「ティッシュ使うか」
「…すみません」
「赤ちん用意いーね」
「街頭で配ってたんだ」
「ふーん、あーゆーの貰う人？」
「使えるものならな」

「わかるッス、ホッカイロとか入ってたら、いらなくても貰っちゃったりしちゃうッスよね！」
「チラシだけとかふざけてるのはわかるよ」
「そう言うな。配ってる方も大変なんだぞ？」
「仕事なら仕方なかろう」
「でも、冷たくあしらう人とかいますからね」
「緑間っちとかもろそのタイプじゃないッスか！」

「よほど急いでいる時でもない限り文句は言わんさ」
「まあ、お前らに渡す奴は中々勇気があるよな」
「やっぱりサイズ的に問題がありますよね」
「でも、黒子っちももらえないよね？」
「渡せる人いたらむしろ凄くない？」
「…はい、貰えませんけど？」

「テツヤ、それやるよ。ボクはまたもらえるしね」
「……凄く同情されてるみたいで嫌なんですけど」
「同情じゃん」
「でもティッシュでも買うとやっぱりもったいないだろう？」
「配られているポケットティッシュは紙質が悪い奴が多いぞ。よくかむなら高級な奴にしておけ」
「そこまで気にすることなくないッスか？」
「それはオマエがバカで風邪をひかんからだ」
「ヒドッ！！」
「でもミドチンもあんまひかないじゃん」
「オレは体調管理ができているからだ」
「屁理屈…」

「風邪ひくのにも慣れてくるとポケットティッシュじゃ足りないから箱持ってきたくなりますよね」
「ああ、そういう奴いるな」
「ある種男前ッスよね」
「それにポケットティッシュはすぐぐちゃぐちゃになるので」
「あーわかるッス！袋から出るともう使いたくなくなるよね！」
「勿体ないですけどね」
「ポケットは結構埃が溜まるしなぁ」
「ティッシュケースでも買え」

「まーでももらえるから意外と消耗品だし？」
「欲しくなったら大通歩けばいーからね」
「配る方も大変だからな。くれって言ったらくれるだろう」
「そんなに欲しいのかって思われても正直微妙ッスけどね」

「でもキミに話しかけられたら女性は嬉しいんじゃないですか」
「美形は得だな」
「いやーそれほどでもあるッスけど」
「死になよ」
「ヒドッ！！」