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ので、拍手とキリ番機能は停止させてもらいました。今までコメントありがとうございました!嬉しかったです!
更新は予約してますので、これまで通りにちゃんといくと思います。
暫く連絡は取れなくなりますが、これからも、よろしくしてくれたらうれしいです。
「青峰君、起きてください。そろそろ授業始まりますよ」
「んー…」
「今からそんなんでどうするんですか…」
「……」
青峰はぼんやり上半身を起こすと、目の前にあった黒子の胸におもむろに手を当てた。
空気が凍った。
「…何してるんですか」
「…あー、やっぱ胸ねえな」
「あるわけないでしょう」
投げやりに手を打ち払う。
「黒子っち…冷静ッスね」
「いったいどういうことだ、青峰」
「なんか変な夢見たわ」
「はぁ」
「夢ッスか」
「オマエが女なの」
「はぁ」
「だから触ってたしかめたんスか!?」
「いや、なんとなく」
「もし本当に女だったらどうするつもりだったのだよ…」
「まーそんときはそんときで」
「軽いですね…」
「実際男なんだし気にすんなよ」
「そーゆー問題じゃないッスよ!」
「黄瀬君、まあいいですから早く行きましょう。もう時間です」
「そうだな…」
「うーなんか釈然としないものがあるッス…」
「あー…ダル…」
「ホラ、行きますよ」
「…あーハイハイ。引っ張んなって」
「そうしないとキミ平気でサボるでしょう…」
走って屋上を後にする。
緑間と黄瀬に続いて。
青峰は黒子の後ろ姿を見ながら、考える。
女にしては身長はあるが、男にしては小柄な体。
生意気で、いちいちうるさいが、基本的には穏やかで、必要以上には干渉してこない。
よくわからないし、オレとは全然違うのに、面白い。
興味を沸かせる。
だから、あんな夢を見たのだろうか。
今より少し髪が長くて、オレの後ろで慎ましく控える、小さな、コイツの姿。
性格は変わらずふてぶてしくて、表情もほとんど変わらないのに。
バスケを語る時煌めく眼と、引き寄せた時一瞬嬉しそうに目を細める、その様子が、堪らなく可愛く映った。
別に今でも、十分悪くないけど。
「テツ」
腕を引く。
黒子が迷惑そうに振り向いた。
そのまま顔を近づけて、眼尻に口付けた。
口にするには距離が近すぎた。
もっと顔を上げてもらわなければできない。
この身長差が、笑える。
「……!?」
「ははっヒデー顔」
「…っ青峰君!!」
怒って振り上げられた手を避けて走った。
「…どしたんスか?」
前を行く黄瀬が振り向いた。
「関係ねーよ!とっとと行け!」
「ヒドッ!」
パタパタと走りながら、青峰はすっと振り向いた。
顔を高揚させたままの黒子に、悪戯っぽい笑みを向ける。
「オマエが女だったらケッコンできたのにな!」
「っ何言ってるんですか!!」
黒子の眉がますます吊り上る。
「っちょっ青峰っちどういうことッスか!?」
「うるせーよ遅れんぞ」
「オレにもちょっと教えてくださいよー!!」
やがてチャイムが鳴り始め。
授業には間に合ったものの、青峰の挙動は黒子を惑わせたままだった。
平静を装うことは彼の得意技だったけれど。
それでも彼の顔は暫く赤いままだった。
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