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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
部活合間の休憩中、黒子に突然黄瀬が近づいてきた。
何事かと怪訝な顔をする黒子に、黄瀬は不服そうに尋ねた。
「黒子っちと緑間っちが一緒にお昼食べてるってホントなんスか?」
「…そうですけど、」
どうしたんですかと問う言葉は口に出すことができなかった。
「なんでッスか!?」
「…なんでと言われても」
「五月蠅いのだよ、もっと静かに話を進めろ」
「だって、俺、2人は仲悪いと思ってたッス!!」
黄瀬からの言葉に、黒子と緑間は、顔を見合わせる。
そうすると圧倒的な身長差が浮き彫りになって、それがまるで恋人同士のようで黄瀬を苛立たせた。
「別に、仲良くはない」
「嘘ばっかり!!」
「いえ、本当に」
仲良くなれると思ってはいなかったし、その距離を縮めるつもりも特にない。
「じゃあなんで一緒に食べてるんスか?普通、そういう奴と一緒に食べたりしないでしょ?」
「…他に食べる人がいないからです」
黒子があっさりと、一番適切な表現を言いきった。
普通、それを認めることは恥ずかしいことのようにも思えるが、あくまで黒子は平然としている。
緑間は覆す言葉を返すことができず、絶句した。
黄瀬は、少し驚いたが、ならば自分にも踏み込む隙はあるではないかと、思い切って足を踏み出す。
「じゃあ、俺と一緒に食べよう!!」
「別にいいですけど」
「マジで!!」
「!?」
「でも、黄瀬くん、仕事で休むこと多いじゃないですか」
「あ…」
そうなのだ。
最近部活に集中するために授業に仕事を被せることが多くなったため、
午前中学校にいないなど、そういうことはしょっちゅうある。
黒子は携帯電話を持っていないし、突然行けなくなったときに、黒子は置いてけぼりだ。
「別に一人で食べるのは構いませんが、約束してるのに相手が来ないのは不快です」
「う……」
「自分の勝手な都合で相手を振り回すのは感心せんな」
ここぞとばかりに緑間が言い添え、黄瀬は冷や汗を流しながら、ならばと言った。
「じゃ、じゃあ、俺も混ぜてくださいッス!!」
「あ、はい、どうぞ」
黒子はすぐに了承する。
逆に黄瀬があっけにとられたほどだ。
「…いいんスか?」
「元々、来る者は拒まずの姿勢です。皆たまに寄ったりしますよ」
「まあそうだな。別に俺たちも待ち合わせしているわけではないしな」
すっかりここが黒子と緑間の昼食場所と決まってから、仲間と逸れた時や、
暇をつぶしたりする時は、キセキがここに集まるようになっていた。
また緑間がそこにいるだけで威圧感を放っているので、
通行人が極稀に来ても、そこが乗っ取られるようなこともなかった。
すっかりそこは定位置と化している。
「じゃあ、俺もそうするッスね!」
黄瀬は、にこにこ笑いながらそう言った。
黒子はなぜ黄瀬が嬉しそうにしているのかわからないが、とりあえず頷いておく。
「しかし、女子は放っていていいのか?お前が昼休みにいないとなれば文句の一つも言われるだろう」
「いいんスよ。だって、女の子の話ってあんま面白くないし」
「…そういうことは言わないほうがいいと思います」
「そうッスか?誰も聞いてないし、いいじゃないッスか」
「そういう問題ではないだろう」
モテすぎるが故に放てるその台詞。
別に黒子も緑間も特に気にするわけではなかったが、あまり心地よく響くものではない。
特に、女子が聞けば傷つくであろうその台詞は、他人に配慮する黒子には聞き捨てならなかった。
その時、丁度集合の笛が鳴る。
黒子の気分を害したことに気付かない黄瀬は、笑ったまま、
じゃあ、明日行くんで!と言って、立ち上がってそちらへ向かった。
唐突に話があ途切れてしまったが、仕方なく。
2人も当然にそれを追った。
これから、騒がしくなるだろう。
黒子はそう思ったが、それは、別に嫌ではなかった。
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