（１１巻、回想でのキセキその後）


彼らは振り返らなかった。
もう振り返らなかった。
 

振り返ることを期待するのが間違いなのか。

振り返らない彼らが間違っているのか、ボクにはもうわからなかった。



早く終われと思いながら、後ろについていく。



いつからこんなことになったのだろうか。

こんなことを考えるのももう何度目かわからなかった。



何かを待っている。

決定的な何かを。


終焉に向かうその時を。





来ないでほしいと思いながら。





ただそれの繰り返し。






こんなに悲しいのに。

自分でもこんなにぐちゃぐちゃしていて。

人に伝えられる気はしなかった。



伝えても無駄だと思った。



誰も助けることはできない。

ただ振り返ればいいというわけでもないのだから。





答えは簡潔に出ない。





生きているから。



変わり続けていくから。










こんなにも愛していると思うのに。





ボク等はもうきっとわかりあえないだろう。