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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
(モブX黒えろ有。無理やりです。苦手な方は要注意)
何か、様子がおかしい。
そう思いながらも、何がおかしいのか、具体的に感じ取ることができなかった。
それが、悲劇を招いたのだろうか。
その時様子の可笑しさに気付いていたら、あんな目には、遭わずに、済んだだろうか。
「どうした、テツヤ」
「…赤司君」
「なにか、落ち着かないように見える」
「……いえ。何でも、ないんです」
「そうか。なら、いいんだが」
「はい」
「体調が悪いんだったら早めに言えよ?」
「はい。大丈夫です」
身体の不調とでも誤解してとっとと帰っていればよかったのだ。
そうすれば。
そうすればちゃんと逃げられたのに。
自主練を終えて、辺りがすっかり暗くなって。
片づけをしていたところを先輩に呼ばれた。
色々と因縁をつけ、文句を重ねてきた先輩だったが、黒子は、素直にそれに従う。
従わないことで、さらに悪い結果になることを懸念して。
しかし連れ込まれたのは薄暗い用具倉庫で。
助けなんか呼ぶこともできないような場所で。
殴られ、蹴られた。
いつも生意気なんだと、バスケ部に存在していることが間違いだと。
厚顔無恥にも程があると。
痛くて、つらくて、惨めだ。
早く諦めてくれればいいのにと思う。
いつまでこんな懲りないことを繰り返すつもりなのか。
けれどそれだけならばまだましだったのだ。
部を辞めろと、かけられる圧迫に、無言を返す。
辞めるつもりなどないのだから。
「…やっぱ、辞める気ねぇみたいだな」
「殴っても言うこと聞かないんじゃ、もうしょうがねぇよな」
やめてくれるのかと、それを期待したが、首を引かれ、猿轡を噛まされた。
「っーー!?!?」
そして乱暴にズボンをはぎ取られ。
暴れようとするが、身体は抑えつけられていて動かない。
こんなやり方では敵わない。
血の気が引く黒子の鳩尾を殴って、強制的に四つん這いにさせる。
「オイ、入んのかよ」
「ちょっと慣らさねーと無理じゃね?」
「アイツらオトモダチごっこしてるだけみてーだしな」
後ろに、乱暴に指がねじ込まれる。
「っー!?!?」
声にならない悲鳴が、更にくぐもって響いた。
暴れようとする身体は蹴られ、押さえつけられ、抵抗の余地を残されない。
でもその痛みよりも、何より、むりやり、そんなところをいじられている苦痛と恐怖、嫌悪が、黒子の心をえぐる。
「あばれんなよ。オレだってこんなきたねーとこに指なんか突っ込みたくねーし」
「オマエがバスケ部辞めるってんならやめてやってもいいけどな」
それだけは嫌で、首を振る。
「ったく分からず屋だな」
「いーぜ、言うこと聞かざるを得ないようにしてやるからさ」
「ん!!んんん!!!」
「ははっ!何言ってんのかわかんねぇ!!」
乱暴に指をねじ込んで、解して。
「そろそろいーんじゃね?」
「ちゃんと押さえてろよ」
男のそれをあてがわれ、ねじ込まれる。
「っーーーーー!!!」
激痛に、黒子は喚くが、それが何か意味を持つことなどない。
むしろ加害者の嗜虐心を逆なで、場を悪化させるだけ。
暴れれば蹴られ頭を押し付けられる。
無理やり押し入れられ、抜き差しを繰り返されて。
黒子のそれは耐えきれず裂けて血を流し。
その行為に勿論快楽なんて伴わなくて、黒子のそれはなえたまま。
苦痛に必死で耐えるが、それでも生理的な涙が堪えられない。
泣いてやがると笑われて、中で精を吐き出される。
それでも行為は終わらない。
加害者を代えて、ただ続けられるだけだ。
次第に痛みには慣れていくものの、気持ちが悪くて、早く終わってくれと、黒子はただ懇願する。
こんなことになるなんて。
ただ耐えて、悲鳴にもならない声を吐き続けて。
いつの間にか、気を失っていた。
次に黒子が目を覚ましたのは、見知らぬベッドの上だった。
何が起こったのか理解できず、辺りを見回す。
整頓された、無機質な部屋。
ここがどこだかわからない。
体のあちこちが痛い。
何より、下半身が。
その瞬間起こったことを思い起こして黒子はばっと身体を引き寄せた。
それにも苦痛が伴って、その為か、何のせいかもよくわからない涙が、ただ溢れる。
その瞬間扉が開いた。
恐怖と共にそちらを見ると、赤い髪の見慣れた姿が立っていた。
赤司君、と、声に出そうとして、声にならなかった。
喉は、凍り付いてしまったかのようだった。
「気がついたのか」
赤司は扉を閉めて、黒子に歩み寄る。
片手には水の入ったコップ。
ベッドに腰掛けると、飲めと、いってよこす。
黒子はそれを震える手で受け取った。
一口だけ、飲んだ。
口の中に広がっていた嫌な血の味が引いていく。
けれど少し沁みて、黒子は眼を閉じて、それをやり過ごした。
それ以上飲まないことを見て取って、赤司がコップを取り、タオルで、溢れた涙を拭ってくれる。
「すまない」
何に謝罪しているのかわからなくて、黒子は赤司を見上げた。
赤司は、痛々しいものを見る目つきで、黒子を見ている。
「気付いてやれなかった。……何があったか、覚えているか?」
黒子の体が震えた。
俯いて身を寄せる黒子を、赤司は強く抱きしめた。
「悪かった。聞かない方がよかったな」
黒子は泣く。
涙を止めることができない。
何と言っていいのかわからない。
恐かった。
気持ち悪かった。
耐えられない。
許せない。
身体の震えが止まらない。
「何か胸騒ぎがして、僕が行った時には、もうお前しかいなかった。身体やなんかは勝手に洗わせてもらったよ」
そう言われて、黒子は、自分がきちんと清められていることに今更気づく。
少しだけサイズの大きな寝巻を着せられている。
恐らくは、赤司のもの。
「怪我は一応手当をした。勝手に、すまなかったね」
謝られて、黒子は、首を横に振った。
赤司は何も悪くはない。
むしろ、見なくてよかった。
そしたらもう立ち直れなかったんじゃないか。
そんな風に思う。
ただでさえ今の震えも涙も止まらないのに。
「犯人の、当たりはついている」
そうして告げられた名前に、黒子は、もう何も言う余力はなく、頷いた。
いつもなら何もなかったと言えた。
自分で何とかすると言えただろう。
けれどもう無理だ。
もう抗う余力も何にもなくて、黒子はただ泣いた。
「わかった。もういい。アイツらには、部活をやめてもらう」
「…でも」
「何も言わなくていい。元々それとなく様子はわかってたんだ。行動が遅れた。すまない」
赤司は、優しく、黒子の背を撫でる。
蹴られた傷を労るようにそっと。
その優しさが、余計黒子の涙を誘った。
繊細な手つきはアイツらとはまったく異なっていて、それが、酷く黒子を安心させた。
「あんな奴らに部にいる資格はない。大丈夫。二度と会わないようにするよ」
酷く頼もしくて、黒子は、ただ、頷いた。
最初から彼を縋っていればよかった。
そんな思いすら浮かぶ。
「暫く、動けそうにないだろう?家には連絡を入れておいたから、今日は家に泊まっていけ」
「…すみません」
「悪いのは、僕だ」
「…キミのせいじゃ、ありません」
黒子がそう言うと、赤司は、少し悲しそうに笑って、黒子の髪を優しく撫でた。
「学校も明日は…もう今日だけどね、休んでいい。今日で、全部終わらせるから」
赤司の声は確信に満ちていて、不思議に頼もしい。
黒子は素直に身体を赤司に任せた。
眼を閉じる。
赤司はそんな黒子を、優しく、抱きしめる。
「しばらくは無理しなくていい。怪我も、きっと目立つだろうからね。ちゃんと治って、できると思ったら、おいで。勉強は、僕が責任もって教えるから」
黒子は、頷く。
優しい。
どこまでも優しくて、落ち着く。
「部活は、続けてくれるか?」
赤司がそう言ったので、黒子は腕を緩めるよう少し暴れて、赤司を見た。
「続けるに決まってるでしょう」
それがボクの生きる理由なのだから。
その為に、こんな、屈辱だって、耐えた。
「よかった。嬉しいよ」
それだけで無駄ではなかったと思える。
黒子は心から安心して、息をついた。
赤司はそれを愛しそうに見下ろして、もう一度、抱きしめた。
「そろそろ寝ようか。お前も、ちゃんと休んだ方がいい」
「……赤司君は、どこで寝るんですか?」
「リビングのソファでも使うよ」
「……ここに、いてくれませんか」
黒子は、馬鹿なことだとは思うけれど、そう願った。
「…いいのか」
赤司の声は、落ち着いて、静かだ。
「はい。そうしてください」
1人だと眠れそうになかった。
恐くて。
何も考えたくない。
「そうか。じゃあ、一緒に寝よう」
赤司は黒子の身体を離して、笑う。
黒子は、頷いて、くしゃくしゃにしてしまった布団をそっと伸ばしにかかる。
それを見ながら赤司は電気を消して。
黒子の横にもぐりこむ。
そっとすり寄ってきた黒子に腕を回して。
赤司は黒子が眠れるだろうかと心配したが、疲れもあって、すぐに眠りに落ちたので少し安心する。
泣きすぎて腫れた目元をそっと撫でて、抱き寄せた。
そして笑った。
全て、上手くいった。
どうしてこんなにも世界は自分の思うままに動いてくれるのだろうか。
おかしくて、おかしくて仕方がない。
本当は。
本当は、赤司は全部、知っていた。
黒子が先輩に呼び出されたことも。
その目的が、黒子を潰すことだということも。
殴る蹴るでは効果がないことを理解した彼らが、性的に、黒子を辱めるつもりだということも。
それでも赤司は何もしなかった。
黒子を、助けるようなことは、何も。
いつも通りに練習を切り上げて、帰ったように見せかけた。
そして黒子が用具倉庫に引っ張り込まれ。
抱かれるのを、ただ、聞いていた。
猿轡を噛まされ、くぐもった声を。
わずかな悲鳴を。
下衆どもの声を。
黒子が気を失って、声が漏れることもなくなる、その時まで。
そうなってからようやく、赤司は行動を開始した。
普段、偵察用に使われるカメラを持って。
黒子が気を失って尚、行為を続けている馬鹿どもの元へ、向かった。
カシャ。
「っ!?」
「なっ!!」
「見つけましたよ、センパイ」
「!!」
「赤司…」
「何をしているのか、なんて、聞かなくてもわかりますね」
「……」
「そんなにテツヤが好きだったとは、知りませんでしたよ。言ってくれれば、少しは、気を使って差し上げてもよかったんですけど」
「…赤司」
「なんですか」
「頼む。黙っててくれ!!」
先輩の一人が土下座するように頭を下げると、周囲も、つられるように土下座した。
汚れた床に這い蹲って、懇願する。
よっぽど焦っているのか下半身はむき出しだ。
なんという無様な光景。
「お願いだ!」
「頼む!!」
「オマエならオレらの気持ちわかってくれるだろ!?」
「…そうですね。見逃してあげても、いいですよ」
赤司の声は、嫋やかで、優しい。
この場には不釣り合いなほどに。
「赤司…!!」
「ただし、貴方方はバスケ部を辞めてくださいね」
「な…っ!?」
「そんな、それはないだろう!!」
「お願いだ、オレ達がバスケが好きだってことぐらい、」
「許さないよ」
赤司は、優雅な笑みすら浮かべて彼らを見下した。
「お前達は僕の大事な駒を傷つけた。それだけで万死に値する」
「こんな奴に何の価値があるんだ!!」
「どうしてオレ達が辞めなくちゃならない!?コイツがでしゃばるのが悪いだろ!?」
「別に構わないけどね。この写真を公開しても」
「!?」
「どこに送ろうか。学校と、家族と、教育委員会?掲示板に張るっていうのも悪くないかもしれないね」
「オマエ…っ!?」
「ふざけんな!!」
余りの怒りに我慢できなくなった1人が、赤司に飛びかかる。
赤司はあっさりよけて、腹に蹴りを入れてやった。
「ぐはっ…!」
「馬鹿だね。殺されたいの?」
赤司は笑っている。
声はどこまでも冷酷だ。
「お前達が2度とバスケ部に関わらないのなら、黙って逃がしてやるよ。それ以外なら、お前達には社会的に死んでもらう」
くすくすと赤司は笑った。
彼らの取るべき道は一つしかなかった。
「逃げ道が用意してもらえるだけ有難いと思うんだね。本当はお前達には心から死んでもらいたいんだけど」
そうして彼らは代償の重さを思い知るのだった。
「警察に行く?無理だね、だって加害者はどう見てもお前達だもの」
赤司は、カメラを、弄ぶ。
「誰も助けてはくれないよ。それだけのことをお前達はした。許されるなんて思っていたのか?救いようもない馬鹿だね」
その眼にこもるのは、あらゆる負の感情。
「こんなことをしたお前達を助けてくれる機関なんてどこにもないよ」
赤司は告げる。
鬱陶しい羽虫を、踏みつぶすように爽快に。
「逃がしてもらえるだけ感謝しろ。人間の屑が。とっとと死ねよ」
こんな奴らにもう用はなかった。
全ては黒子を自分の元へと縛り付けるためのこと。
余りにもうまく行き過ぎて笑ってしまいそうだった。
ごめんねテツヤ。
でも大丈夫。
僕の傍にいれば、もう何も怖いことなんてないよ。
死ぬまで大事にしてあげる。
そう。
最期までずっと。


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