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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
10月31日。
日本にも少しばかり浸透してきた行事の、当日のこと。
今日は学校側の行事のため、体育館が一時使用できなくなっている。
その為、いつもより練習が遅れて開始することになった。
外で基礎練をすればいいという意見もあったが、監督と赤司の意見にはそぐわなかったらしい。
その為、放課後の時間を、普通の生徒たちのように、のんびり過ごさなくてはならなくなった。
黒子は別段することもなく、部室に移動して、隅でただ本を読み、時間を過ごそうとした。
だが誰もいなかった部室に、黒子の後すぐ、入ってきた輩がいた。
「…青峰君」
「よ。はえーな、もう来たのかよ」
「他に、することがないので」
「寂しーヤツ」
「ほっといてください」
青峰は笑いながら、黒子に近寄ってきた。
「な、暇ならちょっと遊ばね?」
「…何して遊ぶんですか?」
「いいから。着替えろよ」
「…はぁ」
戸惑いつつも、青峰の欲求が突然なことは今に始まったことではないので、黒子は制服に手をかけた。
しかし、妙に見られている気がして、何度か、青峰を振り返る。
「何ですか?」
「何でもねーって。早くしろよ」
仕方なくそのまま着替えていく。
下着姿になった時、青峰が、動いた。
「!?」
黒子の手から着替えを奪って、ついでに丁寧に畳まれた黒子の制服も、取り上げてしまう。
「ちょっ…何するんですか!?」
「ほら着替え」
「は?」
ばさっと投げてよこされた手提げかばんを反射的に受け取る。
その隙に青峰はさっさと部室を出て行って。
黒子が慌てて追いかけると同時に、扉が閉められらた。
「青峰君!?」
「返してほしかったらそれ来て探しに来いよ!」
「はぁ!?」
袋を開くと、中に入っていたのは、女生徒の服。
「っちょ…!?」
「それかそれで帰れよ。じゃーな!」
「ちょっと!!青峰君!!」
遠ざかる足音。
一体何のつもりだというのか。
いくらなんでも、今のこの格好で外に出るわけにはいくまい。
ブラウスとハーフパンツを合わせて出ると言う方法も考えたが、異様なことには変わりはない。
むしろ女生徒の服の方が、そこら辺にある姿と馴染んでわかるまい。
黒子は散々迷って、結局、制服を着ることを選択した。
慣れない方向にボタンを合わせ、スカートに足を通す。
ホックを止めるときに、言いようのない屈辱に見舞われたが、仕方がない。
それにもし人が来てこんなところを見られようものなら、一生の恥だ。
手早く着替えると、飛び出す。
そこへ、ある女生徒が立っていた。
バスケ部のマネージャーの一人。
「あ、似合ってる似合ってる。それじゃ、こっち来て」
「はい?」
「いくらなんでもその髪だとばれちゃうでしょ。ウィッグ被せてあげる」
「……青峰君と、グルなんですね」
「うん。ごめん、ちょっと面白そうだったから」
彼女は笑って、鞄からかつらを取り出した。
黒髪の、セミロング。
「それに、似合いそうだったしね~」
「……そういうの、好きなんですね」
「好きよ。だいじょーぶ!誰にも言わないし、写真撮ったりもしないから!」
「…はぁ…」
彼女の言うままにウィッグを取り付けられ。
その出来はともかく、青峰を探すために黒子はその場を後にしなければならなかった。
慣れない長さの髪をなびかせて。