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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
「紫原君、いただきますぐらいちゃんと言ったらどうですか」
「え?」
「別におやつの時までとは言いませんが、昼食のときぐらいそういうのちゃんとしたほうがいいと思います」
「別に誰も聞いてないじゃん」
「そういう問題じゃないんですよ。マナーです」
「めんどくさいじゃん」
「やっぱり食べ物にはそれを作ってくれてる人がいるわけですから」
「でもお金払って買ってるけど?」
「そのお金はキミが稼いだものじゃないでしょう」
「あーまあね」
「それに、キミに食べられるために、犠牲になってくれた命があるわけですから」
「黒ちんって、幽霊とか、そーゆーの信じてるヒト?」
「別にそれはどうでもいいですから」
「でももう死んでるしさ。いただきますなんて言っても聞こえないでしょ」
「聞こえる聞こえないの問題じゃないんですってば」
「気持ちの問題?」
「そうです。何でも与えられて当然と言う態度はよくないですよ」
「ふーん…」
「美味しいものに対する感謝の気持ちでもなんでもいいですから、そういうのちゃんとしましょうよ」
「…まーいいけど…」
「なら、そうしてください。一言ですから、そんな大変でもないですしね」
「んー」
そのやり取りの後、紫原は、気が向くと、ちゃんと挨拶を使うようになった。
黒子の前で忘れれば、黒子が突っ込むこともあって。
ただその結果に、紫原自身は、不服そうだった。
「…何かオレ、黒ちんに毒されてる気がする」
「はい?」
「黒ちんのペースに巻き込まれてるっていうか」
「はぁ」
「オレこんなタイプじゃなかったと思うんだけど」
「でも、多少は人に合わせる能力も必要ですよ。いつも相手に合わさせてたら、相手が疲れてしまいます」
「合わせたかったら合わせればいーだけじゃん。別にオレ合わせろとか言ってないし」
「それでもある程度は合わせないと傍にはいられないものですよ」
「ふーん?」
「キミが合わせてくれたから、ボクも少しはキミとの距離が縮まった感じしますし」
「へー?」
「仲良くなるためにはある程度の礼儀が必要なんだと思いますよ。やっぱり」
「そんなもんかな」
「そういうものです」
「じゃあ黒ちんはオレに合わせるために何かしてくれてんの」
「…バスケのことに目をつぶってますよ」
「…つぶってんの?」
「基本的には言わないようにしてます」
「心の底では、んな穏やかじゃないくせにね」
「見えないからいいんです」
「何それ」
「少なくとも表面上で問題が出ないならいいでしょう?」
「なんかオレの方が損してる気がするんだけど」
「気のせいです」
「そーかな」
「ボクだって言わないようにするの大変なんですよ」
「だったら言えばいーじゃん」
「言ったらキミ怒るでしょう」
「うん。怒るけど」
「だったら言いませんよ。痛い目にあいたくないですし」
「ほら。結局黒ちんが得してるんじゃないの?」
「そんなこと言って…ボクがもっと強情でキミにいつも敵意を向けてたらキミはそれで満足なんですか」
「いやそれはヤだけど」
「だったらキミも得してるじゃないですか」
「そーゆーもんかな…」
「そういうものです」
「じゃーこういうのもいーのかな」
「はい?」
「いただきます」
「は?…んっ…!?」
「……」
「…っちょっと…何してるんですか」
「何って、キスだけど」
「いきなり何なんですか」
「ちゃんと言ったじゃん」
「は?」
「食べる前に」
「………ボクは食べ物じゃないんですが」
「ちゃんと感謝の気持ちとか含めて言ったよ」
「…なんか釈然としないものがあります」
「そう?ま、ごちそーさま」
「……キミは何か得したんですか?」
「え?」
「いえ。さっきまでの理論で、キミがそういうことでボクが利益を被るんだとしたら」
「…よかったよ。もっと、食べてみたいけどね」
「……馬鹿にされてる気がします」
「してないって」
「……。キミは、よくわからないです」
「いーじゃん。オレにも、ちょっとは合わせてよ」
「……結構譲歩してると思うんですけどね…?」
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