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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
(鬱シリーズ第5弾。これで最後です。鬱です。暗いです。相変わらず話は続いておりません)
「緑間君」
呼びかける声が、静かに響いた。
「殺してくれませんか」
「…なんだと?」
意味が分からず、問い返す。
そうせずに、こんな状況を確認できるものがいるものか。
「もう、疲れたんです」
それだけで。
「もう、いいと思うんです」
それだけで?
「ボクには、キミほどの、未来も。何も、ないので」
それだけかと、思うのに、黒子の表情はあまりにも色がなく。
哀れで、庇護を誘うものだった。
願われているのは、それとは反対のことだけれど。
叶えてやりたいと、思ってしまった。
白い頸に手を当てる。
黒子が目を閉じた。
人形のようだ。
ふと思う。
脈がなければ、誰も疑いはすまい。
そう、言い方を変えれば、まるで、死体。
これからすることが、あまりにも当然のことのように思えた。
想像が駆け抜ける。
呼吸を止め、横たわる遺体。
不気味に、残酷なまでに青白い肌。
鬱血し、オレの手の痕跡を紅く残す喉。
弛緩した身体。
徐々に強張っていく、皮膚。
酷く現実味がないのに、容易に脳裏に描かれた。
黒子をなくした世界。
世界は、あまりにも簡単に続いていくだろう。
止まることなどあり得ない。
たった一人、しかも、誰も気づかないような存在が、消えたところで。
当たり前の光景。
ふざけて、笑いあい、他愛もないことを口にして。
そこに黒子がいないことなど。
オレですら、忘れるかもしれない。
殺したオレですら、そこにいなかったことに気付かなくなるかもしれない。
それだけで簡単に痕跡すらなかったように消えてしまうのか。
恐ろしい。
背筋を汗が伝った。
耐えられない。
殺せない。
オレには、殺せない。
それは、責任の重さゆえか。
オレの肩に全てがかかっているからか。
ひとりの無辜の人間の命を、存在を奪うということ。
死刑執行人の苦しみか。
それとも、永遠の喪失を、覚悟できないからだろうか。
失いたくないのか。
それほどまでに大切だったのか。
わからないのに。
手を、放した。
それだけの作業に、酷く疲れていた。
たった、それだけのことで。
「何故死ぬ必要がある」
問うた。
今更だ。
手を伸ばしておいて言う言葉ではない。
一度は無条件で引き受けていながら。
勝手に止めて、聞きもしなかった理由を聞き出そうとするなんて、なんて、愚かなこと。
「死ぬ必要などないだろう。オマエにはまだできることがあるはずだ」
こんなありきたりな言葉などだれが必要としているのか。
わかっているのに、力のある言葉など、何もない。
全てが仮初の意味しか持たない。
「死ぬには、まだ早すぎる」
なんて、罪深い。
向き合うことも、考えることも、放棄して。
「…同い年のセリフとは思えませんよ、それ」
黒子の口角が、少し上がっていて。
ああ、大丈夫か、と、思った。
この場を乗り切れたことで、ほっとした。
同時に、自分が何の言葉も持たないことに、ぞっとする。
目の前で黒子が本気でそれをしようとしたならば、オレに止める術はないのだ。
それを察したように、黒子が愉しそうな声音で重ねてくる。
「 い く じ な し 」
黒子の目は、笑っていなかった。
黒子がどこまで見通しているのか。
どこまで覚悟した上でオレに頼んだのか。
考えが、至らない、届かない。
救うことなどできないし、どこにいるのかすら、わかってはいないのだ。
愕然と、した。
笑っている黒子に。
オレは、返す言葉を持たなかった。
なんだかんだで、緑間君はキセキの中では一番行動理念が普通なんですよね。
人事を尽くすとか。
限度を知らない点はあるけれど、真摯な感じがする。
問題をもういいやって放り投げてしまえないから、狂いきれない。
黒子もそうですけどね。
黒子は自死に向かうタイプかなーと思います。
緑間は持ってるから捨てられない限りそういう道は歩めないですね。
これで一応、キセキが黒子を殺すシリーズは終わりで。
ちょっと疲れて心がささくれてる時に、原型を1日で書きました(笑)
青と緑が一番書き直ししましたね。
とりあえずシリーズ終わりましたけど明日も鬱の予定。
んで、少しずつ、明るめのものに移行する感じですかね。
まあ適当に書き上げていきます。
少しでもお楽しみいただけたら幸いです^^
確かにこれまでのとは一味違う感じでしたね(汗)
でもとりあえずキセキ4人書いたらじゃーもう1人いっとくか?みたいな感じで続けておきました。
黒子がどう考えてこんなことを仕掛けたのかは、そこまで詳しく決めてないんですよね。
でも、境界線ぎりぎりに立ってその先のことを本気で考えるぐらいのことは、スタンダードでやってると思うんです。
その上での気の迷いなのか、殺されてもいいと思ったのか、覚悟を試しただけなのか、どれでも中々面白いですね。
後、黒子が死ぬことを本気で計画してる話が実は半分くらいは出来上がってるんですよね^^
ただ、長編で初めと終わりしかできてないんですよね(笑)
だから書いてないんですけど、いつかちゃんと書こうと思います。
それまではどうぞ妄想でお楽しみくださいな♪
拍手がいつも力になってますよーv
またおいでくださいまし!
ではでは☆
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