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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
いつもの1on1を終えて、部室に戻ってきた黄瀬と青峰は、扉を開けて広がっていた光景に驚いて目を見張った。
「よう、お疲れさん」
「っな…!?」
黒子が本を読んでいる。
それは別にいい。
ただ、その膝の上にある姿が非日常なだけで。
赤い頭が、そこにある。
ベンチに寝ころんで、黒子の膝の上でまどろんでいる。
「赤司…なにやってんだオマエ」
「いや、今日はもう上がるつもりだったんだがお前達に連絡することがあったのを思い出してね。待ってたんだ」
「いや、えーっと、なんで黒子っちが膝枕してんスか…?」
「なんか疲れたとか頭痛いとか言うので」
「いやそれウソだろ」
「酷いな、大輝。もう少し部長を敬えよ」
「てゆーか!オレ達来たんだからもういいじゃないッスか!さっさと黒子っちからどいてくださいよ!」
「まだ真太郎が戻ってきてないだろ?」
「じゃあオレちょっと呼んでくるッス!」
「いえ、別にボクは構わないんですけど」
本読んでますし。
黒子はそこそこに落ち着いた様子で言う。
「いや!でも重いっしょ!?」
「そうでもないですよ、上から圧し掛かられるよりはましです」
「う…」
「オマエとか紫原とかうぜーぐらいくっつくからな」
「青峰君もたまにありますけど」
「うっせーな、それぐらい我慢しろよ」
「……」
「そうやって我儘なことばかりしてるからテツヤも素直に膝を貸してくれないんだよ」
「でもキャプテンだってそんなに黒子っちに優しいわけじゃなくないッスか?」
「僕はいいんだよ」
「なんスかそれ!!」
「滅多に構わないしな」
「まーオマエ忙しいしな」
「そうそう。たまにはくつろいでも罰は当たらないだろう?」
「…でもオレにはいい思いしてるようにしか見えないんスけど…」
「羨ましいか?涼太」
「……ちょっとだけ」
「素直だね。いい子だ」
「譲るなよ、赤司」
「それは勿論」
「ヒドッ!!」
「…別にボクの膝なんかに価値はないですけど?」
「いや!そんなことないッス!!」
「…?」
くす。
赤司は笑って、部活着の短パンから覗く黒子の太腿に指を滑らせた。
「!!」
「黒子っち!?」
「っははは!」
「おい何セクハラしてんだ」
「折角だから見せびらかしてやろうと思ってね」
「ヒドイ!!つーか黒子っちに失礼!!」
「…起きてくれますか」
「ん、怒ったか?」
「こういうの、嫌いなので」
「お前はくすぐったがりだからね。仕方ないか」
そう言いながらも、赤司は一向に起きる様子を見せなかった。
そのまま手を持ち上げて、黒子の頬を撫でる。
そして気を休めるように笑うものだから、黒子にはそれが振り払えなくて、硬直してしまう。
「ちょっと!いつまでいちゃついてんスか!!」
黄瀬は黒子の肩を掴んで思いきり後ろに引く。
「いたっ!!」
「黄瀬ェ何やってんだ」
「だって近すぎっしょ!!」
「全く、しょうがないね」
赤司はさっと起き上がると、黒子に向けて笑った。
それが人を食ったいつもの笑みだったので、黒子は少し安心して、肩を竦めると、黄瀬を振り払った。
「黒子っち~…」
「いきなり引っ張らないで下さい。倒れます」
「そんなの!オレがちゃんと受け止めるんで!」
「キミもろとも転んだら大事ですよ」
「オマエごとき受け止めたところでコケねーだろ」
「……」
「悔しかったらもう少し太るといい、テツヤ。怒らないよ」
「…別に、食事制限とかしてるわけでもないんですけどね」
「黒子っちはそのままでもいいと思うッスけどね!」
「オメーの意見は聞いてねーよ」
「ヒドッ!!」
やがて緑間が帰ってきて。
賑やかな部室でのやり取りも終わるだろう。
かつてそこに存在した、ありふれた帝光の日常風景。
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