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黒子のバスケの2次創作ブログ。 キセキ中心の黒子受け雑食(黒桃有)で文章書いてます。お勧め→◇
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(ちょっとだけオリキャラ?青峰の彼女出てきます)


「大輝~v」
快活に、軽薄そうな笑みを浮かべる彼女の元へ、青峰は当然のことのように近寄っていく。
そしてうるせぇよと彼女を小突いて。
べたべたと、彼女がまとわりついてくるのを、鬱陶しそうにしながら、でも、許している。


練習を切り上げさせられたタイミングはほぼ同じだったから、玄関口付近で、黒子は、それを見てしまう。

それを緑間は、見ていた。
黒子が何の感情もないような瞳で、ただ、呆然とその様子を見ているのを。
緑間は知っていた。
黒子が青峰に特別な思いを寄せていたことを。


満更ではなかった、というよりも、普通にその思いに応えていたであろう青峰は、もう変わってしまった。
もう黒子の形にならない思いに、反応を返すことすらしない。
ただ遠くで、もう届かない遠くで、ただ、生きている。

その姿が空虚で惨めだと緑間は思う。
けれど彼は自業自得だ。

哀れなのは黒子の方だった。
馬鹿の一つ覚えのようにただ青峰を見送っては、黙っている。
傷ついて、苦しんで、悲しんでいるはずなのに、黙っている。
口に出すことに何の意味もないと知っているから。
何もできないともう悟ったから。
それが憐れで、痛々しい。

好きになることをやめることもできず。
望みのない高い壁をただ見つめている。

「見るな」

そう言って肩に手を置いた。
けれど黒子は動かない。
強引に引き寄せて、抱き合う形で固定した。
胸に顔をうずめさせて。

これでもう何も見えない。

青峰が行ってしまうまで、そうしていればよかった。
見たくなどなかった。
これ以上黒子が傷ついていく姿を。

黒子はまるで植物のように動かない。
小さな体は部活を終えてすぐだと言うのに体温もないかのように冷えていた。


かつての2人がこんな事態になることを一体誰が想像しただろう。


「緑間君」
「…なんだ」
「人の心って難しいですね」
「…そうだな」

「ボクは、もう疲れました」
「…そうか」

黒子は身じろぎもしない。

「キミのいう運命に、こうなる定めは書かれていたんですか」

答えることができない。
そうだと言ってやるのは簡単すぎた。
けれど。
けれど。

「ボクの努力が足りなかったんでしょうか」

返事をすることもできない。

「青峰君が間違っていたんでしょうか」

黙り込む。
視線の遥か彼方ではまだ女と青峰がぐだぐだと歩いている。

「それとも、最初から、全部、間違っていたんでしょうか」

黒子の声は淡々としていて、冷静だった。
だからこそ手の付けようがない。
泣いて叫んでくれたなら、他にしようもあったのだろうに。

「緑間君。ボクはどうしましょうか」

どうか黙ってくれ。
酷く心をえぐる声音。

「どうするのが正しいんでしょうか」

身体を離したくなかった。
肉欲的な意味ではなくて。

その顔がどうしても見たくなかった。

余りにも空虚な顔をしていそうで。
その眼で見られれば、どうかしてしまう気がした。
そんなことは絶対に避けなければならなかった。
自分のために。

「オレが知るものか」

口から言葉が溢れれば、もう、止まらなかった。

「人に寄りかかるな。自分で決めたんだろう、影になると」

死人に鞭打つようだ。

「ならばそれに徹していろ。今更余計なことを考えるな」

わかっているのに。
こんなことを言いたいのではないのに。

「まだ道半ばで、」
「緑間君」

遮られる。
声は静かなのに、全てを止められた。

止めてくれてよかった。
いつもは黒子のそういうところが嫌いなのに、安心した。
あんな言動、お互いを傷つけるだけだ。
後悔などしたくないのに、後悔するだけだった。

「ボクはいつか、報われるでしょうか」

聞かれているのに、断定的だった。
そんなことはないと、黒子は暗に言っている。
オレの返答を本当は必要としてもいない。

「報われるさ」

何とかそれだけを返す。
そのはずだ。
人生とは、そういうもののはずだ。

黒子は、緩慢に腕を持ち上げて、緑間の体を押した。
青峰の姿は、もう見えない。

緑間は手を離してやる。
黒子は緑間を見るでもなく、振り向いて、青峰がいたはずの空間に眼をやった。
もうそこには誰もいないのだけど。

「そんなにあいつが好きか」

緑間は思わず口を滑らせた。
すぐにはっとしたが、今更言わなかったことにはできない。
わざとらしい振る舞いも誤魔化しも、全て見抜かれることはわかっていた。

「さあ。ボクにももうよくわからないんです」

黒子から返ってきたのは意外な返事だった。

すっと、糸が切れたマリオネットが崩れ落ちるかのような唐突さで、黒子は歩き出した。

「帰ります」
「…そうか」

緑間は、内心、安心して息をついた。
黒子は振り向いて、少しだけ口角を上げて、笑顔を作って見せる。

「ありがとうございました、心配してくれて」
「…ふん」

何と返していいかわからず鼻を鳴らすと、黒子はそのまま身を翻して、歩き出した。
細い背中だった。
追おうかと、緑間は一瞬躊躇したけれど、結局、追わなかった。
自分に何ができるとも思わなかった。



何も止められるものはなくて。

ただ時は緩やかに残酷に現実を変えていく。

それを幸福ととるか不幸ととるかは、そこにいる人間次第。


これから彼らは最もつらい時期を迎えることになる。






 

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