすれば、不服そうに寝返りを打たれた。

でもそれ以上は抵抗する様子を見せなかったからまあこれでいんだと思った。


相変わらずよくわからないことだらけだったが、心地悪くないんだから別にいい。


こいつがしたいことをやめさせる理由もなかった。




 

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