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黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
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ぼんやりと、しかし確かに赤く変色し、腫れを示している手首から滴る水を、タオルで拭う。



痛めた手首を、流水で洗い流した後の処置。
バスケではよくある怪我だから、選手自身で十分手当が行える。
それほど重大なものではないが、放置して悪化させると後が長い。
それを知っているから、黒子は、黙って適切な処置を受けている。
利き腕が使えないので、自分では上手く処理ができない。

目の前にいるのは、鮮やかな赤い頭の彼。
本来ならこんなことをするはずのない人だが、偶然遭遇してしまい、何の気まぐれかそのまま手当をしてくれている。
ここまで親切なのは逆に不気味で、黒子は為されるがままにされていた。
彼の手つきはよどみなく、救急箱と黒子の手を行き来する。

よく水をふき取ってから、適当な大きさに切り取った湿布を貼る。
独特の臭いが、鼻をついた。

テーピングテープを手に取り、なんの断りもなく黒子の手を適当な角度に傾け、巻いていく。
その手つきからは、十分な知識を持っていることが窺えた。
勿論、そのことについて疑いを持ってなどいないのだが。

「…どうだ」
「…はい、いいみたいです」

黒子は手を引くと、少し傾けて具合を確かめた。
当然だとでも言いたげに赤司は笑んで、道具を救急箱に収め、ロッカーの上に載せる。

「…ありがとうございました」

いつもは賑わいで満ちている部室の中に、こんなに静寂が落ちているのが落ち着かず、黒子は礼を口にした。

「いいさ。オマエが怪我をすると困る」
「…次の試合の計画に、差し支えるからですね」

あえて、冷徹な言葉で、返す。

そういう人だと知っている。

キセキの世代は変人ぞろいだが、その行動理念は極めて単純な場合が多い。
何を考えているのか、何のために行動するのか、想像することは容易かった。
その頭の中の戦略は、到底見透かせそうになかったが。

よくわかっているなとでもいいたげに、赤司は黒子の頭に手を置いた。

黒子がまだ座っているために、高低差がかなりある。
纏う雰囲気のせいで大きく見えがちだが、実際はそれ程身長に差があるわけでもない。

それなのに、この位置関係が正しいと、自然だと、受けいられる何かがある。

「キミがボクに構うのはボクが使い勝手のいい道具だからなんですよね」

赤司が手当てしてくれた手首を見ながら、黒子は言う。

「道具が壊れたら困るから、大切にしてくれてるんですよね」

自分を見ることもできずに、そんな不貞を責めるようなことをいうものだから、おかしくて赤司は笑ってしまった。
黒子がこちらを見る前に、腰を折って腕に抱きこむ。

あやすように、髪をとく。

「本当は、ボクがいなくなってもそれはそれでいいんでしょう」

「…いや?」

赤司は楽しそうにそう返して、黒子の耳に唇を寄せる。
黒子が身を竦ませるのを堪能してから、身体を離す。

嫌らしい笑みだ。
黒子は思う。
腹が立って、イラついて仕方ないのに、認めざるを得ない圧倒的な存在。


かなわない。


最初から、そんなこと諦めている。



絶対不敵なその笑みを見ているのに耐えられなくて、黒子は俯いた。




なんて人を好きになってしまったのか。




この人の言うことに本当のことなど一つもない。

全てが策略で、真実で、嘘。

この人にとって自分はただの駒以外の何物でもないし、それ以上に必要とされることなどあるはずもない。




泣きたかった。




赤司の手が、黒子の頭を撫でる。




それすらも策略なんでしょう?




「行くぞ」

「…はい」




その言葉に逆らうこともできず黒子は立ち上がる。

そして、後ろに続くのだ。




近づきすぎないようにしたいと思っているのに、抜群のタイミングで飴と鞭を使い分けてくるこの男が、憎くて、たまらない。


後ろから刺してやりたいと、思うほどには。





けれど、それと同じぐらい惹きつけられている自分がいるから、そんな行動に移すこともできない。




それすらも彼の計算でコントロールされているのかもしれないというのに。









そのことに気付いてしまっても、全て諦め大人しく、彼の掌で踊るほかないのが、残酷で、ふざけた真実だった。





 

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