[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
憐みの視線を向けるのは間違いだ。
そんなのはこっちの感傷に過ぎないのだから。
向こうはそれに逆に気を使うし、初めから必要としてはいない。
そんなものは的外れだし、何の役にも立たない。
むしろ、邪魔なだけ。
ボクがそれを、最も嫌がるように。
けれど、こういう立場に立ってみると、やはり、どうしていいのかわからなくなる。
憐れむことは、きっと、一番簡単な選択だった。
何も考えずに適切な対応ができる人間というのは、いっそある種の才能を持っているのだろう。
けれどそれを持たない大半の人間は、その時、自分にできる最善を尽くすしかないのだ。
そして。
その最善すら間違っているかもしれないと、考えることが。
「…ん?黒子、どうした?」
にこにこと、いつも笑って、なんでもないように過ごしているこの人は。
一体どれだけすごい人なのだろうと、いつも思う。
他人への配慮を忘れず、つらい状況を耐えて。
立ち向かうことを忘れないで、苦しいことを笑顔でごまかしてしまう。
「…すみません、少し、考え事を」
感情が表情に現れないことが、ありがたい。
こんなことを考えているボクに、どうか気づかないで。
あなたという人を憐れむなんて、そんな資格、ボクにはないのだから。
センパイは、笑っている。
「そうか。でも下手の考え休むに似たりって言うからな。あんまり思いつめないようにしろよ」
がしがしと、頭を撫でられて。
何故だろうか、この人に撫でられるのは、嫌ではなかった。
誰に対しても、こんな態度をとっているせいかもしれない。
先輩だということが、気にならなくさせているのかもしれないし。
それとも、手のひらが、とても大きくて、優しいせいかもしれなかった。
この人がどこまでも優しくて、慎み深いから。
こんなに素直に、この人に尽くしたいと思う。
幸せになってほしいと、こんなに強く。
励ますなんて、ボクには、どうやってもできない。
ともに戦うだけ。
それですら、守られているのかもしれないけれど。
ボクにできるのはただ、それだけ。
分不相応なことは、望まない。
ただ。