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黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
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汚いな。

今の視界をあらわそうとすると、そんな言葉しか出てこなかった。




埃被った床の表面が、目の前にある。
ちゃんと掃除をするよう、もっと徹底する必要がありそうだ。
人数がいるのに、いやいるからこそ、こういうことの管理は難しそうだった。

蹴られ、殴られた身体が酷く重い。

それをやったのは、もう諦めて退部届を出していた人達だった。
だからこの後はもうないだろう。
だからこのことは誰にも言う必要はない。

そのことに少し、ほっとした。


床が冷たくて、熱を持った体にはそれだけが心地よかった。


帰るのがつらい。
歩きたくない。
いろんなことを考えるのが面倒で仕方なくて。

あるはずもない楽な方法を探している。


深い、息をついた。





そんなことをしていたら扉が開けられてしまった。

誰かが来る前にちゃんといなくなるつもりだったのに。


背が高く、ひょろ長い印象を与える人。
緑間君。

目が合ってしまった。

彼は困惑しているのか、黙り込んだまま、動かない。

痛い体を無理やりに動かして、立ち上がる。


「…何があった」


低い声で問われる。

この声は、嫌いではない。
そう思う。
わけのわからない人で、余計な口出しが多くて、絶対に分かり合えないと思うけれど。

それでもこの声は耳にやさしかった。

「たいしたことじゃ、ありません」

そう言って立ち上がる。

痛い。

ふらついた体を掴まれ支えられる。

そこまでされなくても倒れたりはしないのに。
見上げる。
きつい眼差しがボクを見ている。

痛みは治まりつつあって。
所詮ただの打撲に過ぎないのだから、そこまで心配されるようなことでもないのだ。
ほっといても、治るのだから。
うまくすれば、大半の人には気づかれずに。

「大したことあるに決まっているだろう。…相手は」
「…もう、退部届を出した人たちですよ。証拠も、ないです」
「…あまり単独行動をとるなと言っているだろう」
「油断してました」
「…とにかく、保健室へ行くぞ」

「…大事にはしたくないのですが」
「…ならば、家に来い」
「…練習はいいんですか」

サボるなんて、絶対にしたがらない人なのに。
きっと明日は今日の分もたくさん練習することになるだろう。

「そのままほっとくわけにもいかんだろう。オマエに休まれると練習計画が狂う」
「…すみません」
「もう少し気をつけろ。骨でも折られたら洒落にならん」
「…向こうも、気を付けていると思いますよ、それは」

そうなれば、責任を追及されるに決まっている。
どのような形で報復が来るか。
誰であろうと、キセキのこの人たちを怒らせるなんて真似、好き好んでは、しない。

「…黒子」
「わかってますよ。…結局ボクが痛い目にあっても何にも変わりません。
ボクは痛いし、彼らは苦しいままだし、いいことなんて何もないです」
「わかっているなら、自分の身ぐらい守れ」
「…はい」





でも、でも。





そうやってバスケを愛せなくなってしまう彼らの苦しみがボクには少しだけわかる気がするのだ。。





きっと緑間君たちにはわからないだろう。

どうしても敵わない、絶対的な人が、こんなにも集まるなんて。

同世代にとっては不幸以外の何物でもない筈なのだ。


彼らに悪意はないと、彼らだって他者を押しのけてその力を掴み取ったわけではないと。

わかるのに、それでも。

それでも、彼らが周りを不幸にしてしまうのは事実なのだ。



そしてボクは彼らの恩恵を受けて、ここにこうしているわけで。



本来ならあちら側にいた人間として、受けなければならない、罰のようにも、思う。



痛いのは嫌だ。

部活に出られなくなるのも困る。

何よりこんな陰湿な方法、認められたものではない。




それでも、そうして少しでも楽になろうとする彼らの気持ちがわかるような気がするから。

そしてボクが今ここにいることの、免罪符になるような気がするから。




無抵抗と沈黙で自分を守りながら。

叱責を身に浴びるのだった。




卑怯者だと。

本当に、そう思うけれど。






ボクは、弱い。




 

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コメント
 
類似性
何回似たような話を書けば気が済むのか!
まあカプ違うしいいかなーなんて思ったり思わなかったり(笑)
色々思っても我慢してやってくださいな。

なんというか、緑黒を書いていると落ち着きます…
この断崖絶壁感がたまりません。
最近は紫原フィーバーがきてたんですけどね。
可愛い奴です。
12巻を買ったけれどもったいなくて読めない…!!
今度の土日にでもゆっくり読もうと思います。

そしていつもありがとうございます、コウさん^^
キセキって同世代からは絶対よくは思われてないはずだから、そういったことを考えると、黒子に一番とばっちりが行くだろうなぁと思うのでした。
だって他のやつら体格いいですしね…。怖いよ。
しかも黙って耐えてそうなところが更に拍車をかけてるみたいな。

後、ちょっと落ち込んでいるときに書いたので、排他的な感じが出てしまったかもしれませんね(汗)
まあたまにはこういうことを思うこともあったんではと。
人間ですしね。
声には出さないのがポイントですね^^

色々大変そうですね(汗)
5月ですし雨とかも多いしで、気も滅入りやすいと思います。
ご自愛くださいね^^

あと、丁寧に様をつけて読んでくださってますが、そんなたいそうな人間ではないので普通に読んでいただいて大丈夫ですよー。

これからもお楽しみくださいね☆
それでは!
【2011/05/10 22:45】 NAME [静] WEBLINK [] EDIT []
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