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黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
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暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
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「拷問には、色々な手段がある」
「…なんですか、いきなり」
「ありきたりな、鞭打つものから、爪を剥がしたり、指の爪の間に針を突っ込んだり、水に浸けて、死なないぎりぎりの程度で呼吸を許したりね」


「苦しみを断続的に与えることは非常に効果的だ。被虐者は、それから何とかして逃れようとせずにはいられない」
「だから、なんですか」
「でも僕は、もっと、見目に美しいものが好みだな」

「血が噴き出して、痛々しくて、執行者や、観衆が、哀れだからやめてくれと訴えるような拷問は、適切ではないのだと思うよ」
「勿論、痛いと叫び悶えるのを見ているのも、悪くはないけどね」
「それは正しくないのだと思う。本来の目的から言うとね」

「地面に、穴を掘らせて、次にそれを埋めさせる。それで、人は十分発狂できるんだよ、テツヤ」
「拘束した状態で、ただ、額に水を一滴落とし続ける、とかね」
「不毛で、繰り返される刺激や、作業は、精神に最も打撃を与えるそうだ」
「そう考えると、大輝に課されているのは拷問の一種なのかな。なんとも哀れだね」

「何が言いたいんですか」

「目を背けたくなるほど残酷であるよりも、傍目にはそれほど恐ろしくない方が、拷問としては美しいと思う。それだけだよ」
「そしてとすると、大輝は、いつか狂う可能性が、僕らの中で最も高いわけだ。心配だね」

「キミは、それを、喜んで見ているくせに」

「ははは」
「同じように、調教するのも、無理やりに、痛みや恐怖を伴わせるのではなくて、本人が気付かないほど、婉曲で、けれど確実に捕らえられていることが望ましいと僕は思う」
「拷問は、本人だけが苦しめばいいものであるのに対し、支配は、本人だけは永遠に気付かなくていいものだからだ」

「自らが望んで傍にいるのだと錯覚させるぐらい、依存させるのが本当のやり方というものだ」
「被支配者は、いっそ愚かなほどに、愚鈍で、率直で、何も疑わないことが望ましい。可哀相だと思えるぐらいにね」
「けれど、本人は気付いていないから、それで幸せなのだろうね。もっと酷いことをされているのに、気付けない」

「これこそ真の支配だと思わないか、テツヤ?」
「…歪んでます」
「そうか。そう言うだろうと思ったよ」

「それで、キミは誰を支配しているんですか」

「…だれだと思う?」
「……」
「お前もかつてはその中にいたのにね」
「…っ!!」
「可哀相に。気付いてしまったから」

「ついて行ってはいけないと知りながら、ついて行かずにはいられない。そういう葛藤も悪くはないけどね」

「人は時として、そうしない方が幸福だとわかっていて、けれどそうせずにはいられないことがある」
「大抵それは優先度合いで決まる」
「最も大事な事柄が優先されて、それ以外のものは、斬り捨てられるんだ」


「お前は、どの結論を選ぶだろうね、テツヤ」


「そういう自分勝手な業も、僕は悪くないと思うよ」
「僕はお前を否定はしない」
「祝福してあげる。ただ、その選択をね」

「…見下しながら?」

「そうやって、何でも疑ってかかるのはお前の悪い癖だな」
「疑わざるを得ないことをする、キミがどうかしてるんでしょう?」
「さあ、どうかな」

「キミだって正常じゃないですよ」
「さあ、正常ってどういうことかな」
「っ揚げ足を取らないでください!」
「だって、よくわからないだろう?誰が正常で、誰が、間違っているのかなんて」


「世界中の人間が、お前を間違っていると言えば、お前は確かに間違っているんだよ、テツヤ」


「この世に絶対不変の真理なんて存在しないんだ。あるのは、ただ、事実だけさ」
「……」
「お前は可哀相だね」

「…間違っているのは、キミだ」
「でもお前にそれを証明する手立てはないよ」


誰もお前を信じてくれる奴はいないだろう?


それでも、間違っているのはキミだ。






 

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