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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
青峰を探しにと出かけた黒子だったが、行き先も告げられずに失踪されたために、あちらこちらへと奔走する羽目になり。
少々疲れてきたところに、彼を見つけた。
珍しく一人で、のんびりと景色を見ている。
話しかけるべきか否か、黒子はかなり迷ったが、結局、声をかけることにする。
「…黄瀬君」
「…ん?」
振り向いた黄瀬を恥ずかしそうに見上げて、黒子は、告げる。
「trick or treat ?」
黄瀬は暫く目を見開いて黒子を凝視していたが、やがて、小さく息をついて、眼を逸らしがちに話しかける。
「仮装ッスか」
「ボク自らが望んだことじゃないんですけどね」
「え」
「青峰君に着替え持っていかれたんです」
「……青峰っち……」
黄瀬は脱力して呟いた。
なんて馬鹿なことを。
そして、羨ましいことを。
「それで、探すの、手伝ってもらえませんか。流石に、1人ではなかなか見つからなくて」
「そりゃあ勿論!!手伝うッスよ」
意気込んで、頷く。
黒子は、ほっとしたように、息をついた。
「よかった。キミなら、笑ったりしないと思ったので」
「わっオレ、信頼されてるんスね!」
「…そうですね」
「その妙な空白が気になるんスけど」
「気のせいです」
「…でも、結構似合ってるッスよ?」
「冗談じゃないですよ」
黒子は嫌がって眉を寄せた。
けれど黄瀬は、素直に似合っていると思う。
真っ黒な髪は、白い肌と対比して美しかった。
流行りのように、軽々しく加工されていないのが、黒子によく似合うと思う。
成長の余地を残して作られる制服は、黒子の身体にぴったりと沿っている。
ここまで完璧にあっている姿は、中々見られないだろう。
スカートは、程よい長さで、裾上げの為に折られていないためにプリーツが綺麗に揃い。
除く白い足は、上手く靴下に隠されて、男性であるという違和感をほとんど感じさせなかった。
女子にしてはいくらか身長が高いが、すらっとした印象で、けして、悪くはない。
「いや、ホントに」
「…全然、嬉しくないです」
「そっか、ま、そうかもしれないッスね」
「とにかく、探しましょう」
「うん」
黒子に促され、黄瀬は、荷物を肩にかけて準備を整える。
そして、気付いた。
「あ、そーいえば、お菓子渡さないと」
「…それ、状況確認を手早くしてもらうために言っただけなんで、別にいいんですけど」
「いや、まあ、折角のイベントだし」
「…早く探してもらいたいんですけど」
部活にかかってしまったらことですし。
呟く黒子の前に、ポッキーが差し出された。
「はい、これ」
「…準備がいいですね」
「小腹がすいたときの為に、一応ね。じゃ、行こっか!」
「はい」
黒子は、ビニール袋に入れられたそれを受け取る。
それから黄瀬は尋ねた。
「どっちッスか?」
「あっちの方は大体見ました」
「じゃ、こっちね。行こう」
「はい」
そして、2人は走り出す。
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