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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
紫原は、ばりばりと音を立ててポテチを摘まみながら、暗くなりかけた校舎を歩いていた。
英語の課題を出さなかったせいで、つい先ほどまで付きっきりで残らされていたのだ。
まったく教師の熱意には恐れ入る。
しかし紫原にそれは全く効果がなかった。
そんな状況に置かれるからと言って、次はやるかといえばやっぱりやらないのだから。
彼本人に言い聞かせるよりも、周りを買収したほうが早い。
特に部内で絶対的な影響力を持つ赤司だ。
教師では介入できない私生活に立ち入って監視ができる。
何より紫原が彼に従順なのだから。
しかしながら何も言われていない状態では、紫原は本当に適当な行動しかしない。
今日も、残らされたのをいいことに部活をそのままサボるつもりだった。
恐らく、これからでも1時間はゆうに練習があるにもかかわらず。
カツン、カツン。
どこかから物音がした。
ノックするような、引っ掻くような音。
騒がしい昼間なら絶対に気に留めないその音に、彼が気付いたのは偶然だった。
全然使われない、何が置かれてるのかわからない資料室の扉を、掃除道具入れのロッカーが塞いでいる。
廊下の掃除道具が入ってるから、結構重いはずだ。
音は、その中から、断続的に続いていた。
もうとっくに、自分で開けるのは諦めたように、慎ましく。
これが助けて~やら何やら叫んでいるのなら放置してもよかったが、その慎ましい態度が興味を引いて、紫原はロッカーに手をかける。
あっさりどかせて扉を開けると、誰もいなかった。
「あれ」
「…紫原君」
声に誘われ下を向けば、其処に、黒子が座り込んでいた。
ただでさえ小さいのに、床に座り込まれれば気付けるわけがない。
「黒ちんじゃん。何してんの」
「…暇を潰してました」
「あっそう。そんなとこに座ってると踏んじゃうよ」
「…以前、躓かれたことがありましたね」
あの時は潰されるかと思いました。
そんな風に返しながら、黒子は立ち上がる。
そして眉を寄せ、胸元に手を当てた。
いつもはきっちりアイロンが当てられ皺のないシャツに皺が寄り、少し、黒ずんでいる。
それを見て、紫原は無遠慮に手を伸ばし、粗雑に指を押し付けた。
「いっ…!!」
「蹴られたの?」
余りにも無頓着な扱いに、黒子は嫌味を込めて彼を睨んだ。
ただ、それが通用しない相手であることは知っている。
「わかってるなら触ることないでしょう。痛いんですから」
「ふーん、大丈夫なの」
「…大丈夫です」
「部活はやめといたほうがいーんじゃない?また蹴られるかもよ」
「…皆が見ている前では何もしてきませんよ」
「あっそう。でもボールが当たるかもよ」
「平気です」
黒子は頑なに言い張って、部屋を出た。
しかし数歩も進まないうちに肩を捕らえられ引っ張り込まれる。
走る胸の痛みに、顔を歪めるしかできない。
「…結構痛そうじゃん。今日やめときなよ」
「うるさいです。っていうかキミこそこんな時間に何してるんですか」
「居残りー。これから帰る」
「…いい加減学習してください。それで部活にちゃんと出てください」
「やだ」
「…即答しないでください。ってゆーか重いです」
回された腕だけでも重いのに、頭まで預けられると、体格差が激しいためにかなり重い。
「だってそれどけて疲れたし。もーどーでもいくない?帰ろ」
「…帰るっていうまで離す気ないですね?」
「そーだね。どうしても無茶したいならひねりつぶしてあげるけど?」
「…遠慮しておきます」
「じゃ、帰ろ。荷物教室?もう閉まってるかな」
「そうかもしれません」
腕が解かれ、緩慢に2人は歩き出す。
自然とペースが合うのは、キセキの中でもこの二人ぐらいだった。
黒子は几帳面に足を動かし、紫原はのんびり、面倒くさそうに歩く。
結果、リーチの差から移動速度はほぼ等しくなった。
他のキセキでは、こうはいかない。
「今日は言うこと聞くんですから、明日は、部活出てくださいね」
「えー。黒ちん明日も休みなよ。どーせそれ1日じゃ治んないでしょ」
「ボクの心配じゃなくて休みたいだけでしょうキミは」
「半々かな」
「…とにかく、明日は出てください」
「まじめんどいんだけど」
「ボクに会って見逃してもらえると思ってたんですか」
「…助けてあげたのに」
「…それについては感謝してますが」
「じゃー家まで運んであげるからそれでよくない?」
「嫌ですよ。そこまで大げさでもないし恥ずかしいです」
「いいじゃん。どーせ黒ちんだってわかんないよ」
「もしわかったら明日黄瀬君とかになんて説明すればいいんですか」
「あー明日絶対うざいと思うよ。だって黒ちん無断欠席珍しいし」
「…やむを得ない事情でしたからね」
「うん。そーだね」
「言わないでくださいね」
「説明するのダルいから言わないよ。…オレはこんなに寛容なのにさー。黒ちんいちいちうるさいよ」
「それはすみませんね」
「ちょっとは反省しなよ」
「いいじゃないですか。どうせキミも変わるつもりはないんでしょうから」
「まーね」
問題解決には至らない会話を繰り返し、帰路につく。
物事を深刻に受け止めないで流す紫原の性質に、黒子は静かに感謝していたものの。
それに甘えて、口に出すことは、しなかった。
なんでしょうね、いきがってる虫ケラに対してその暴力性を発揮する感じですね。
強いか、自分の分をわきまえている人には文句ない、という感じで捉えております。
あるいは、面白いうちはいかしててやるよ、みたいな感じ。
面白くなくなったら、すぐ捨てちゃうというか。
頬り投げて踏み潰して粉々にしちゃう。
とりあえず帝光時代においては問題ないでしょうが。
ここから拍手のお返事を。
とけいさん、どうもこんにちはー^^
昔から考察することが好きだったので、それを最大限に発揮して頑張っております。
自分が読んで楽しめるものを書いてる感じです。
楽しんでいただけたら嬉しいです☆
お体に気を付けてくださいね!
それではまた!
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